つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
宮崎県で収穫したシイタケを沖縄県産と偽装した「沖縄しいたけ田中」
恩納村で沖縄県産ブランドのシイタケを生産・販売している「沖縄しいたけ田中」の産地偽装に関する疑いで、田中未一郎社長が「自分の指示だった。(納品に)穴を開けられないという思いだった」と全面的に認めたのが2022年9月23日のことでした。
仕入れ先は、田中氏が代表を務める宮崎県のシイタケ生産・加工会社。田中氏が同社社員に指示して宮崎県で収穫されたシイタケを恩納村の生産工場に送らせ、沖縄県産と書かれたシールを貼った上で、取引先に卸していたという。田中氏は「(消費者や取引先を)裏切った形になってしまい申し訳ない」と謝罪した。宮崎の会社は産地偽装を知らなかったという。
引用:シイタケ産地偽装を認める 宮崎産を納品、2年前から 社長「穴を開けられない」(沖縄タイムス/2022年9月24日 08:15)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1030073
魚拓URL:https://archive.ph/LDJLQ
報道の数日後、「沖縄しいたけ田中」は公式サイトで謝罪と説明をしました。
こちらが謝罪文です(クリックすると画像は拡大されます)。
引用:産地偽装報道についてのお詫びとご説明(公式サイト/令和4年9月28日)
https://okinawa-shiitake-tanaka.com/wp-content/uploads/2022/09/89dd7f90009df92a1b21b5f3a741ea35.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/Mv9vO
念のため文章を残しておきます。
令和 4 年 9 月 28 日
産地偽装報道についてのお詫びとご説明
合同会社沖縄しいたけ田中
代表社員 業務執行社員 田中 未一郎
謹啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
令和 4 年9月23日に弊社が産地偽装を行っていたとの記事が沖縄タイムスに掲載されました。
弊社が沖縄県産として販売していた生鮮しいたけに、一部宮崎県産が含まれていたことは事実であります。弊社が沖縄で販売している生鮮しいたけのうち、約 40%は宮崎県産をそのまま宮崎県産との表記で販売しており、約 60%は沖縄県産との表記で販売していましたが、後者のうちの一部は実際には沖縄県産ではなく宮崎県産でした。これまで格別のご愛情とご協力を賜ったにもかかわらず、皆様のご信頼を裏切る結果となり、心からお詫び申し上げます。
弊社は、宮崎県都城市で 1914 年に個人でしいたけ栽培事業を始めた創業者の田中末吉にルーツを持ち、田中家では以後 100 年以上にわたり都城市にてしいたけ生産・販売を続けて参りました。その後、沖縄県では乾燥しいたけの年間消費量が全国トップクラスである一方で、自給率が極めて低いことに着目して、沖縄県でしいたけ栽培を行って沖縄の方々に生鮮しいたけを届けたいとの思いから、弊社を設立して、宮崎県で生産した菌床を用いて恩納村にてしいたけ栽培を始めたのが平成 30 年のことになります。屋内での菌床しいたけの生産ということで、台風の影響を受けない新しい農業の形を沖縄県に広げたいという夢を持っておりました。
しかし、弊社の提供する生鮮しいたけがその品質において沖縄の方々からご好評を得ることができた一方で、開業後まだ年数が浅く、沖縄県での生産規模がまだ小さいことと、安定的な生産体制を確立するためにはある程度の時間が必要であることから、沖縄県で収穫される生鮮しいたけは需要数量を下回るものでした。そこで、都城で生産した生鮮しいたけで必要な数量を補完することにしたのですが、スーパーなどでは、宮崎県産との表記のままで販売できたのですが、ふるさと納税の返礼品やファーマーズ系の販売所(道の駅等)では沖縄県産であることを要求されることから、不足分について宮崎県産を沖縄県産との表記で販売してしまいました。
弊社としては、沖縄県の方々に生鮮しいたけ、その中でも特に王美凜茸の良さを早く知っていただきたいとの思いが先走り、同じ菌床を使っているので品質的には沖縄県産も宮崎県産も違いはないということもあって、弊社において沖縄県での大規模かつ安定的な生産体制が整うまでのつなぎとして、沖縄県産の数量の補完として宮崎県産を出荷することについて安易に考えていたところがありました。販路拡大の機会を逃したくないという思いから産地について事実と異なる表記を行っていたことは言い訳のしようのない間違った行為であり、関係各位に対し深くお詫び申し上げます。
ただ、ここで1点ご理解いただきたいことは、本件は、しばしば報道される悪質な産地偽装とは性質が異なるということです。
悪質な産地偽装のケースは、中国産のうなぎを国産と偽る、韓国産のあさりを熊本県産と偽るといったように、安く仕入れた商品をブランド力のある商品と偽って高く売って不当に儲けようとするものです。
