つなワタリ＠捨て身の「プロ無謀家」（@27watari）です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
【目次】本記事の内容
- 1 携帯大手KDDIで6月2日未明に起きた大規模な通信障害
- 2 1時間おきの発表される障害情報でKDDI高感度アップ
- 3 3日11時頃に西日本が復旧し、社長謝罪会見も
- 4 社長会見でKDDIの評価がうなぎ登り!? ネットに溢れた絶賛コメント
- 5 今後は「高橋誠社長の受け答えから見る失敗の活かし方」の特集記事が出る!?
- 6 長すぎる障害と曖昧な障害情報の垂れ流しに不信感も芽生え始めた!?
- 7 7月5日（火）15時36分に、「トラヒック正常性に問題がない」最終確認が完了
- 8 最大3915万回線に影響！ 実際にはどのようなトラブルが発生した？
- 9 業界での立場が危うくなる？ KDDIの未来を占う「総務省の天下り」
- 10 KDDI「お詫び返金」として一律200円を発表。法人に対してのお詫びの内容は？
携帯大手KDDIで6月2日未明に起きた大規模な通信障害
携帯大手KDDIで起きた大規模な通信障害は、6月2日の発生から丸1日がたった3日になっても続きました。現時点（3日午後）の状況は、「西日本エリア復旧作業終了・東日本エリア17:30頃に復旧作業終了予定」となっています。
ここまでのKDDIの状況報告の姿勢、さらに3日昼前から行われた高橋誠社長の記者会見などを紹介します。
まず発生時の障害情報（一発目）はこちらです。
「（7月2日 03時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月2日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220702941.html
魚拓URL：https://archive.ph/cdjne
念のために文字を残しておきます。
（7月2日 03時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、本日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
現在、復旧作業に努めております。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話およびUQ mobile携帯電話
３．影響エリア
全国
４．影響
音声通話およびデータ通信がご利用しづらい状況が発生しております。
1時間おきの発表される障害情報でKDDI高感度アップ
7月2日3時の発表後、2回目の障害情報は2日8時でした。その後は1時間おきに障害情報が更新されていきました。内容は同じものでしたが、こういった定期的な情報発信は非常に好感が持てる対応でした。
2日17時の障害情報になって原因が追記されました。
それがこちらです。
「（7月2日 17時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月2日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220702952.html
魚拓URL：https://archive.ph/vsbUN
念のために文字を残しておきます。
（7月2日 17時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、本日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
現在、復旧作業に努めております。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じております。
５．影響
トラヒックの輻輳を軽減するため、流量制御などの対処を講じており、
個人・法人のお客さまの音声通話およびデータ通信がご利用しづらい状況が発生しております。
※緊急電話もご利用しづらい状況が発生しているため、固定電話、公衆電話など
ご利用くださいますようお願いいたします。
※通信障害に伴い、現在KDDIお客さまセンターをはじめ各お問合せ窓口が大変混雑しております。
ご迷惑をおかけしますが、しばらくたってからおかけ直し頂くようお願い申し上げます。
●復旧の見通しが完全に出てからの復旧時間発表
通信サービスのトラブルは全国的なスケールで発生しましたが、復旧時間などの具体的情報が公式にアナウンスされたのは7月3日1時、さらに7月3日2時には復旧時間に加え、回復状況も補足されました。
それがこちらです。
「（7月3日 02時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月3日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220703961.html
魚拓URL：https://archive.ph/lqlQR
念のために文字を残しておきます。
（7月3日 02時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、昨日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
現在、復旧作業に努めております。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
全国的にデータ通信を中心として徐々に回復してきています。
西日本は07:15、東日本は09:30を目標として復旧活動に取り組んでいます。
03:00時点では全国の15%程度回復見込みです。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の音声通信、ホームプラス電話、
ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じております。
