つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
【目次】本記事の内容
デマンド交通「いとちゃんミニ」で運転手が誤って児童降ろさず
2022年9月22日に沖縄県糸満市が、「いとちゃんミニ」で今月16日、小学生1人を車内へ置き去りにする事案が発生したと発表しました。
市によると、小学生は16日午後4時12分に乗車。受託会社の運転手が誤って児童が降りるはずのバス停で降車させずに運行を続けた。同5時2分ごろ、発着点の北波平営業所に到着、乗客の有無を確認せずに施錠した。
引用:市営バスに小学生置き去り 運転手に施錠されパニック状態に 自ら窓を開け脱出(沖縄タイムス/2022年9月22日 15:43)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1029294
魚拓URL:https://archive.ph/8HK8l
翌23日、糸満市は謝罪文をホームページに掲載しました。
それがこちらです(クリックすると画像が拡大されます)。
引用:「いとちゃんmini」における小学生置き去り事故について(お詫び)(糸満市/2022年9月23日)
https://www.city.itoman.lg.jp/docs/2022092300033/
魚拓URL:https://archive.ph/mVfsO
念のため文章を残しておきます。
「いとちゃんmini」における小学生置き去り事故について(お詫び)
2022年9月23日
去る9月16日に本市内周遊バス「いとちゃんmini」において小学生置き去り事故が発生しました。
大事には至りませんでしたが、一歩間違えると重大事故につながる可能性があり、委託者の本市としても、委託先の「有限会社 美ら島」に、厳重に注意したところであります。
保護者に対し、謝罪と児童の状況確認を行なったところでありますが、再発防止策の徹底を強く求められました。
今後は、委託業者と協議し、事故防止対策を行い、いとちゃんminiがご利用者の信頼を取り戻せるよう誠心誠意努めてまいります。
この場をお借りして謝罪いたします。
糸満市長 當銘真栄
マスコミ各位
個人を特定して報道することは厳に控えていただくようご理解、ご協力をお願いします。
謝罪文と合わせ、丁寧な事故の詳細もPDFデータで添付されていました。
それがこちらです(クリックすると画像が拡大されます)。
引用:いとちゃんminiの車内置き去り事故(市民生活環境課/2022年9月23日)
https://www.city.itoman.lg.jp/docs/2022092300033/
魚拓URL:https://archive.ph/XI7Vr
念のため文章を残しておきます。
いとちゃんminiの車内置き去り事故
部署 市民生活環境課 市民生活係
連絡先(Tel) 098-840-8123
1. 事故の概要
令和4年9月16日(金)、小学生を車内に置き去りにする事故が発生。
・事業者:有限会社 美ら島
・相手方:市内小学生
2. 経緯
・午後4時12分、小学生がいとちゃんminiに乗車。
・ 〃 34分、小学生の降車場所だが、運転手のパネル操作に誤りがあり、未停車。
・午後5時02分、事業者の美ら島北波平営業所へ到着。運転手は車内確認もせず、施錠。
・ 〃 10分頃、寝ていた小学生は携帯電話を所持しており、母親へ連絡。クラクション
を鳴らし、窓を開けて、自分で外へ出たところを別の運転手が保護。
・午後7時30分頃、両親が事業者の美ら島へ小学生を迎えに来る。管理者と運転手で、
謝罪のうえ、両親へ事故の理由を説明。
3. 市の対応
R4.9.18(日)19:35 (有)美ら島よりメールを受信。
R4.9.20(火) 9:00 教育委員会 学校教育課より事故の連絡あり。
R4.9.20(火) 9:05 (有)美ら島より事故の連絡あり、メールを確認。
R4.9.20(火) 9:30 課長、部長へ報告。
R4.9.20(火) 9:50 市長、副市長へ事故の一報。
R4.9.20(火)12:05 保護者と市担当者で電話。(内容:市からの謝罪と、保護者からの
事故の内容と再発防止策の要望)
R4.9.20(火)12:10 市長、副市長へ保護者とのやりとりを報告。
R4.9.20(火)23:00 市長、副市長へ詳細を報告。
R4.9.21(水)19:00 市議会へ報告。
R4.9.22(木) : マスコミへ報告
4. 原因(美ら島報告)
次の3点が挙げられる。
・運転手のパネル操作の誤り。
・運転手の乗降者確認不足。
・運転手の最終確認チェックの漏れ。
5. 再発防止策
・車内への防犯ブザーの設置(押すと管理者へ緊急連絡を通報するもの)
・運転手と管理者らによる車内確認の二重チェック
最後に車内確認しない? そもそもハイエースで見逃す?
