つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
【目次】本記事の内容
- 1 北海道・森町のゴーカート事故で重体だった2歳の男の子が死亡
- 2 ゴーカート? レーシングカート? イベント主催者の業務上過失致死か?
- 3 「高速ゴーカート」とは、どのくらいのスピードが出るのか?
- 4 今回の事故に対する声はどんなものが多いのか?
- 5 イベント名は「函館地区オールトヨタ クルマファンFES」 主催者は?
- 6 豊田章男氏(トヨタ自動車社長)は何らかのアクションを起こすのか?
- 7 オレがトヨタの社長だったら、何をする?
- 8 トヨタ本社はこの事件に無関係? いまはそんな時代じゃないのでは?
- 9 9月20日、イベントを共催したトヨタ自動車の関連会社4社が謝罪文を掲載
- 10 警察は業務上過失致死傷容疑で現場の状況を詳しく捜査
- 11 事故を未然に防ぐには、「だろう」ではなく「かもしれない」で
- 12 <補足>過去のゴーカート記事をまとめたルポライター・昼間たかし氏の良記事
- 13 気になる法的責任どうなるのか? 運転していた女児は「刑事未成年者」
- 14 ゴーカート暴走の関する新映像と証言で運営サイドのミスが強まる?
- 15 「消費者庁とこども家庭庁設立準備室」が注意を呼びかけ
北海道・森町のゴーカート事故で重体だった2歳の男の子が死亡
2022年9月18日午前11時45分ごろ、北海道・森町の「グリーンピア大沼」で開かれた車のイベント会場で「ゴーカートが暴走し、けが人が出ている」と警察に通報がありました。事故の内容は11歳の女の子が運転するゴーカートが見物していた人の列に突っ込み、1歳と2歳、それに4歳の子ども3人がはねられて病院に搬送されたというものです。
翌19日、道警森署は意識不明の重体だった函館市赤川1丁目の吉田成那ちゃん(2)が死亡したと発表。イベントを主催していた函館トヨタ系4社は事故発生時に謝罪コメントを出したようですが、正式にどのような対応をするのか注目されます。
とくに今回は亡くなったお子さんはもちろん、加害者である11歳の女の子も被害者といえる状況でもあります。函館トヨタ系4社だけの謝罪で終わらすことなく、トヨタ本社も含めてケアをしっかりしていく姿勢を打ち出してほしいです。
今後、どういった対応をするのか注目です。
ゴーカート? レーシングカート? イベント主催者の業務上過失致死か?
報道されている情報を見る限りでの判断ですが、今回の事故はイベント主催者側の業務上過失致死といえるのではないでしょうか。40キロのスピードが出るゴーカート(もはやレーシングカートか?)に11歳の子どもを乗せてしまうのも危険ですし、さらにコースアウトするような最悪のケースに対する準備も万全だとは言い難い状況だったと感じました。
現場の映像はこちらで見ることができます。
主催者によると、事故時にゴーカートを操縦していた小学生の女児(11)は、1人乗りの「高速ゴーカート」を運転していた。コースは1周約200メートルで、1人3分間、自由に周回できた。
引用:ゴーカート事故、時速40キロで突っ込む? 主催のトヨタ系販社謝罪(朝日新聞デジタル/2022年9月18日 20時00分)
https://www.asahi.com/articles/ASQ9L6H81Q9LIIPE01N.html
魚拓URL:https://archive.ph/kO8Ko
◯事故の原因はアクセルを踏み続けていたから?
