つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。漫画『NARUTO – ナルト』からは、作者、岸本斉史(きしもと まさし)さんの画力の高さだけではなく、さまざまなキャラの魅力、真摯に描かれた人間ドラマなど、あらゆるの面でのクオリティの高さを感じさせられます。常に高水準を保ち続けた岸本斉史さんの創作の源を備忘録的にまとめました。
『NARUTO – ナルト』好きな人……『NARUTO – ナルト』は2014年11月、第700話をもって完結しましたが、いまも変わらずに好きな人はたくさんいるでしょう。では、物語を描いた岸本斉史さんのことはどのくらいご存じでしょうか。漫画の読者レベルだと意外と知らないことも多いと思います(私がまさにそうです)。そこで、岸本さんの創作の源などを調べてまとめておきます。何かの参考になれば幸いです。
【目次】本記事の内容
リアルな岸本斉史さんは、こんな人! 貴重な動画を発見
検索すると、岸本斉史さん本人が登場している映像がありました。2015年の「NARUTO-ナルト-展」宣伝のための出演だったようです。とっても貴重だと思います。
見ていただければわかりますが、非常に優しそうな雰囲気です。連載も終わり、肩の荷もおりたところでもあるからでしょうか。
まずは岸本さんの魅力を感じてみてください。
話のポイントを抜粋しておきます。
<岸本斉史〜インタビューのポイント>
・NARUTOは、ほぼ自分自身である(劣等感を重ね合わせた)
・個性をキャラごとにつけることを意識した
・目を変える(NARUTOはキツメ、SASUKEは少年だけど目が座っていて大人びた雰囲気)
・映画からの影響(クールさ、ダブルアクションなど)
・1話目で大量の影分身を見せた理由→必死ですよ。新人が票をとるのは大変。できる限りのことを全力でやるだけだった
・締切で「逃げたい!」と思ったことはなかった→血眼になって先輩漫画家を探す編集者の姿を知っていたから
YouTubeにも多数のコメントが書き込まれています。印象的かつ私的にも同意なものを抜粋しておきます。
<映像に対するコメント>
・NARUTOは人生の教科書だよ
・学校の道徳なんかよりも学ばされる
・サスケが言った「あいつは弱点だらけだった。だがあいつはそれを己の力で乗り越えて火影になった。」この台詞はすんげー響いたわ。例え不向きだとしてもそれを努力で克服するって。そして同様にボルトの螺旋丸を巨大化させた時のボルトの発言「ここまでするのに一体どれだけの….。」ナルトは遠い存在。だからこそ目標にする価値がる。
・NARUTOは10回くらい見返しても全然泣けるくらい感動もあるし言葉では伝えきれないくらい面白い
・落ちこぼれ言われてたところから努力していって夢叶えるってのが燃える!
・ナルト以外でも主人公できたんじゃないかって程一人一人のキャラが濃い
・ページの使い方と戦いの感覚的な時間の長さのつじつまが凄く合ってて、映画を常に見てるような漫画だった。絵の見せ方、戦いのリアルさ、物語の筋の通り方、展開のタイミング、登場人物それぞれにしっかり「人生があるな」って納得させられる現実味の濃さが、桁違いにうまくつくられてるっていうことに気づかされる。
・俺が知りてーのは楽な道のりじゃねえ!険しい道の歩き方だ!そうだよな、楽な道のりなんてこの世にない。
・・・
・・・もうキリがないので、このへんで打ち止めにします。
映像から伝わってくる岸本斉史さん「3つの魅力」
短い映像でしたが、私が感じた岸本斉史さんの「3つの魅力」を書き残しておきます。
岸本斉史さんの「3つの魅力」とは……
(1)誠実さ
(2)真摯さ
(3)独創性の追求
この3点です。
それぞれを簡単に説明します。
(1)誠実さ
これは人間として基本的な部分です。インタビューを受ける時の岸本さんの背筋の伸ばし方、落ち着いた服装、優しそうな対応などを見ていると、非常に誠実な方だというのがわかります。
誠実というのは相手を思いやる気持ちを兼ね備えているということです。
視野が非常に広く、多様な価値観を持ち、思考に柔軟性があるということです。
漫画というエンタメを生業としていく場合、「独善的で多くの人が気づかない価値観を提示する姿勢」と「大衆に迎合するような視点」のバランスがとても大切だと私は思います。そのバランスの取り方は難しいと思うわけですが、そこをうまくコントロールするのが、誠実さだと思います。
(2)真摯さ
第1話で大量の多重影分身に挑戦するという必死さは自分の評価を上げるためにも欠かせない要素ですが、要するに読者を最大限まで満足させようとする理想と真正面で対峙して、真っ向勝負しているともいえます。
目標を高みに置き、相手や自分を喜ばすために精一杯行動する…この真摯さがあったからこそ最後までクオリティが落ちるどころか、ずっと向上したまま続いた理由でしょう。
(3)独創性の追求
映画のように漫画を見せる工夫などが語られていましたが、新作ではアシスタントを作画に起用して新作を展開していくなど、岸本さんはさまざまな新しい試みをされています。
「何かいい方向に流れを変えていくことができないのか?」という俯瞰的な視点を持ちながら、新しいことに挑戦していくスタンスは素晴らしいの一言です。
派手さはありませんが、非常に独創的なスタンスを貫いていると感じます。まだまだ若いので、これからさらに漫画の世界に新風を巻き起こしていくことでしょう。
『ジャンプ流vol.2 まるごと岸本斉史 創作の秘密に刮目せよ!』も面白そう!