５．影響
トラヒックの輻輳を軽減するため、流量制御などの対処を講じており、
個人・法人のお客さまの音声通話およびデータ通信がご利用しづらい状況が発生しております。
※緊急電話もご利用しづらい状況が発生しているため、固定電話、公衆電話など
ご利用くださいますようお願いいたします。
※通信障害に伴い、現在KDDIお客さまセンターをはじめ各お問合せ窓口が大変混雑しております。
ご迷惑をおかけしますが、しばらくたってからおかけ直し頂くようお願い申し上げます。
通信障害が発生してから24時間もの時間を要することになった大惨事なわけですが、KDDIとしては今後の対応と信用回復に対して緊急会議が延々と続いたことでしょう。
ここまでの間、ネットでは「機内モードに変えるとつながるケースがあるという未確認通信情報」「auショップの対応」などの投稿が目に付きました。
3日11時頃に西日本が復旧し、社長謝罪会見も
3日7時の発表では西日本の復旧は07:15を目標にしていましたが、もう少し時間がかかることをほのめかした発表がなされました。また70%程度が回復していることも付け加えられました。そして昼前には西日本の復旧し、KDDIの高橋誠社長の記者会見が行われました。
ここでは7月3日11時の障害情報を載せておきます。
「（7月3日 11時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月3日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220703970.html
魚拓URL：https://archive.ph/jJPCi
念のために文字を残しておきます。
（7月3日 11時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、昨日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
現在、復旧作業に努めております。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
全国的にデータ通信を中心として徐々に回復してきています。
西日本エリアは11:00ごろに復旧作業終了予定です。
東日本エリアは17:30ごろに復旧作業終了予定です。
ネットワーク試験の検証のうえで、本格再開時間を決定します。
なお西日本とは、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、
兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、
佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 を指します。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の音声通信、ホームプラス電話、
ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じております。
５．影響
トラヒックの輻輳を軽減するため、流量制御などの対処を講じており、
個人・法人のお客さまの音声通話およびデータ通信がご利用しづらい状況が発生しております。
※緊急電話もご利用しづらい状況が発生しているため、固定電話、公衆電話など
ご利用くださいますようお願いいたします。
※通信障害に伴い、現在KDDIお客さまセンターをはじめ各お問合せ窓口が大変混雑しております。
ご迷惑をおかけしますが、しばらくたってからおかけ直し頂くようお願い申し上げます。
◯最大で3915万の利用者に影響
KDDIの高橋誠社長は午前11時から記者会見を行い、最大で3915万の利用者に影響した可能性があるとし、一刻も早い復旧を目指すと陳謝しました。
記者会見の時間は約2時間。それがこちらです。
社長会見でKDDIの評価がうなぎ登り!? ネットに溢れた絶賛コメント
今回の謝罪会見ですが、叩き上げの社長である高橋誠氏の対応が絶賛されています。いくつかの声を拾っておきます。
KDDI･高橋誠社長の会見。
社長自ら説明されていて、技術面含めて大枠を把握されている感じ。調べたら京セラ出身で、KDDI入社後もそれぞれの各所をまわってきた、たたき上げの社長。
障害を起こしてしまっているのは問題だけど、このような社長は、今時珍しいし、好感が持てる。#KDDI通信障害
— kiwa（きわ）＠エグゼクティブファイト武士道 (@kiwa_ap) July 3, 2022
社長がすべてを把握しているというのが絶賛されるのがいいのかどうかはわかりませんが、とにかく叩き上げというのは魅力的です。
KDDI記者会見の抜粋。
高橋誠社長の受け答えから、自らが夜間を通して主体的に議論に参加してるがわかる。
①ルータ交換時に輻輳発生
②DBに負荷集中
③この対処に長時間ただ、「加入者DBのデータ不一致」に関しては負荷集中以上の明確な説明がない。
⇒真の技術的理由はまだ不明
これからやね。 pic.twitter.com/SJcbDLW9ub
— Henry ∋ＩＴ🦊🐵 (@HighWiz) July 3, 2022
原因解明は徹底的に行なってほしいですね。さらに原因が解明されたら、auだけの問題にせずに今後のためにもデータを共有されるといいのですが……。
KDDIは高橋誠社長は記者会見を開き、2日未明からの大規模な通信障害について「社会インフラを支える、また安定したサ－ビスを提供する立場である通信事業者として、深く反省しています。」と陳謝しましたhttps://t.co/jniB3AUOCZ#nhk_video pic.twitter.com/rNUK0TasYF
— NHKニュース (@nhk_news) July 3, 2022
さすがにほとんど寝てないのがうかがえます。この後に倒れてしまいそうで心配ですね。
今後は「高橋誠社長の受け答えから見る失敗の活かし方」の特集記事が出る!?
