つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
化粧品ブランド「クレイエンス」が個人投稿をパクツイ
2023年7月1日、「美容・化粧品で知られる企業(白髪染めクレイエンス「DUO姉妹ブランド」)のツイートが、個人のツイートの丸パクリかも!?」「いや、これは偽物のアカウントでは?」などといった話がネットで話題になっていました。
私も「【化粧品メーカーがパクツイ!?】ホント? 偽物? もしかして実験?」という記事をアップしていました。
問題の真相は藪の中のままフェードアウトするかと思いきや、7月4日に化粧品ブランド「クレイエンス」を提案しているプレミアアンチエイジング(東京都港区、東証グロース上場)が公式サイトで謝罪文を掲載しました。
こちらです(画像を別画面で開くと拡大されます)。
引用:Twitter 広告アカウントでの投稿に関するお詫び(プレミアアンチエイジング/2023 年 7 月 4 日)
https://www.p-antiaging.co.jp/ja/news/20230704-000/main/0/link/20230704.pdf
魚拓URL:https://archive.md/FtNRM
念のために文章で残しておきます。
2023 年 7 月 4 日
プレミアアンチエイジング株式会社
代表取締役社長 松浦 清
Twitter 広告アカウントでの投稿に関するお詫び
6 月 29 日に当社商品「クレイエンス」の Twitter 広告アカウント「クレイエンス(@EYSSfYAu0pHEPbY)」にて、当社商品に関する情報を投稿したところ、本投稿内容が過去に個人の方が投稿したテキストを無断で複製使用した内容であることが判明いたしました。
当該個人の方、並びに関係各社、お客様には不快な思いと、多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
当該個人の方には、広告代理店から謝罪を行うべく調整中ですが、当社としても謝罪を行いますと共に、今後もご理解を得るべく経緯の説明等を継続してまいる所存にございます。
当社は Twitter における広告の制作・運用を広告代理店に委託しており、本投稿内容は当該広告代理店にて投稿されたものでありますが、当該広告代理店の管理を含め、投稿内容の確認を十分に行えていなった当社の管理体制に起因する事案だと認識しております。
本件を重く受け止め、二度とこのようなことが起きないよう再発防止に努める所存です。
以上
原因は広告代理店のミスだった模様です。その広告代理店とは……ピアラ(東京都渋谷区、東証プライム上場)という会社です。同じタイミングで公式サイトに謝罪文を掲載しています。
こちらです(画像を別画面で開くと拡大されます)。
引用:Twitter広告における無断複製使用に関するお詫び(ピアラ公式サイト/2023.07.04)
https://www.piala.co.jp/news/20230704/6332
魚拓URL:https://archive.md/Z0xyc
念のために文章で残しておきます。
NEWS
お知らせ
Twitter広告における無断複製使用に関するお詫び
2023.07.04お知らせ
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、弊社が広告の運用業務をプレミアアンチエイジング株式会社より受託していた商品「クレイエンス」のTwitter広告におきまして、他のアカウント所有者様の過去ツイートを許可なく勝手に複製使用したことに関しまして、該当のアカウント所有者様をはじめとして、皆様に多大なるご迷惑をお掛けいたしました事、心よりお詫び申し上げます。
今回の原因は、弊社において広告を作成するにあたり、弊社の広告運用に対する認識が欠如していたことにあります。
弊社は本件を重く受け止め、今後は二度とこのような事象を発生させないため、本件の事象を社内で周知し、弊社内でのモラルの向上、広告内容の管理フローを見直し、運用を徹底してまいります。
この度は、皆様に多大なるご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。今後はこのようなことの無いよう、さらに留意して業務に取り組む所存でございます。心より深くお詫び申し上げます。
結果的にはプレミアアンチエイジング株式会社も被害者だったわけですね。こんなことでブランドに傷がついてしまうなんて……同情します。
それにしてもピアラは広告代理店のはずなのに、謝罪文の書き方もわからないようです。こういった公式文書は社長名出さないとアカンでしょうね。謝罪文は雛形がたくさんあるので、きっちりパクった方がよかったのに……。最後まで残念な印象です。
では、この件はネットではどのような反応だったのでしょうか。
企業が個人投稿をパクツイしたことに対しての声
Yahoo!ニュースではさほど話題になっていないようでした。コメント数も100にも満たない状態でした。
<企業が個人投稿をパクツイしたことに対しての声>
・20年くらい前に実際に観た1000本分以上の映画レビューを短くブログにまとめてたんだけど、近所のレンタルショップで自分の感想がそのままポップになってて笑った。まさかこんな近所で勝手に使われてるのを見つけるとは・・日本全国のDVD販売店・レンタル店を俺の感想が席巻してたかもしれない
