つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
【目次】本記事の内容
ノーマスク客を乗車拒否した伊豆箱根バスに行政処分
2022年9月1日、伊豆箱根バス(静岡県三島市)の路線バスが、マスク着用を拒否した女性客を途中で降車させたとして、国土交通省の中部運輸局から行政処分を受けました。
報道によると4月7日午前、伊豆・三津シーパラダイス線のバスに乗った女性客に対し、男性運転手が車内アナウンスなどでマスクの着用を求めたところ、女性客は拒否して車内で言い合いになったそうです。最終的に運転手はバス停ではない場所で停車し、「降りて下さい」と言って女性客を降車させたそうです。
行政処分を受けて、伊豆箱根バスは謝罪文を公式サイトにアップしました。
これです(クリックすると画像が大きくなります)。
引用:中部運輸局からの行政処分について(2022年9月1日)
http://www.izuhakone.co.jp/bus_kaiji_20220901%20.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/Lcift
念のために文章を残しておきます。
2022 年 9 月 1 日
お客さま各位
伊豆箱根バス株式会社
中部運輸局からの行政処分について
当社は、2022 年4月7日、伊豆・三津シーパラダイス線においてマスク着用を承諾いただけなかったお客さまを、バス停以外の場所で降車させたこと等に対し、4月 22 日中部運輸局の監査を受けました。その結果、本日、中部運輸局より、道路運送法第 40 条に基づく事業用自動車使用停止処分を受けました。
当社といたしましては、今般の処分を厳粛にかつ真摯に受け止め、再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。
以 上
この謝罪文はあっさりとしていますが、伊豆箱根バスとは無念な部分もあったのではないでしょうか。お客様は神様ですが、中には悪魔も混ざっています。今回の乗客が神様か悪魔かは判断できませんが、低姿勢になりすぎるのも問題なのかもしれません。それとも運輸局に企業が楯突くのはマイナスでしかないのでしょうか。
ちなみにネットではこの謝罪文を読むと、伊豆箱根バスは処分理由を少し誤解しているのではないかという話も出ています。
どういうことか?
それは「道路運送法第 40 条に基づく事業用自動車使用停止処分を受けました」という部分です。
これは中部運輸局の公式リリースと見比べてみるとわかります。
中部運輸局からの行政処分内容は50日間の車両停止! 理由は?
国土交通省・中部運輸局のプレスリリースに今回の処分の監査結果などがアップされていました。
これです(クリックすると画像が大きくなります)。
引用:乗合バス事業者を車両使用停止処分(令和4年9月1日 14時00分発表)
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/press/pdf/jikou2022090101.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/n4k8D
念のために文章を残しておきます。
国土交通省
中部運輸局自動車交通部
令和4年9月1日 14時00分発表
連絡先:
中部運輸局 自動車交通部
自動車監査官 籔田、細川
TEL 052-952-8082
中部運輸局 静岡運輸支局
輸送・監査担当 風岡、川田
TEL 054-261-1191
同時発表:静岡県政記者クラブ
乗合バス事業者を車両使用停止処分
中部運輸局は、下記事業者に対し車両停止処分を行いましたのでお知らせします。
記
1.行政処分等対象事業者及び営業所
事業者名:伊豆箱根バス 株式会社
住 所:静岡県三島市大場300番地
営 業 所:三島営業所(静岡県三島市多呂56番地の1)
2.行政処分等の概要
処 分 日:令和4年9月1日 50日車(2両×25日間)
処分内容:事業用自動車の車両使用停止
3.監査端緒
令和4年4月7日、当該事業者が運行している路線バス(伊豆長岡三津シーパラ線)において、正当な事由無く運行の継続を拒絶したことから、当該営業所に対し監査を実施したもの。
4.監査結果(法令違反内容及び違反条項)
監査の結果、以下の法令違反を確認した。
①正当な事由が無く、運送の継続を拒絶した。
(道路運送法第13条違反)
②事業計画及び運行計画に定めるところに従い、その業務を行っていなかった。
(道路運送法第16条第1項違反)
③主として運行する路線の状態及びこれに対処することができる運転技術並びに自動車の運転に関する事項について、運転者に対する指導監督が不適切であった。
(道路運送法第27条3項違反)
(旅客自動車運送事業運輸規則第38条第1項違反)
5.行政処分事業者に対する違反点数付与状況
当該行政処分により付された違反点数 5点
当該事業者の累積違反点数 5点
バス2両×25日間(50日車)の使用停止は普通なのか、厳しいのかはわかりませんが、私としては厳しい印象があります。
ここで気になるのが、監査結果です。
◯道路運送法第 40 条に基づく違反? しかし、監査結果は13条違反
まず「道路運送法第13条違反」部分です。伊豆箱根バスの謝罪文では「道路運送法第 40 条に基づく違反」となっています。この違いはどういうことでしょうか。伊豆箱根バスの勘違いなのでしょうか?
大きな問題は「正当な事由が無く」という部分です。これは中部運輸局に無理があるのではないでしょうか?
そう考えるのは下記の理由からです。
国土交通省は新型コロナウイルス感染症の対応について「3つのお願い」をしている
国土交通省は「公共交通機関を利用するみなさまへ3つのお願い」をしています。
それは下記部分です。
利用者が戻りつつある公共交通については、各事業者において、感染拡大予防ガイドラインに基づき、感染予防に徹底して取り組んでいただいておりますが、公共交通機関を安心してご利用いただくため、利用者のみなさまにも、
(1)マスク※を着用、会話を控えるなど感染防止対策を行っていただく
(2)車内換気へのご理解・ご協力をいただく
(3)テレワーク・時差出勤に努めていただく
といったコロナ時代の新たな利用スタイルの実践にご協力をお願いいたします。
引用:新型コロナウイルス感染症に関する国土交通省の対応(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/kikikanri/kikikanri_tk_000018.html#kokumin
魚拓URL:https://archive.ph/SJ7su
◯運転手は国のお願いを守ろうとした犠牲者なのかも?