今回の通信障害については、完全復旧と原因解明が急務です。この後にどのような謝罪文を出すのか、そして補償問題についても気になります。もうしばらくウオッチングしていきます。
ちなみに補償についてですが、KDDIは2013年にも大きな通信障害を起こしています。このときは関東エリアで発生し、80万人ほどの対象者に一律700円の返金という補償が行われました。しかし、今回の通信障害は規模も時間も比較にならないほど大きなものです。とくに緊急通報すらままならない状況が続いてしまったのは、極めて重大な事故だったといえます。さすがに謝罪だけで済むレベルではありません。
◯マスコミが今回の事故をどのように扱うかが気になる
さて、今回の騒動で株を上げた高橋誠社長に対する記事も週明けにはリリースされることでしょう。
社長がモノを知っていることは非常に好感が持てるのは事実ですが、しかし、そこばかり注目しすぎると、今回の通信障害も問題がボヤけてしまいます。
マスコミ各社のスタンスが非常に楽しみです。
では、またあらためて。
長すぎる障害と曖昧な障害情報の垂れ流しに不信感も芽生え始めた!?
いま補足を書いているのは4日の夜22時頃です。
まずKDDIの障害情報は変わらず1時間ごとにアップされています。この姿勢は評価できます。素晴らしいと思います。
しかし、文章が同じです。しかも曖昧です。個人的には内容に問題がある価値ゼロの障害情報の垂れ流しは逆効果だと考えます。あまり細かく出す必要もありませんが、「記者会見のポイント」を補足で入れる工夫は必要だったのではないでしょうか。また「音声通話およびデータ通信がご利用しづらい場合は、電話機の電源OFF・ONの操作をお試しください」などと書かれていても、意味不明に感じる人もいるのではないでしょうか。
では、サクッとポイントとなる障害情報をいくつか載せておきます。
まず7月4日8時の障害情報を載せておきます。
「（7月4日 08時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月4日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220704990.html
魚拓URL：https://archive.ph/DlTaH
念のために文字を残しておきます。
（7月4日 08時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、2022年7月2日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
全国的にデータ通信は概ね回復しています。また、流量制御などの対処を講じているため、音声通話がご利用しづらい状況が継続しております。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の通信、ホームプラス電話、
ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じております。
５．影響
トラヒックの輻輳を軽減するため、流量制御などの対処を講じており、
個人・法人のお客さまの音声通話およびデータ通信がご利用しづらい状況が発生しております。
※緊急電話もご利用しづらい状況が発生しているため、固定電話、公衆電話など
ご利用くださいますようお願いいたします。
※通信障害に伴い、現在KDDIお客さまセンターをはじめ各お問合せ窓口が大変混雑しております。
ご迷惑をおかけしますが、しばらくたってからおかけ直し頂くようお願い申し上げます。
「全国的にデータ通信は概ね回復しています。」という表記ですが、「概ね」というのが曖昧ですね。さらに「音声通話がご利用しづらい状況が継続しております。」となっていますが、ネットで使えないという声も目立ちました。これを「概ね回復」と言ってしまうのは問題があるような気がしてなりません。
ちなみに「概ね」の数値的な目安ですが、調べてみると8〜9割と解説している記事が目立ちました。当初の障害情報では70％という数字を出していましたが、その根拠も曖昧に感じてきてしまいます。正確な数値が出せないならばそれを言ってくれればいいだけなのですが……いかがでしょうか？
続いて、7月4日16時からは、「概ね回復」から「ほぼ回復」という言葉に入れ替わっています。9割以上は回復というニュアンスでしょうか。
これが7月4日16時の障害情報です。
「（7月4日 16時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月4日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220704998.html
魚拓URL：https://archive.ph/OVtBm