HTB北海道ニュースは、事故直後に撮影された生々しい現場の様子を報道していました。
コースの一部には頑丈なプラスチック製のブロックが置かれていましたが、観客の前には三角コーンやポールしかありませんでした。南幌カートスポーツクラブ・桜井泰己さんは「(コーンやポールは)軽い物になるので、車を止める効果はない。そういうものでエリア分けをするのは危険」と話しています。
引用:ゴーカート暴走で2歳男児死亡 防ぐことはできなかったのか? 運営にいくつかの問題点が浮上(HTB北海道ニュース/2022年 9月19日 18:43)
https://www.htb.co.jp/news/archives_17413.html
魚拓URL:https://archive.ph/iBmFc
◯ゴーカートの進行先に見物客がいた状況
北海道新聞は、ゴーカートの進行先に見物客がいた状況の危険性を指摘していました。記事のゴーカートコースを見る限り、素人目にも危険なのがわかります。そういう配置にしかできなかったのでしょうか。
複数の関係者によると、ゴーカートの運営に関する法律や規則はない。関連の事業者には業界団体がなく、安全管理は各社の判断に委ねられるのが現状だ。
引用:見物人との仕切りは三角コーンと樹脂製の棒 ゴーカート場の安全管理は(北海道新聞/09/19 05:00)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/733104
魚拓URL:https://archive.ph/FGoH5
「高速ゴーカート」とは、どのくらいのスピードが出るのか?
調べてみると、「高速ゴーカート」というのは曖昧でザックリとした括りでした。実際には細かく細分化されて呼び名も異なります。
4歳からキッズカートという専用カートに乗ることはできますし、カート自体は身長140センチ以上などの条件を満たせば、誰でも乗ることができます。免許証も不要です。しかし、取り扱いにはかなり注意が必要です。
カート自体はゴーカートとは性能がかなり異なるもののようです。その違いを簡単に紹介します。
<ゴーカートからレーシングカートまでの種類>
(1)ゴーカート
最高速度は約20〜30キロ。遊園地で使われるタイプです。
(2)レンタルカート
最高速度は約50〜90キロ(最大で60キロというタイプもある)。ゴーカートの延長として使われているタイプ。今回はこのタイプのカートが使われたと思われます。間違いでなければ、「子供用に設計したSODIカート(http://www.harbor-style.co.jp/sodi-lr5.asp)」だと思われます。
(3)スプリントカート
いわゆる「レーシングカート」と一般的に呼ばれるタイプ。最高速度は約80~100キロですが、座席が低いこともあり、体感的には実際のスピードの2倍~3倍(160〜250キロ程度)のスピードが味わえます。
(4)サーキットカート・スポーツカート
かなり本格的なもので、一般に「スーパーカート」と呼ばれています。最高速は200キロ超えも可能です。
参考
・カートとは?よくある質問Q&A(ガレージC)http://garage-c.com/start/kart/
・レンタルカートとは?(新千歳モーターランド)https://ncml.jp/what-rental-kart
・カテゴリー解説「カートとは?」(ジャパンレーシングサービス)http://japan-racing.jp/sk/category.htm
体感が実際のスピードの2倍~3倍というのはヤバいですよね。場合によってはパニックになりかねないでしょう。今回の場合は40キロ程度だったそうですが、運転していた女の子は100キロ程度を体感していたというわけですね。
いままでもカートによる事故は「スカーフや髪が巻き込まれる」などといった自爆的なものも含めて、いろいろ発生しているようです。やはり体感のスピードで判断力が失われてしまうのでしょう。
私もスノーモビルを操作していて木に突っ込んだことがありますが、限度を超えるスピードの中では判断力が著しく低下してしまいます。そして危険回避の操作が送れて事故ってしまうわけです。
今回の事故に対する声はどんなものが多いのか?
