「おはなしの せかい」は、以前に子ども向けの読み物を会員紙にて連載していた読み物に若干手を入れて再掲載したものです。不定期(半月〜1か月ペース)で更新していくつもりです。全体像はこちらからご確認ください。※本サイトはリンクフリーですが、掲載しております文章などの著作権は「つなワタリ」に帰属します。無断転載、再配信等は一切お断りします。No reproduction or republication without written permission.
夢にご用心!(第1回)
「アオイ、あのネックレス、ちゃんと返してね。」
「う、うん……。明日返すよ。」
小学6年生のアオイは、ビーズのネックレスをさがしていた。友だちと出かけるからと、お母さんから特別に貸してもらったものだ。
(おかしいなあ。いったいどこにいっちゃったんだろう?)
洋服のポケットを見て、机の引き出しをさがし、おもちゃ箱をひっくり返し、部屋中をさがしても見つからない。
夜になって、ふとんに入っても、アオイはネックレスのことを考えていた。
(お母さんに『明日返す』って約束したのに……。なくしたなんて言ったら、しかられちゃう。どうしよう……。)
そんなことを考えているうちにアオイは眠ってしまった。
*
アオイは夢の中でもネックレスをさがしていた。でも、やっぱり見つからない。
すると、夢の中にひとりのおじさんがあらわれた。
「おじょうちゃん、ネックレスが見つからないのかい?」
「えっ? な、なに? おじさんはだれ?」
おじさんはにこやかな顔で部屋のすみにあるネコのベッドを指さすと、「ネコもネックレスも部屋のすみが落ちつくようだ。」とつぶやいた。
「えっ? どういうこと? 『ネコのベッドを調べろ』ってこと?」
アオイは不思議に思いながらもネコのベッドをさがしてみると、そこにはたしかにネックレスがあった。
「あっ! あった! おじさん、ありがとう! ところで、おじさんは だれなの?」
アオイがさがしていたネックレスを持って振り返ると、もうそこにはおじさんはいなかった。
*
「なんだ、、、やっぱり夢か。」
翌朝、目を覚ましたアオイは、ちょっとがっかりしながらも、夢でおじさんに言われたように、ネコのベッドをさがしてみた。
「あった!」
なんとネックレスは夢と同じ場所にあった。
(これって、正夢? それとも夢のお告げ?)
それから数日が過ぎ、苦手な漢字テストを翌日にひかえたある夜、アオイはなかなか眠れないでいた。
(ど、どうしよう。テレビばっかり見ていて、全然勉強してないよ~。点数が悪かったらテレビ禁止になっちゃう!)
漢字テストのことで心配しているうちに、アオイは机の上でウトウトしてしまった。すると……また夢を見た。
「おやおや、今日はずいぶんこまっているみたいだね。」
「あっ! こないだのおじさん! 明日はわたしの苦手な漢字テストがあるの! こないだのみたいにどんな問題が出るのか教えてくれない?」
「問題を教えることはムリだな。だけど、明日のテストでいい点をとるだけなら、なんとかできないこともない。きみが協力してくれればね。」
「ええ~っ! 問題がわからなくてもいい点がとれるの?! そんなこと、できるの? もちろんわたしは、なんでも協力するよ!」
アオイは、すっかりその気になった。
「では、ちょっと、これをつけてみてくれるかな?」
おじさんが小さなブレスレットを取り出し、アオイの前に差し出した。
「えっ? これをつけるだけでいいの? そんなことカンタンよ。ところで、おじさん、一体何者なの?」
不思議そうにアオイがたずねると、おじさんはニヤリと笑いながらうなずき、消えていってしまった。
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