これに対し、生鮮しいたけについては沖縄県というのはほぼ生産実績がない一方で、宮崎県は、2020 年度の都道府県別シェアで大分県、徳島県に次ぐ第 3 位で全国の 6.9%のシェアを占めるしいたけ産地です(出典:食品データ館)。ですから、沖縄県産との表記と比べて宮崎県産との表記が劣るということはありませんし、消費者が宮崎県産とわかっていれば購入を控えるという関係にもありません。
また、弊社グループで生産する菌床しいたけは、九州北部の山林で伐採されたシイ、ナラ、クヌギなどから生産されたウッドチップを原料として宮崎県で生産した菌床を用いて、屋内でしいたけを栽培して収穫するものです。原料のウッドチップについてはどの山から伐採されたのかトレーサビリティを確立しており、放射能、残留農薬及び重金属等の検査をしっかりと行っており、宮崎県の GAP(農業生産工程管理認証)を受けています。菌床しいたけは、しいたけ栽培プラントにおいて屋内で温度や湿度をコントロールして栽培することから、農産物でありながら工業製品に似たところがあり、菌床が同じであれば宮崎県産と沖縄県産に本質的に違いはありません。この点、明石のタイですとか関サバ・関アジのように、生育環境が品質に直結するようなものとは大きな違いがあり、むしろ工場設備が整っていてきめ細かな温度管理が出来、長い運用実績もある宮崎県産の方が品質的にも安定している傾向があるくらいです。したがいまして、沖縄県産として販売していた宮崎県産の生鮮しいたけの品質に問題があるとか、価値が沖縄県産に劣るということは一切ないということについてはご理解いただきたく存じます。
この点、他の多くのしいたけ栽培事業者は、中国産の菌床を用いて国内で栽培・収穫したものを国内産として出荷しています。
令和 4 年 3 月 30 日に、消費者庁の食品表示基準 Q&A が改正され、しいたけについて、原木又は菌床培地に種菌を植え付けた場所(植菌地)を原産地として表示することが示されたことにより、生鮮しいたけは令和 4 年 9 月末までに表示の切り替えが必要とされています。そのため、10 月以降は、むしろ弊社グループの他の事業者に対する優位性が発揮されると考えていた矢先の、今回の報道ということになります。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/shokuhin_hyoji_QandA.html(林野庁/食品表示基準Q&Aの改正について しいたけの原産地表示)
令和 4 年 9 月 21 日に、沖縄タイムスの記者の方から、翌日の朝刊(実際には 23 日となりました)に記事を載せる旨の連絡があったことから、
・ 22 日以降のしいたけの出荷分については一切実際と異なる産地の表記を行わない
・ 22 日中に、実際と異なる産地表示のしいたけを納入していた取引先(売り場)ほぼ全社に連絡して謝罪と商品回収を実施するという対応を取っております。
産地について事実と異なる表記を行っていたことについては、関係各位に対しあらためて深くお詫び申し上げます。
私、田中未一郎は、本件の責任を取り、適切なタイミングで代表を辞任して後任者と交替することにより、コンプライアンス体制を一新する予定です。
本来であれば皆様に直接お会いしてお詫び申し上げるべきところ、私は両膝の手術を片足ずつ順に行うため令和4年8月18日より沖縄県を離れ、令和 4 年 9 月 1 日から本土の病院に長期入院しており、このような形での謝罪となってしまったこと、また取材対応や記者会見など報道機関への対応も十分にできなかったことについてまことに申し訳なく思っております。
今後、弊社といたしましては、沖縄県での生産体制の確立に一層力を入れ、正真正銘の沖縄県産のしいたけが、沖縄県の特産品の一つとなるように努めて参りたいと考えております。この度はまことに申し訳ございませんでした。
謹白
この9月末の問題発覚&謝罪から1カ月ほど過ぎた10月下旬に販売を再開させました。
「沖縄しいたけ田中」は再発防止策を講じ、10月下旬から販売再開
「沖縄しいたけ田中」は再発防止策を講じ、10月下旬から県内のファーマーズマーケットや自販機で販売を再開しました。
同社で生産されるシイタケは宮崎県のグループ会社から仕入れた菌床ブロックを使用している。シイタケは植菌地が原産地となることから「原産地宮崎県、収穫地沖縄県」とラベルに表記し、恩納村名嘉真の工場などで販売を再開した。
引用:恩納村のシイタケ偽装 謝罪し販売を再開 社「信頼回復に努める」(琉球新報/2022年11月10日 12:08)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1612982.html
魚拓URL:https://archive.ph/SJ0y1
記事によると、しいたけ自販機の横には謝罪と合わせて今後の信用回復に向けた意気込みが綴られていました。
内容は下記のとおりです。
皆様の信頼を裏切るような行為をしていたことを反省し、大変申し訳なく思っております。
今後は正真正銘の沖縄栽培しいたけ(菌床種菌地は宮崎)を真剣に生産して地域に貢献して参ります。
合同会社沖縄しいたけ田中
あとは地道に積み重ねて、信頼回復していくだけですね。これをプラスに転化していってもらいたいものです。
では!
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。
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