『ジャンプ流vol.2 まるごと岸本斉史 創作の秘密に刮目せよ!』には、岸本さんのスタンス、「NARUTO -ナルト-」の魅力などがかなり深掘りされているようです。
これです(画像をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)。
なかなか入手が難しいかもしれませんが、中古だとそれなりにゲットできそうです。
ジャンプ流シリーズはかなり充実していますので、漫画家になりたい人は要チェックです(画像をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)。
さて、岸本さんの内容はどんなものかというと……調べると詳細を紹介しているサイトがありました。
これです。
先ほど、岸本斉史さんの「3つの魅力」を勝手に書きましたが、それを裏付けるようなことがたくさん書かれていました。
私なりにピンときたコメントを抜き出しておきます。サイトでは丁寧に紹介されておりますので、詳しく知りたい方は上記サイトに飛んでいってください。
<ジャンプ流vol.2 まるごと岸本斉史のキモ>
・賞を取ってから本当の戦い、苦しい生活が始まった。気持ちも落ち込んでしまい、一番つらい時期だった。「マンガとは何か?」を自分の頭で考え直すところからやり直した。
・NARUTO連載開始当時は19時間机に向かっている状況だった。緊張で体調不良や嘔吐など、重圧に苦しんだこともあった。
・「NARUTO」のテーマは「認め合う」こと。
・絵は静止画であるが、マンガはその絵を使って「動」の表現をしなくてはならない。
・動画の演出や効果をマンガに昇華させた表現を用いている。
・重心と地面との接点が意識した作画(人物)。
・絵を描くのは好きだが、描き始めるまでが億劫の時も。でも描き始めると楽しくなってくる。
・伏線については、大まかなやりたい事は変えずに、描きながらその場その場で細かいところは変えていく。
・何度も繰り返し少年ジャンプで描くことを進めてくれた担当さんがいたから「NARUTO」は生まれた。
・漫画家は軽装備でジャングルに放り出される感じ。事前にジャングルでも生きていけるノウハウや力をつけてから行かないと苦しいことになる。本当に漫画家になりたい人は勉強した方がいい。
・ジャングルに慣れてくると楽しくなってくる。簡単には漫画家になれないが、やる気があって自分で武器をそろえて頑張れる人がマンガ家になったら凄く楽しいと思う。描いてるときは苦しいけれど、いいネームや物語が描けるとめちゃくちゃ楽しいし、嬉しい。
それぞれに響くポイントは異なりますが、
とにかく諦めないこと、根性が大切ってことですね。
つまり、ナルトの忍道と同じってわけです。
岸本さんは双子漫画家! 貴重な「岸本斉史・岸本聖史の対談」を発見
岸本さんは双子漫画家としても知られています。
貴重な「岸本斉史・岸本聖史の対談」を発見をしました。すでに削除されてしまっているようですが、「ガンガンONLINE | SQUARE ENIX」で掲載されたようです。
これです。
「オレ的ゲーム速報@JIN」さんに内容の一部が紹介されておりました。
転載しておきます。
── ご兄弟で性格の違いが垣間見えますね。
斉史:そうなんですよ。子供の頃から僕はズボラで、こっち(聖史)は神経質で。聖史って言い合いになったら絶対譲らないんですよ。例えば些細なことなんですけど、寝る前の電気をどっちが消すかとか。僕もそれがわかってるから、仕方なく折れることが多かったですね。
聖史:自分のことズボラとか言ってるけど、斉史は漫画のこととなると変わるんですよ。普段、家でゴロゴロしてるくせに漫画のこととなると資料探したり調べ物したり…とたんに行動派になる。
── お話を聞いてると、やはりご兄弟ということもあり一番身近な遊び相手だったことが伺えますね。
斉史:でもぶっちゃけ、嫌でしたけどね…一緒に遊ぶの。まぁ結局、周囲の友達が共通なんで、一緒に遊ぶことになるんですけど。
聖史:よくケンカとかで「お前のかあちゃんデベソ」って言うじゃないですか。斉史とケンカしてそれを言うと「あれ? 斉史のかあちゃんって俺のかあちゃんじゃん」って(笑)。
斉史:本当それ(笑)。そんなに大ゲンカしたこともないですけど、ある時にケンカしたら損だなって気づいたんですよ。体力使うし、面倒だし…何より相手が家族なら家に帰っても顔を合わさないといけないから。
聖史:あとアニメも漫画も一緒に見てたから、話をして盛り上がってる中でケンカしてたことすら忘れたり。ま、兄弟ってそんなもんですよね。
── やっぱり漫画を読むのはもちろん、好きなキャラクターを描いたりしていましたか?