今回の事故に関してのネットでの声をいくつかピックアップしてみます。調べたのはYahoo!ニュースの声です。
<北海道・暴走ゴーカート事故に対する感想>
・時速40kmも出る乗り物を、鉄柵もない簡易コースで、免許のない(自動車教習所に通ったことのない)子どもに運転させる、というイベントに疑問を感じる
・もっと車を好きになろうというコンセプトだったはずが……開催側の完全な非だと思います。なんともいえない気持ちになります
・ニュースの映像だけ見た感じでは、安全策を講じているようには見えなかった。コンクリートブロックも人が運べる程度の大きさで、飛散物を防ぐフェンスも確認できなかった
・運転楽しいと思ってアクセル踏み込み、パニックになってしまっただろうな
・主催者の過失が大きいですね。JAF公認イベントにも使用される新千歳モーターランドなのに残念
・走行方向の向かった先ににガードのバリアが無ければ暴走した時にどうやって止めるつもりだったのか。この子が踏み間違えたからこうなったみたいな感じだけど、ブレーキが壊れてアクセルワイヤーが噛みこんだらもっと凄いスピードで突っ込んでた事故になるところだ
・たかだか数十分だか1時間だかの講習で完全にコントロールできるわけないよ
・彼女のケアもしっかりして上げて欲しい
・免許もなく運転の知識もない子供が、危険を回避しようと操作できるわけがない。パニックになって当然だよ
・女の子の操作ミスもあったかもしれないが、それも想定しての安全対策が必要だった。原因は主催者の安全対策ですよ
・亡くなったお子さんや親御さんが可哀想なのはもちろん、楽しいはずのイベントで人を轢いてしまうという事態になった11歳のお子さん、親御さんを思うとやりきれないです
・ニュースで警察が女の子の操作ミスを指摘してる事を報じるのもオカシイと思います。こういう時こそ未成年への配慮が必要だ。報道陣はもっと慎重であるべき
・運転していた女の子に非は無い。女の子を周りは守ってあげてほしい
・映像に出てくるカートと同様の車種にサーキットで乗ったことがありますが、遊園地のゴーカートなどとは比べ物にないくらい速度が出ますしちょっとラフにアクセルやブレーキを扱っただけでスピンしてしまうくらい非常に繊細な乗り物です
・とても辛い事故だと思う。当事者同士が子供というのも心が痛む
・楽しむ為に安全対策をしないと子供達が身体も心も大きな傷を負うことになります
・カートがぶつかってもびくともしない、かつ運転手にも安全なクッションウォールでぐるりと囲むとか、何かしら対策をたてておいたほうがよかったのでは。40キロも出るカートなら、壁に突っ込むような単独事故起こしたとしても、エアバッグもないしただじゃすまない
・必至に止めようとしてアクセル全開になる。よくあるブレーキの踏み間違い事故と同じ状況だと思います
・主催者は某大手自動車メーカー系列の販売会社4社になっています。単に会場を提供していただけのグリーンピア大沼の常設ゴーカート施設で本件事故が起こったかのような誤解を与えかねない書きぶりのものもありました。マスコミは何か忖度しているのかなと、訝しく感じています
・講習だけで一人で運転する体験乗車が原動付自転車の30kmを上回る40kmのスピードは速すぎます。事故の場所もピットインの場所。バリケードが無い場所に幼児が入れる状態も考えられません
・事故が起きたのは減速して侵入すべきピットイン。そのピットインのエリアにはコーナーガードは無かったそうで…
・見物客が大勢いるところをピットとしたことがそもそもの間違いだろう
・時速40kmまで出せるようなカートを体験で乗せれるようになってることがそもそもの間違い。相手が11歳の女の子でなくとも、素人の大人相手でも危険過ぎ
・カート場での事故かと思ったら、仮設のコース。見学者との仕切りが、ほとんんどない。40kmも出る様なカートで低い2・3段のタイヤバリケードなんて、危険でしかない
・頑丈なブロックが置かれていれば運転していた子の方が重体になっていたかも
・私は基本的に当事者に責任があると思うタイプ。でもこれは運営側に責任があると私でさえ思う。免許を持たない子供に40キロの車。待機場にガード無し。責任は逃れられないですね
・スピードを出したままピットレーンに入ってしまう可能性を想定していないので、コースの設計ミス
・この会場にあったSODIのジュニアカートは160ccでリモコンでエンジン回転数の制限ができるタイプだけど、40キロってことはリミッター解除された最高速度に近い状態。いくら11歳でも未経験でノーリミッターで走らせるというのは主催した側の落ち度と言わざるを得ない
・時速40kmの衝撃力は6m(2階建相当)の高さから自由落下して地面に落ちた際のレベル
・ただの駐車場でこのイベントしてて子供が運転する側で順番待ちしてたらしいけど危なすぎるでしょ。。カラーコーン置いてただけって…
やはり主催者側のミスという声が圧倒的です。これは当然でしょう。
イベント名は「函館地区オールトヨタ クルマファンFES」 主催者は?