この事故は不思議です。
運転手が運転終了後に忘れ物等のチェックで車内確認するのは普通のことですので、そのまま営業所に到着後に施錠したという感覚が信じられません。
そもそも車種はハイエースですので乗車人数は最大でも10人程度。見逃すレベルではありません。
どう考えても不思議です。
小学生は床に転がって寝ていたのでしょうか。
……その可能性もありそうです。
もちろん事故は起きるものですし、当事者を非難する気はありません。しかし、いろいろと不思議です。
・ ・ ・
実際、導入の歴史を調べてみると、沖縄の交通はまだまだ発展途上のようです。
今回の事件は、おおらかな県民性も後押しした印象です。
「いとちゃんmini」と沖縄の交通事情を少し調べてみました。
「いとちゃんmini」って、どんな交通手段なの?
まずは糸満市内周遊バス「いとちゃんmini」の内容を紹介します。
市内周遊バスという呼び名から想像したのは、市内観光バスでした。しかし、市民の足となるタクシー的な寄り合いバスといった感じです。運行時間は7時~19時で、予約が必要です。
公式サイト(https://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2018030600013/)では「デマンド交通」となっていますが、正式には「オンデマンド交通」かもしれません。
ちなみに「オンデマンド」とは、「要求(デマンド)に応じて」という意味です。お客さんの立場だと「デマンド交通」で、交通機関がわからすれば「オンデマンド交通」かもしれませんね。
ここでは糸満市の表記に準じて「デマンド交通」に統一していこうと思います。
沖縄の「デマンド交通」って、どんな歴史があるの?
沖縄県には鉄道が走っていないのは有名ですよね。しかし、以前には「沖縄県軽便鉄道(通称:ケイビン)」というのが運行されていたようです。まだ戦前の話です。「沖縄県軽便鉄道」でグーグル検索すると、当時の記録写真がいろいろと出てきます。
沖縄県の交通の歴史をまとめた資料(後述)によると、下記のような歴史です。
<沖縄本島における公共交通>
・1914年~:沖縄県軽便鉄道運行(47.8km)
・1920年~:民間路線バス運行
・1945年:鉄道・路線バス運行停止・消滅
・1950年~:民間路線バス再建・乱立・統合
・1978年:道路交通方式変更(右側通行:730)
・1990年~:度重なるバススト
・2000年~:バス事業者4社統合計画→頓挫
・2003年:沖縄都市モノレール運行(12.9km)・那覇交通が民事再生法適用
・2005年:琉球バスが民事再生法適用
<沖縄本島における主なバス関連の状況>
・2000年~:市町村によるコミュニティバス実験
・2002年:名護市デマンドバス実験(沖縄初)
・2008年:西原町デマンドタクシー実験
・2010年:県21世紀ビジョンに軌道系交通を明記
・2013年:南城市デマンドバス実験
・2014年:IC乗車券OKICA導入
・2015年:中城村デマンドタクシー実験・糸満市デマンドバス実験
・2019年:沖縄都市モノレール延伸
糸満市デマンドバスの歴史は数年のようですね。糸満市デマンドバスだけではなく、沖縄県の「デマンド交通」は発展途上なんでしょうね。
上記以外にも沖縄県の交通関係の資料に興味がある方は、下記をご覧になってください。
参考:
・沖縄県におけるオンデマンド交通の取組について(沖縄しまたて協会)
http://www.odtc.jp/docs/confe/09-4_shiryou.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/O89Gw
そもそも糸満市って、沖縄のどこにあるの?