念のために文字を残しておきます。
（7月4日 16時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、2022年7月2日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
音声通話・データ通信含め全国的にほぼ回復しています。
現在、ネットワーク試験の検証を行っております。
本格再開時間は別途、ご案内いたします。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の通信、ホームプラス電話、
ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じております。
※音声通話およびデータ通信がご利用しづらい場合は、電話機の電源OFF・ONの操作をお試しください。
「ほぼ回復」と言っておきながら、「本格再開時間は別途、ご案内いたします。」と続ける意味が理解できません。本格再開していないのであれば、「ほぼ回復」ではないのではないでしょうか。日本語って難しいですよね。私も判断に苦しんでしまいます。
そして7月4日17時の障害情報に変化がありました。
「（7月4日 17時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月4日
https://news.kddi.com/important/news/important_20220704999.html
魚拓URL：https://archive.ph/1LyJh
念のために文字を残しておきます。
（7月4日 17時00分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、2022年7月2日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しておりましたが、
音声通話・データ通信含め全国的にほぼ回復しています。
音声通話およびデータ通信がご利用しづらい場合は、電話機の電源OFF・ONの操作をお試しください。
現在、ネットワーク試験の検証を行っており、本格再開時間は別途、ご案内いたします。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
１．日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の通信、ホームプラス電話、
ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じております。
「音声通話およびデータ通信がご利用しづらい場合は、電話機の電源OFF・ONの操作をお試しください。」という具体的な対処方法が記載されています。
これは「ほぼ回復」はしているけれど、各端末にも想定外の影響が出ているかもしれないので再起動してほしいという依頼なのでしょうね。この時点で重大なトラブルの原因が掴みきれてない雰囲気を感じてしまいました。
◯障害が長引いたのは……「何らかの原因」と技術担当者が説明
KDDIは4日午後8時から技術担当の吉村和幸専務がオンラインで記者会見を開きました。会見では「ほぼ回復」と発表されていましたが、全面的な復旧の判断は5日の夕方になるという見通しを示しました。
さらに通信障害が長引いた原因については、「当初はきのう行った復旧作業の結果、システムへの負荷が減ると見込んでいたが、何らかの原因で実際には負荷が減らず、調査を行っていた」と答えるにとどまり、具体的な原因を提示することはありませんでした。
4日深夜の時点で通信障害のトラブルは終息してきているようですが、5日に完全復旧となるのでしょうか。このトラブルは意外と尾を引いてしまうかもしれません。
7月5日（火）15時36分に、「トラヒック正常性に問題がない」最終確認が完了
7月5日16時15分の障害情報の発表が打ち止めとなりました。
これです。
「（7月5日 16時15分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について」2022年7月5日
https://news.kddi.com/important/news/important_202207051022.html
魚拓URL：https://archive.ph/qbPt7
念のために文字を残しておきます。
（7月5日 16時15分現在）au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
この度は、お客さまに多大なご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