今回のイベント名は「函館地区オールトヨタ クルマファンFES」というもので、サブタイトルでは「もっとクルマをスキになろう! トヨタが送るスペシャル1DAY!!」というものでした。
これです(クリックすると画像が大きくなります)。
主催は、「函館トヨタ・函館トヨペット・トヨタカローラ函館・ネッツトヨタ函館」の4社です。
クルマの販売は行わず、カート体験、人気車種の試乗、トヨタの安全技術の体験、カーボンニュートラルの取り組み紹介、災害対策の給電体験、キッズエンジニア体験など、さまざまな展示・体験を行うもので、「あぐりへい屋」による、新鮮野菜を使った限定フード販売や、七飯町の農家による野菜販売なども企画されていました。
気になるカート走行に関しては、参加無料で「高速コース(60名限定)」「低速コース(2名1組・60組限定)」だったようです。
こちらが詳細です(クリックすると画像が大きくなります)。
けっこう規模が大きいイベントですね。目玉企画がこんなことになってしまうとは、関係者も辛いところです。
・ ・ ・
ちなみに現時点(2022/09/19 16:30)では主催4社のサイトには事故のことすら触れられていません。今頃は対応に追われていることでしょう。
さて、今回の件に関して肝心のトヨタ本社は動くのでしょうか?
豊田章男氏(トヨタ自動車社長)は何らかのアクションを起こすのか?
豊田章男氏は2009年6月にトヨタ自動車社長に就任。有事におけるリーダーシップと大胆な経営改革によって危機に対処する人物として知られています。
今回のケースはトヨタ本社にとっては無関係なこととしてやり過ごすのか、はたまた先頭に立ってケアに全力を注ぐのか、非常に気になるところです。
豊田章男氏の度量が試されるともいえるでしょう。
豊田章男氏のインタビューを紹介しておきますので、ぜひお読みになってください。
私が社長に就任してからを振り返ると、平穏無事に過ごせた年は1回もなかったですね(笑)。私は今でも自分を「国と会社に捨てられた人間」と呼ぶことがありますが、ひしひしと孤独を感じていました。
引用:トヨタ豊田章男社長「すべての疑問に答える!」(文藝春秋digital/聞き手:新谷学/2021年12月10日 06:00)
https://bungeishunju.com/n/n7eb2b7cd12bc#RuOpg
魚拓URL:https://archive.ph/b0wLU
さて、休み明けには何らかの動きがあることでしょう。
トヨタの未来が試される事案ともいえるので、非常に気になります。
オレがトヨタの社長だったら、何をする?
ちなみオレがトヨタの社長だったら、すぐに現地に飛んで主催4社の代表とともにお詫びの記者会見を開くだろうな。
子どもの未来に対しての重さというものに対して、オトナはシッカリ責任を果たさないと……。
トヨタ本社はこの事件に無関係? いまはそんな時代じゃないのでは?
「オレがトヨタの社長だったら、現地に飛んで主催4社の代表とともにお詫びの記者会見を開くだろう」と書いたことに対して、そんなのはありえない。無知すぎるという声がありましたので、ここで簡単に自分なりの意見を補足しておきます。
まずディーラーについて簡単に説明します。
ディーラーというのはメーカーから新車を仕入れて販売する専属契約を結んだ「販売代理店」のことです。基本的に資本は親会社とは異なっています。その土地の有力者がオーナーになっている「地場系ディーラー」と呼ばれるケースが多いようです。つまり今回のケースで言えば、トヨタの支店(営業所)などではありません。
そしてディーラーの種類もメーカーによって違いがあります。現在のトヨタの正規ディーラーは「トヨタ・トヨペット・カローラ・ネッツ・トヨタモビリティ」の5種類です。気になるディーラーの違いですが、結論を先に言ってしまうと大きな差がありません。以前は取り扱う販売車種が異なっていましたが、現在はその差別化は撤廃されています。
ただし!