斉史:ええ。特に鳥山明先生の絵には感銘を受けていたので、たくさん描きましたね。
聖史:僕も「キン肉マン」の絵、すごい描いてました。作品のキャラクターがとにかく好きだったんですよ。王道の“カッコいいヒーロー”からちょっと外れたダメな部分とか。
斉史:漫画は二人で一緒に読んでたんですけど、兄弟でちょっと視点が違ってたりするんです。例えば聖史は「作品のキャラクターが好き」って部分で惹かれていく。対して僕は「この作品の絵が上手い」って部分で惹かれていて…。
聖史:だから斉史、「キン肉マン」より「ドラゴンボール」の絵ばっかり描いてたもんな。
斉史:自分が上手いと思った人の絵を描いた方が、絵が上手くなるだろうなって思ってたから。
聖史:で、少年ジャンプ作品に夢中だった僕らだけど、中学生になると二人して「AKIRA」にハマって。
斉史:僕はこの作品に出会って、漫画家を目指すと決めました。
── ご自身が漫画家になられた後、弟さんが漫画家を目指すことになったわけですが…斉史先生はどのような心境だったのでしょうか?
斉史:子供の頃から漫画家を目指した僕からしてみたら、感覚的に甘いですね(キッパリ)。
── き、厳しいッ!! やはり積み上げてきた想いの違いからでしょうか?
斉史:それもありますけど…目標に向けて努力する時間の使い方とか。僕は高校が進学校だったので、漫画に時間を使いたくても勉強に時間を取られることが多くて。対してその時期、聖史は時間に余裕があって好きなことができた。その時にもっと、漫画家になることを意識して絵を描いたりすればよかったのになって。
聖史:だから斉史は、後から漫画家を目指す僕に対してすごく厳しかったですよ。
斉史:もちろん、聖史を応援したい気持ちはあるんですけど…ちょっと腑に落ちないところはあったかもしれないですね。
── 兄であり先輩作家でもある方からの叱咤は重みがありますね…。
聖史:そうですね。昔は少年ジャンプに持ち込みに行くって言ったら、マジ切れされたりしたし。
斉史:当時の聖史が「少年ジャンプ」っていうものをわかってなかったんですよ。仮にも漫画家を目指そうとしている者が、ジャンプを読んで平気で「面白い」って言ってたし。掲載している作家と戦わなきゃいけなかった僕から見たら、勝負しようって気持ちが足りてない。そういう気持ちで投稿したところで、戦っていけるわけがないですから。
聖史:そういう斉史の厳しい言葉、言われた当時はわからなかったけど、自分が連載作家になった時にすごくわかったんですよ。物語を生み出す苦しみや、作品を続けていくことのプレッシャーがどんなものなのか…。心構えが甘かった分、実際デビューしてから追い詰められることが多くて…漫画家って思った以上に大変だなって。※「オレ的ゲーム速報@JIN」さん(http://jin115.com/archives/52092162.html)より転載。
兄弟での視点の違い、意識の違いが浮き彫りになっています。これ、「ガンガンONLINE | SQUARE ENIX」さんは消さなければよかったのに…。
大事なことは「勝負する気持ち」ですね。すごくわかります。
岸本斉史さんの一週間のタイムスケジュールは? 佳境時は睡眠3時間!
ネットに岸本斉史さんの一週間のタイムスケジュールが転がっていました。
けっこうたまげてしまいました!
これです。
佳境時は睡眠3時間で、
仕事は19時間ですね!
アシスタントさんが何人いるかが気になりますが、やはりここまでやらないと突き抜けられないのでしょうねぇ。
さぁ! 私たちも理想を形にするためにファイトです!
根性です!
諦めずに邁進です!
<おまけ>なぜ岸本斉史さんのことを調べたのか?
ちなみになぜに岸本さんのことを調べたのかというと、別の記事を書いていて、いかに自分が岸本さんのことを知らないことに気づいたからです。
別の記事はこちら。
『NARUTO -ナルト』に出てくる土影の「己を拾うエピソード」を紹介しています。
では!
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