2022年7月2日（土）01時35分から当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しておりましたが、2022年7月4日（月）15時00分で音声通話・データ通信のご利用が問題ないことを確認しました。
2022年7月5日（火）の事故対策本部会議において、2022年7月4日（月）15時00分以降、個人・法人のお客さまのサービス利用状況およびネットワークのトラヒック正常性に問題がないことを2022年7月5日（火）15時36分に最終確認しました。
音声通話およびデータ通信がご利用しづらい場合には、電話機の電源OFF・ONの操作をお試しください。
※ホームプラス電話は専用アダプタのコンセントの抜き差しをお願いいたします。
引き続き、KDDIグループ一丸となって真摯に取り組んでまいります。
１．お客さま影響期間
2022年7月2日(土) 01時35分頃から2022年7月4日（月）15時00分
２．対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の通信、ホームプラス電話、
ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信
３．影響エリア
全国
４．原因
2022年7月2日(土)未明の設備障害により
VoLTE交換機でトラヒックの輻輳が生じておりました。
５．当社対応内容
①VoLTE交換機の負荷低減対処
②加入者DBの負荷低減
③データ不一致修正対処
④VoLTE交換機の切り離し
※緊急通報（110番、118番、119番）についても接続が可能となっております。
さらに5日の夕方からは大規模通信障害についての会見が行われました。ちなみに下記のライブは26：20秒頃から会見がスタートします。
7月2日未明の発生から4日目、約86時間かかって復旧が確認されました。私もauですが、使えなかったauPAYのログインはパスワードの再登録によってアクセス可能となりました。
会見では今後の対応として、「詳細な原因究明」「再発防止策の策定」「お客さま周知の在り方」の3項目を検討していくこと、ならびに補償については検討をしていきたいと回答がなされました。
最大3915万回線に影響！ 実際にはどのようなトラブルが発生した？
今回の通信障害では最大3915万回線に影響があったとされています。では、具体的にどのような影響が出たのかを箇条書きにまとめておきます。
＜KDDIの大規模通信障害の影響＞
・auのほか、UQ mobileやpovoにおいても通信障害
・au回線を用いる他社のサービスへの影響（IIJ、オプテージ、BIGLOBE、JCOMなど）
・ヤマト運輸でのドライバーと利用者の通話障害ほか
・JR貨物での貨物情報システム障害
・日本郵便での配達遅延
・トヨタ自動車でのコネクティッドサービス障害
・マツダでのコネクティッドサービス障害
・スズキでのスズキコネクト障害
・気象庁ではアメダス観測データの収集トラブル
・大垣共立銀行では店舗外ATM未稼働
・琉球銀行では業務用が不通
・京成バスでは接近表示機の停止
・小田急バスでは業務無線などでの障害
・東京空港交通ではリムジンバスでの決済不具合
・JR西日本では乗車券の購入不能
・Times PAYでは決済不能
・消防庁では電話がかかりづらい状況
・伊藤園では音声通話がつながりにくい
・セコムではセキュリティシステムの通信の不具合
・アイコムでは接続の不具合
だいたい以上となります。
業界での立場が危うくなる？ KDDIの未来を占う「総務省の天下り」
今回の記者会見で一躍時の人となったKDDIの高橋誠社長ですが、今後の去就が気になります。叩き上げで硬派な社長であることが知れ渡りましたが、それは総務省の天下りに対しても厳しい対応をしたことで知られています。
そもそもKDDIは昔から総務省ＯＢを大量に受け入れてきました。しかし2022年に高橋社長は所管省庁と距離を置くことを決めたそうです。
さて、そして今回のトラブルです。
一部では、意図的に策略された内部犯行ではないかという声もあります。
つまり通信障害で窮地に追い込み、総務省の天下りの受け入れ中止を撤回させるという筋書きです。マスコミは大きなニュースとして取り上げることはないでしょうが、「総務省の天下り」はKDDIの未来を占う選択と言っても過言ではありません。そのように私は見ています。
KDDI「お詫び返金」として一律200円を発表。法人に対してのお詫びの内容は？
auなどで7月2日に発生した通信障害を受け、7月29日にKDDIは一律200円を「お詫び返金」すると発表しました。
謝罪内容はKDDIのトップページに掲載されました。
こちらです。
「通信障害に関するお詫びとお知らせ」2022年7月29日
念のために文字を残しておきます。
通信障害に関するお詫びとお知らせ