こんなディーラーの仕組みを把握している人は多くはありません。ディーラーさんをトヨタの営業所だと思っている人も少なくないでしょう。
今回のイベントチラシを見てもらえば一目瞭然です。なんたって「函館地区オールトヨタ クルマファンFES もっとクルマをスキになろう! トヨタが送るスペシャル1day!!」です。
これだけのトヨタ押しのイベントですから、だからこそトヨタ本社も真剣に向き合ってほしいと私は考えるわけです。
さらに豊田章男氏がレースに対して情熱を燃やしている方というのも大きな理由です。
豊田章男氏がトヨタのテストドライバーの頂点であるマスターテストドライバーの成瀬弘(故人)と「GAZOO Racing(ガズーレーシング)」を発足した話をご存知でしょうか。
詳しくは下記の記事をご覧になってください。象徴的な言葉をだけ抜粋しておきます。
「それはモータースポーツが好きだから。それじゃなきゃ、こんなに長いことやっていません。私が社長になった時、『現場に近い社長でありたい』と言いました。現場に来てクルマの話をするのは豊田家の伝統です。その現場はどこか? それは技術のある場所、まだ結論がなくてもファクトがある場所です。自動車メーカーである限り、トップがそこを貪欲に拾いに行かなければ、進歩は生まれないんです」
引用:退屈からの脱却!クルマ好きの心をつかんだトヨタ―豊田章男社長の挑(nippon.com/2022.07.28)
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02173/
魚拓URL:https://archive.ph/Bb5UG
この豊田章男氏の言葉にはグッとさせられます。
クルマに関連したことはハッピーなことだけではありません。今回のような痛ましい事故もあります。
ファクトのある現場に拾いに行くことが豊田家の伝統であるならば、今回の件はまさに避けてはならないことに思えてなりません。
・ ・ ・
起きてしまったことは仕方ありません。私もトヨタをディスりたいわけではありません。
日本の経済の根幹を支えてきた自動車産業が斜陽化してきているからこそ、ここでクルマ業界のプライドを見せつけてほしいと願っているわけです。
残念ながら現時点(2022/09/20 14:18)で「函館トヨタ・函館トヨペット・トヨタカローラ函館・ネッツトヨタ函館」各店舗の公式サイトをチェックしてみると、今回のイベントのことすら消されています。
なんということでしょう。
事件の内容がショッキングですので、私が責任者だったら消えてしまいたくなるでしょう。当事者は追い込まれていると思います。だからこそ豊田章男氏の後押しがあったらな……と思ったりもしています。
この事件がどう展開するのか、場合によっては日本の未来を占う側面もあると考えているのは私だけでしょうか。
9月20日、イベントを共催したトヨタ自動車の関連会社4社が謝罪文を掲載
9月20日の午後に「函館トヨタ・函館トヨペット・トヨタカローラ函館・ネッツトヨタ函館」各店舗の公式サイトに謝罪文が掲載されました。
文面は同一で、最後の文責だけが異なる形でした(正確には少しだけタイトルが違っていましたが、たいした差ではありません)。
アップされた謝罪文はこちらです(クリックすると大きくなります)。函館トヨタの謝罪文を紹介していますが、深い意味はありません。
引用:この度の函館地区オールトヨタクルマファンフェス2022で発生しました事故に関しまして(函館トヨタ/2022.9.20)
https://www.hakodatetoyota.co.jp/
魚拓URL:https://archive.ph/xutGD
念のために文章を残しておきます。
この度の函館地区オールトヨタクルマファンフェス2022で発生しました事故に関しまして
2022.9.20
弊社を含む函館地区のトヨタ販売店4社(函館トヨタ自動車株式会社、函館トヨペット株式会社、トヨタカローラ函館株式会社、ネッツトヨタ函館株式会社)が合同で主催し、令和4年9月18日(日)、グリーンピア大沼(北海道茅部郡森町赤井川229)において開催致しました、お客様向けイベント「函館地区オールトヨタ・クルマファンFES2022」において、ご来場されたお子様がお亡くなりになる、重大な事故が発生致しました。
今回の重大事故により、お亡くなりになられましたお子様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に対し心よりお悔やみ申し上げます。加えて、被害に遭われましたお子様、ご家族、関係者の皆様に、心より深くお詫び申し上げます。