ところで!
大事なことを思い出しました。
それは……
私は糸満市の場所をハッキリわかっていなかったことです。
調べてみると糸満市は、沖縄本島の最南端に位置する沖縄県第8の都市です。沖縄戦の終戦地でもあったので、最南端には平和記念資料館が設置されています。
ジョン万次郎が上陸した地でもあるようです。
ほかにも糸満市関連の映像がありますので、ぜひご覧になってください。
園児「置き去り」に関する読売新聞の調査
最近のケアレスミス?による「置き去り」事案の多発は、看過できない問題と感じていたところ、興味深い記事を見つけました。
調査は、読売新聞が静岡県牧之原市の認定こども園に通う女児が放置されたバス内で死亡して5日で1か月になるのを前に、九州・山口・沖縄の9県と全市に行い、全141自治体から回答を得た。置き去り事案の有無などを尋ね、少なくともバス内で14件、それ以外で5件あった。
引用:公園に女児2人残したまま出発・30分放置…園児置き去り、バス以外でも(ヨミドクター/2022年10月7日)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20221007-OYT1T50088/
魚拓URL:https://archive.ph/jjUBz
記事には「置き去り」の詳細も紹介されていました。
具体的には「1歳女児が約30分間置き去り」「園児1人が約25分間放置」「1歳児を1人残したまま施錠。約50分後に気づいた」「4歳の女児が約1時間取り残された」など、保護者当事者にとっては背筋が凍る事例が並んでいました。
人為的なミスは当然起こりうる話です。だからといって、ちょっと杜撰な印象を受けてしまいます。なぜこんなことが多発するようになったのでしょうか(過去の事例と比較できないので、もしかすると昔よりも減っているのかもしれませんが……)。
◯「注意障害」が増えてきている? 原因は教育のせい?
「置き去り」の理由を単純に考えると、「注意障害」が増えてきているという仮説をたてることができるのではないでしょうか。
「注意障害」とは、注意力や集中力を持続させる能力が劣っている状態です。また選択肢の優先順位を判断できない特徴もあります。
これは……やはり、教育の問題ではないでしょうか。
調べていくと、「日本の競争力が世界30位まで転落」したという記事を見つけました。
今年5月には、日本企業の生産性や国際競争力に関するよりショッキングなリポートが報告されている。同じスイスの有力ビジネススクールIMDの「2019年版世界競争力ランキング」がそれだ。
これによると、日本の総合順位は30位。比較可能な1997年以降では過去最低で、シンガポール(1位)、香港(2位)などの背中はほど遠く、中国(14位)やタイ(25位)、韓国(28位)をも下回った。かつて日本が1989年から4年連続で世界1位を記録していた同調査だけに、その没落がうかがえる。
引用:進む教育劣化 社会に出て「引き算」を習う大人たち(日本経済新聞/2019年10月29日 10:13)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51385450V21C19A0000000/
魚拓URL:https://archive.ph/LAueP
グラフを見ると、その転落の激しさが一目瞭然です。
◯20年前の感覚での当たり前を疑う必要がある
「世界競争力ランキング」の結果だけですべてを語ることはできませんが、ひとつ言えることは、20年前の感覚での当たり前を疑う必要があるということです。
「こんなこと言わなくてもいいでしょ!」「なぜできないか理解できない!」などといった40〜50代の感覚は根本的に見直す必要がありそうです。
◯子どもを扱う仕事では「注意障害」の検査とリハビリを徹底してほしい
「注意障害」をであることがダメなわけではありません。見極めて、その傾向であればリハビリをすればいいだけです。
まずは下記のような検査方法で「注意障害」を見極めることから始めることが必要でしょう。
<「注意障害」を見極める方法>
・Trail Making Test(トレイルメイキングテスト)
・Modified Stroop Test(ストループテスト)
※↑クリックすると、Googleの検索結果に飛びます。
つか、私も少しやってみましたが、かなりヤバかったです。自分の注意力と判断力と行動力の足並みが揃っていないことが容易に自覚できました。
ぜひみなさんもやってみてください。
では!
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。
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