平素はKDDIおよび沖縄セルラーの通信サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。
2022年7月2日 (土) 午前1時35分より長時間にわたり弊社の通信サービスをご利用の全国のお客さまに、多大なご不便とご迷惑をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます。
再発防止策の徹底を図り、サービスの安定的な運用に向けて、KDDIはグループ・全社一丸となって取り組んでまいります。
通信障害によるお客さまへのご返金につきまして、以下のとおり実施いたします。(準備が整い次第、9月以降のご請求において減算の対応をいたします。)
ご返金内容
[1] 契約約款に基づくご返金■対象のお客さま: 271万人 (KDDI) 7万人 (沖縄セルラー)
通信障害期間中 (注1)、24時間以上連続して全ての通信サービスをご利用いただけなかったお客さま (音声通信サービスのみをご契約のお客さま)
■ご対応内容: ご契約の料金プランの基本使用料等の2日分相当額をご請求額から減算 [2] 通信障害のお詫びとしてご返金
■対象のお客さま: 3,589万人 (KDDI) 66万人 (沖縄セルラー)
通信障害期間中 (注1) にスマートフォン、携帯電話およびホームプラス電話をご契約いただいていた全てのお客さま
■ご対応内容: ご請求額から200円 (税抜) の減算
※povo2.0は基本使用料が0円であることから、返金に替えてデータトッピング (1GB/3日間) を進呈
ご返金対象のお客さまには、8月中旬より順次、SMS (ショートメッセージ) (注2) や請求書等でお知らせいたします。
弊社からご返金に関してお送りするSMS本文にはリンクURL、お客さま情報のご入力を求める記載はありません。弊社からのお知らせを装った偽メール・偽SMSにご注意ください。
注1) 2022年7月2日午前1時35分から同年7月4日午後3時まで。
注2) ホームプラス電話、および法人契約のお客さまは対象外となります。
ちなみに「通信障害の概要」は以下のとおりです。
・影響時間 7月2日 (土) 1:35～7月4日 (月) 15:00 (61時間25分)
・影響エリア 全国
・影響数
音声 (VoLTE) 約2,278万人
※通常時と障害時の呼数の差分と一人あたりの平均呼数より算出
データ通信 (4G/5G) 765万人以上
※通常時と障害時の4G/5Gサービスの位置登録数の差分 (最大値)
別枠として「法人のお客さまにおける影響」もサイトには記載されています（https://www.kddi.com/important-news/20220729_01/）。
内容は「物流関連（宅配便の配送状況更新・配達ドライバーへの連絡）」「自動車関連（つながるクルマ向けのサービス利用）」「行政サービス（気象観測点のデータ収集・水道検針）」「銀行関連（店舗外のATM利用）」「交通関連（空港スタッフ用無線機やバスのICカード使用）」などです。
文章では「今回の通信障害では、スマートフォンやIoTをご利用いただいている、物流、自動車、行政サービス、銀行、交通と広く産業界に波及、生活インフラに影響を及ぼしました。再発防止策の徹底、サービスの安定的な運用に加えて、新たな利用シーンやサービス影響の把握、適時適切な情報をお届けする手法を確立し、今回の課題をしっかりと踏まえてまいります。」とお詫びしています。
具体的な法人名などは記載されていません。とんでもない損害を与えたのは間違いありませんので、個別に対応しているのでしょうか。サイトには「対象のお客さま 3,589万人 (KDDI) 66万人 (沖縄セルラー)の請求額から200円 (税抜) の減算」を行うことだけが書かれています。
ちなみに200円の算出根拠は「音声通信プランの価格をベースに計算。障害は約61時間続いたが、規定により2日分の返金義務が発生。返金額の平均は1日当たり52円となるが、実際の障害継続時間に合わせて3日分支払えば156円になるが、お詫びの意味も込めて200円という数字にした」とのことです。ちなみにトータルで返金総額は約73億円となります。
・ ・ ・
私が見つけられなかったのかもしれませんが、公式サイトには企業に対するお詫び内容は書かれていませんでした。マスコミの記事でもそれに関する内容は見つかりません。
不思議です。
どうも釈然としません。
まぁ、これが大人の社会ってことでしょうか。臭いものには蓋なのでしょうか。
では、KDDIの通信障害に関しては、この辺で打ち止めにしておきます。
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。
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