発生致しました事故に関する原因究明につきましては、現在、警察による捜査が行われており、主催者をはじめ、運営会社も含めた全面的な協力を行ってまいります。
自動車に関わる販売会社にとって、何よりも優先されるべきは安全であり、安心して来場されたお客様に対して、このような重大な事故を発生させるようなことは、決してあってはならないことであります。今回の事故が発生するに至った背景について、イベント運営体制を詳しく振り返り、二度とこのような事故を起こさないために、何が安全対策として足りていなかったのか、しっかりと見つめ直してまいります。
改めまして、ご来場頂いた多くのお客様をはじめ、地域の皆様、関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、心から深くお詫び申し上げます。
令和4年9月20日
函館トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長 小野 博樹
さて、気になるトヨタ本社からのアナウンスですが、何も出ていません。当然のことなんでしょうね。
警察は業務上過失致死傷容疑で現場の状況を詳しく捜査
警察は主催者側の安全対策に問題がなかったかなど、業務上過失致死傷の疑いで捜査を進めています。
北海道の南幌町で20年以上モータースポーツのサーキット場の運営を行っている「南幌カートスポーツクラブ」の櫻井泰己代表は、「カートはとても楽しい乗り物だが、危険だということをあらかじめ分かった上で乗らなければならない。今回のような事故があると、モータースポーツはやっぱり危ないんだと見られると思うが、そこはきちんとやっているところが多いので、普通は大丈夫なのだと大きく声を上げて言いたい」としています。
引用:北海道 森町 男児死亡カート事故 業務上過失致死傷容疑で捜査(NHK/2022年9月20日 19時06分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220920/k10013827501000.html
魚拓URL:https://archive.ph/iotIK
事故を未然に防ぐには、「だろう」ではなく「かもしれない」で
車を運転する人ならば必ず聞いたことがある言葉があります。
それは
「だろう運転」と「かもしれない運転」という言葉です。
「だろう運転」は思い込みや慢心の象徴で、事故発生の大きな原因とされています。だからこそ免許取得に際しては、「かもしれない運転」の重要性を徹底的に指導されます。
今回の事故は何重もの「だろう」を見事にすり抜けてしまったことで起きた事故といえるでしょう。
・ ・ ・
まさかとは思いますが、イベント保険にはしっかり入っていたのでしょうか。
イベント保険なんて入らなくても大丈夫「だろう」なんて事態になっていないことを祈るだけです。
<補足>過去のゴーカート記事をまとめたルポライター・昼間たかし氏の良記事
ゴーカート関連で過去の類似事故をスマートにまとめた記事がありましたので、追記しておきます。書かれたのは、昼間たかし氏。以前からはお名前は見かけていますが、多方面で活躍されているようです。
記事では「1961年・映画俳優・赤木圭一郎の死亡事故」「1997年・福井県三国町カートのレース事故」「2000年・群馬県大泉村カート転落事故」「2001年・大阪府河南町カート衝突事故」「2006年・群馬県高崎市カート衝突事故」「2002年・栃木県那須町マフラー巻き込み窒息死」などが紹介されています。
ここで気づかれた方もいらっしゃるでしょうが、今回のゴーカート事故は特殊なパターンでした。
過去のさまざまな事故例を調査した限りでは、今回の北海道で起きたような、カートが周囲の人を巻き込んだ事故というものは、なかった。
引用:北海道「カート事故」、被害者巻き込みは前例なかった? いま改めて確認すべき「カートは遊具にあらず」という大前提(Merkmal/2022.9.25)
https://merkmal-biz.jp/post/21349/4
魚拓URL:https://archive.ph/TbjfG
◯過去の事故について調べる方法は?
流れ的に過去の事故について調べる方法を簡単に紹介しておきます。
過去の事故はいろいろな方法で調査することが可能です。方法の一部は下記のような方法です。
<過去の事故について調べる方法>
・関連協会やメーカーなどに取材する
・ネット検索する
・「事故情報データバンクシステム(消費者庁)」で閲覧する
・図書館サービスで過去の新聞記事を閲覧する
・「国立国会図書館オンライン」で検索を活用する
ザックリと挙げるとこんなところでしょうか。この辺の習熟度がベテランか素人の差となります。
◯小さなゴーカート事故は日常茶飯事??