・企業が内部で使う標語や短文の作成を社員に課す時、わざわざ「ネットでの盗用禁止」と釘を刺す時代です。営利目的で外部に発信するものは尚更、「ネットでの盗用禁止」。
コピーライターが文字通りコピーしてはいけません 笑
・いいと思ったなら、許可をとって引用させてもらうとか、いろいろ手段はあるだろうに。ネット社会で情報を得やすい分、何かあったらばれるのも早い
・はずみで何万というリツイートがされたことがありますが、その際内容を勝手に漫画化されたことがあり、うち数件は企業だったので担当者に文句を言いました
・再発防止策を詳らかにした方が良い。最近のSNS担当って若い人なんでしょうか。アウトな投稿が多すぎて…
・モラルと年齢は関係ないと思いますよ
・指摘されるまで何とも思ってないところが問題だよ
・大学とか言ってれば盗用については口すっぱく言われるはずなんだけどなぁ
・適当な仕事をして金を取るなんて、とんでもない広告代理店ですね
・おそらく、広告代理の金は高くても、その業務を実際にやるバイトなりパートの報酬が安いからでしょう。100万で依頼されたものを3000円や5000円で実際に業務をやらされたら、そこには大きな意識の差が発生している。依頼側からしたら安くはなくても、受けた業者側の認識がこういうものだから、だから、高くつくリスクを理解してない。安く人を使おうとばかり考えると、必ず高くつく事になる。きちんと認識をだか持ってもらうには相応の報酬が必要だ
・仲介業者を増やすとこんな感じになりますよね
・ありふれた(想像し得る)シチュエーションだし特別な表現も使ってない。言い回しを変えれば“あるある”として共感を集められたはずなのに。日頃から手を抜いた仕事してるんだろうな。この広告代理店使ってる会社は付き合いを考えた方がいい
・勝手に個人のTwitterの呟き使うなんて信じられない。せめて本人に一言確認したら全然結果は違ったのに
・転載しますので感謝の品を。とかやってれば、この人もまたツイートしてウィンウィンだったのにね
・広告代理店といっても実際Twitterを担当していたのが社員なのか委託なのかフリーなのかバイトなのか。それをまる任せにした責任は代理店にある
・トレースで有名な漫画家さんが他人のツイートを作品の中で使っていて、ツイート主は抗議したけど出版社が強すぎて消された経緯がある
・フォロワーが何万人もいる人のツイートを気軽にパクるとか、大騒ぎになる可能性が高いのに謎すぎる……
・こんなん一回ネットに上がった文書なんて検索でバレないわけないのにね。なんでこんな浅はかなんだろうか
・広告代理店が『弊社の広告運用に対する認識が欠如していたことにあります』って、、広告代理店やる資格すらないよ
・この広告ツイート何回もTLに流れてきたけど、パクりだったのか
・広告代理店もまんまパクるって、下請けのまた下請けそのまた下請けと数百円くらいで仕事させてるんでしょう
・2万人もいるTwitter垢からパクるとか凄すぎ
・意図してではなく似てる内容は世の中沢山あるけれど、丸パクリってひどすぎ
・ピアラね。意外性ゼロ
・嘘でしょ? コンプライアンス部門はないの?
・人の褌で相撲を取る 的な輩が多すぎるよね
・正負両面を持ち合わせる「インターネットの力」を理解していないんですね。その観点からするとSNSで「ペロペロ動画」を公開するお子様と同じリテラシーレベルかと
・監督責任はあったにせよ、メーカーも被害者だよな。広告代理店がクソ。賠償内容ってどんなもんになるんだろう?
・ ・ ・
今回の件はツイッターの閲覧トラブルもあり、大炎上にはなりませんでした。企業側もラッキーだったといえるでしょう。
パクられた投稿主の感想は?
パクられた投稿主みお(@miomiopyonkichi)さんのツイートも貼っておきます。
こちらです。
例のパクリ広告の件、取材を受けて記事にしていただきました。
人気化粧品ブランド、「ツイート盗用」して偽口コミPR 被害者「とても不快」…メーカー&広告代理店は謝罪: J-CAST ニュース【全文表示】 https://t.co/Apnk8cx3As
— みお (@miomiopyonkichi) July 4, 2023
J-CASTニュースは簡潔に問題の顛末をまとめています。ツイートの内容についても言及されていますので、気になる方はチェックしてください。
みおさんは、言われたのが娘という部分を除き、同一の文面を20年4月19日にツイッターで書いていた。この文面を引用し、23年7月1日の投稿で、「なんで私のツイートと一言一句違わない言葉使って商品の宣伝してんの?」と苦言を呈した。
この投稿は、5000件以上リツイートされて注目を集めた。この騒ぎで、クレイエンスの投稿は削除され、アカウントが非公開になった後、4日にはアカウントも削除されている。
引用:人気化粧品ブランド、「ツイート盗用」して偽口コミPR 被害者「とても不快」…メーカー&広告代理店は謝罪(J-CASTニュース/2023年07月04日21時06分)
https://www.j-cast.com/2023/07/04464546.html?p=all
魚拓URL:https://archive.md/Tu1N1
みおさんは投稿を発見した時点で驚かれていましたが、もはや冷静な印象です。
ネット時代は、知的財産が無料で共有化される時代ともいえます。だからこそ財産の価値を正しく扱うモラルは重要です。自分なりに意識をシッカリ持って、知的財産を活用していきたいものです。
では!
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。