微妙なのは「お願いの解釈」なわけですが、今回の中部運輸局の発表によると「運転者に対する指導監督が不適切」が該当する部分とあるでしょう。要するに女性客への対応が良くなかったというわけです。
現場にいたわけではありませんので判断できませんが、コロナ禍の中でのトラブルをこういった形で処分するのは「逃げ」でしかありません。
むしろ運転手は国土交通省のお願いを忠実に守ろうとしたとも解釈できます。そして、口論になったとしたら……この行政処分はいかがなものなのでしょうか。
国のお願いを守ろうとした結果……犠牲者となってしまった可能性があるわけです。もしそうだとしたら運転手さんが不憫でなりません。
J-CASTニュースが中部運輸局の静岡運輸支局を取材。処分の根拠は?
J-CASTニュースがこのトラブルにつて中部運輸局、伊豆箱根バスの両者に取材をしています。
(ノーマスクが「迷惑」に当たらないとした理由については)迷惑というのは、例えば、車内で暴れて制止に従わないことで、マスクをしないことが公序良俗違反に当たるとはみなされません。マスク着用は、あくまでもお願いであって、未着用を制止したりするものではないからです。道路運送では、乗車してもらうことがまず大原則になります
引用:ノーマスク客を乗車拒否→バス使用停止に 伊豆箱根バスに処分なぜ?国交省中部運輸局が示した「根拠」(J-CASTニュース/2022年09月02日21時03分)
https://www.j-cast.com/2022/09/02445011.html?p=all
魚拓URL:https://archive.ph/ugaom
伊豆箱根バスはこれに対して不服申し立てを行うことは考えていない模様です。この件は4月7日のうちに女性客から営業所に「バスから降ろされてしまった」と苦情の電話があって、女性客には、謝罪したうえ、タクシーを手配し、さらに翌8日に伊豆箱根バスが中部運輸局に電話で報告したそうです。
なるほど。
女性客がクレームを国土交通省にクレームを言ったわけではないようですね。
伊豆箱根バスの姿勢は大人の処世術か
今回のケースはコロナ禍を受けて「会社の運送約款に盛り込んでいれば防げる内容だった」という声もあります。それが本当なのかどうかは判別できませんが、コロナ禍という特殊な状況の中で、ノーマスクは車内秩序を乱す行為と解釈することもできます。
伊豆箱根バスの姿勢は大人の処世術だと思います。国を相手に争っても消耗するだけですから。50日間の車両運行停止の処分も他車両でフォローすれば問題もありませんから。
コロナ禍で分断してしまった日本? とても残念なトラブル
マスク問題は日本国民を分断させることになってしまいました。
今回の件を受けて、2020年にPeachの飛行機の乗車拒否をくらった方が元気いっぱいにツイートしています。
2020年、私がマスク着用を拒否しPeachの飛行機を降ろされた時、多くの非難を受けました.
2022年、ノーマスク客を降ろした伊豆箱根バスは、行政処分されました.世間は”変わった”のか?私達が世間を”変えた”のです.
「マスク未着用者に対する偏見に基づく排除は違法だ」と、これからも声を上げ続けます pic.twitter.com/LyZDoBvrEY— マスパセ(マスク未着用途中降機乗客) (@mask_passenger) September 2, 2022
このpeachの問題はノーマスクを最初乗せた(許容した)にもかかわらず、他の客のクレームがあったから降ろそうとしたことが原因だといわれています。
今回の伊豆箱根バスの件では、もし他の乗客がノーマスク女性を降ろすように騒ぎ出したらどうなったのでしょうか。
コロナ禍が原因ですが、それによって起きているノーマスク派とコロナ脳の分断や対立は、非常に残念でなりません。
運転手は他の乗客を守った? じつは病院に行く人が多い路線だった
朝日新聞の報道によると、問題が起きた路線は病院を利用する乗客が多かったそうです。
同社(伊豆箱根バス)によると、この路線では沿線の大学病院を利用する乗客が多く、当時は25人が乗車していた。運転手は社内の聞き取り調査に対し、他の乗客に配慮したと説明した。
引用:マスク拒否乗客を途中下車させる 伊豆箱根バスを車両の使用停止処分(朝日新聞/2022年9月2日 18時24分)
https://www.asahi.com/articles/ASQ924V95Q92UTPB00J.html
魚拓URL:https://archive.ph/caFb1
運転手の詳細は報道されていませんし、その必要もありませんが、乗客を守ろうとするスタンスは大事なことだと思います。もし仮に女性客がノーマスクで大騒ぎするようだったら、私はその場で叩き出してしまうでしょう。
憶測で物事を判断できませんが、なんともモヤモヤしてしまいます。
では!
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。
wordpressやるなら
エックスサーバーがオススメ!
このサイトはスタート時より「wordpress × エックスサーバー」によって運営しております。他のサーバーとも契約をして別サイトを構築しておりますが、エックスサーバーの使い勝手がイチバンです。セキュリティ、サポートに満足しております。しかも低コストです。利用者が多いので情報がネットに多いことも助かります。
詳細は下記ボタンより