ちなみに死亡事故ほどではないですが、小さなゴーカート事故は頻繁に発生しているようです。
例えば……
・ハンドルを支えるねじがとれて制御不能で怪我をした
・カーブを曲がり切れず壁に激突。腿の裏を切り救急搬送された
・腹部を打った幼児が内臓損傷
・走行中のゴーカートの車輪がはずれた
・ヒールが挟まってブレーキ使えず衝突
・搬出入口に張られたロープに接触し、左瞼を切る等の重傷
この辺の事故をニュースとして検索しても出てきません。報道されていない事故は山ほどあるということです。なにせ子ども対象のゴーカート施設はかなりありますから。
お子さんがいらっしゃる方は、くれぐれも取り扱いに注意して楽しんでください。
気になる法的責任どうなるのか? 運転していた女児は「刑事未成年者」
さて、今回の事故に対しての法的責任が気になります。
「弁護士ドットコム」では早速、この事故が取り上げられ、今後の予想が記事になっていました。
運転していた女児については、11歳であることから「刑事未成年者」として犯罪は成立しません(刑法41条)。14歳未満の者は一律に刑事責任能力がないとされているからです。
事業者側については、民事責任で説明したように、事業者側には事故の予見可能性があるとすれば、結果を回避するための措置を取る義務が認められます。この義務を怠ったことによって死傷事故が発生したことから、業務上過失致死罪や業務上過失傷害罪の成立は十分に考えられます。
引用:ゴーカート暴走で2歳男児死亡、少女と事業者の法的責任どうなるか?(弁護士ドットコム/2022年09月29日 09時58分)
https://www.bengo4.com/c_18/n_15062/
魚拓URL:https://archive.ph/BLoIm
ゴーカート暴走の関する新映像と証言で運営サイドのミスが強まる?
事故当日に撮影された新たな映像によって運営サイドの問題点が浮かび上がりました。
ゴール直前、ゴーカートは三角コーンとポールに接触しました。男性によりますと、コースから外れるゴーカートは他にもあったといいます。しかし、観客の配置やコースの仕切りが見直されることはありませんでした。コースに出る前の講習の様子です。ペダルに足が届かなかった子どもは、補助イスを入れました。そして、説明を受けたということです。係員:「(ペダルを)踏んでみて届かない時は、ここを踏む。左側も同じように、外側のほうを踏む。それで大丈夫です」
引用:ゴーカート暴走…新映像と証言「まずい、まずい」(テレ朝NEWS・Yahoo!ニュース/9/28(水) 9:13配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6a30597c0c0dbb847ee4fcf98a8d9d2fe780706
魚拓URL:https://archive.ph/rvCGy
どうやら事前講習が甘かったのは否定できそうもありません。
「消費者庁とこども家庭庁設立準備室」が注意を呼びかけ
ゴーカート事故の顛末は気になりますので、定期的にニュースをチェックしております、しかし、残念ながら新しいニュースは報道された気配はありません。加害者のことを考えるとデリケートな問題ですので仕方ありませんね。とはいえ、大事なことですので、今後のためにもルール化は必要だと思われます。
2022年、年の瀬も押し詰まった12月24日に「消費者庁とこども家庭庁設立準備室」がモータースポーツを管轄する日本自動車連盟(JAF)が公表した安全対策を踏まえ、安全対策を呼びかけました。
消費者庁と準備室は11月、スポーツ庁を通じてJAFに対し体験イベントなどでの安全対策徹底や、ガイドラインの作成を要請していた。JAFの安全対策は、乗り物が制御不能になった場合に備え、観覧者への接触を防ぎ衝撃を吸収する防護体を設置することを推奨。利用者にブレーキやハンドルなどの基本操作を反復させ、特に停止方法に留意させることなどを盛り込んだ。
引用:ゴーカート事故で注意喚起 消費者庁など(日本経済新聞/2022年12月24日 9:21)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE02CJJ0S2A201C2000000/
魚拓URL:https://archive.md/JWU82
私もスノーモビルを運転中に曲がりきれずに木に突っ込んだことがあります。「あっ!」と思ったときには、なかなか止まれなくなります。
ヤバい雰囲気を察知したら自動で減速するような装置を付けるとか、監視者がリモコン制御するようなフォローが必要かもしれませんね。
では!
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。
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