つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。 Netflixが製作・配信している『ラブ、デス&ロボット(Love,Death & Robots)』が話題になっています。かなり支持されています。簡単に内容やポイント等を備忘録的に書き残しておきます。
あらためて創造の王道は「物語を作る→見せる」だと感じました。どんなに短くても創作の世界で生きていきたいならば、創って見せることしかありませんね。
【目次】本記事の内容
- 1 Netflixの愛と死を描いたアンソロジー『ラブ、デス&ロボット』が大人気
- 2 全18編は「18禁SFフリークショー」といったテイスト
- 2.1 ○「ソニーの切り札(Sonnie’s Edge)」(17分)
- 2.2 ○「ロボット・トリオ(THREE ROBOTS)」(12分)
- 2.3 ○「目撃者(THE WITNESS)」(12分)
- 2.4 ○「スーツ(Suits)」(17分)
- 2.5 ○「魂をむさぼる魔物(Sucker of Souls)」(13分)
- 2.6 ○「ヨーグルトの世界征服(When The Yogurt Took Over)」(13分)
- 2.7 ○「わし座領域のかなた(Beyond the Aquila Rift)」(17分)
- 2.8 ○「グッド・ハンティング(Good Hunting)」(17分)
- 2.9 ○「ゴミ捨て場(The Dump)」(11分)
- 2.10 ○「シェイプ・シフター(Shape-Shifters)」(16分)
- 2.11 ○「救いの手(Helping Hand)」(10分)
- 2.12 ○「フィッシュ・ナイト(Fish Night)」(10分)
- 2.13 ○「ラッキー・サーティーン(Lucky 13)」(15分)
- 2.14 ○「ジーマ・ブルー(Zima Blue)」(10分)
- 2.15 ○「ブラインド・スポット(Blind Spot)」(9分)
- 2.16 ○「氷河時代(Ice Age)」(11分)
- 2.17 ○「歴史改変(Alternate Histories)」(8分)
- 2.18 ○「秘密戦争(Secret War)」(16分)
- 3 作品のポイントは「愛とスピード感、映像のダークさ」の3点か
- 4 デヴィッド・フィンチャーのプロフィール、哲学、名言など
- 5 ティム・ミラーのプロフィール、哲学、名言など
- 6 創造の王道は「物語を作ること→見せること」
- 7 創造に向いている人、向いていない人
Netflixの愛と死を描いたアンソロジー『ラブ、デス&ロボット』が大人気
Netflixが製作・配信する短編オムニバス作品『ラブ、デス&ロボット(Love,Death & Robots)』が話題になっています。
扇情的なリズムにスピーディーかつスリリングで、ショッキングな展開、全体を支配するダーク感は現在の世界を取り巻く無常感にマッチしています。
まずは予告編をご覧になってください(成人向け)。
全18編の構成で、『エイリアン3』『セブン』『ファイトクラブ』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ドラゴン・タトゥーの女』で監督を務めたデヴィッド・フィンチャーと、『マイティ・ソー ダーク・ワールド』のオープニング監督を務め、『デッドプール』で監督デビューを果たしたティム・ミラーが携わっています。
全18編は「18禁SFフリークショー」といったテイスト
Netflixは「メインストリームに適していないジャンル」を集めまくったと説明しています。いわば「18禁SFフリークショー」といった感じです。
内容はNetflix公式サイトでも紹介されていますが、後半に軽いネタバレ?も含みつつ簡単にご紹介します。ちなみにカッコ内は英語タイトルです。
○「ソニーの切り札(Sonnie’s Edge)」(17分)
(C)Netflix
凶暴な怪物同士が戦う地下バトルで活躍するソニー(女性)の真の姿とは。
○「ロボット・トリオ(THREE ROBOTS)」(12分)
(C)Netflix
人類絶滅後の街を三体のロボットが気ままに観光?する様子。
○「目撃者(THE WITNESS)」(12分)
(C)Netflix
殺人を目撃した女性が逃げ回る。その先に待っているのは……。
○「スーツ(Suits)」(17分)
(C)Netflix
無数のエイリアンが襲来。普通の農場主たちが“自作”のロボットで立ち向かう。
○「魂をむさぼる魔物(Sucker of Souls)」(13分)
(C)Netflix
遺跡調査中に魔物(ドラキュラ)に襲われた! はたして助かるのか?
○「ヨーグルトの世界征服(When The Yogurt Took Over)」(13分)
(C)Netflix
超高度な知能を持ってしまったヨーグルトが地球の問題を解決していく!
○「わし座領域のかなた(Beyond the Aquila Rift)」(17分)
(C)Netflix
自動航行トラブルの宇宙船が行き着く果てはグッドエンディングなのか?
○「グッド・ハンティング(Good Hunting)」(17分)
(C)Netflix
バケモノハンターを父に持つ主人公が成長して機械工学に精通し、バケモノと再会するが。
○「ゴミ捨て場(The Dump)」(11分)
(C)Netflix
ゴミ捨て場こそ快適な我が家。なぜならそこには友人がいたから。
○「シェイプ・シフター(Shape-Shifters)」(16分)
(C)Netflix
海兵隊で活躍する兵士の“真の姿”は、まさに人狼。バトル描写が強烈。
○「救いの手(Helping Hand)」(10分)
(C)Netflix
宇宙空間で身動きが取れなくなった宇宙飛行士……酸素が残りあと2分と迫った。
○「フィッシュ・ナイト(Fish Night)」(10分)
(C)Netflix
砂漠で立ち往生した2人のセールスマンの目の前が幻想的な海に変わる!
○「ラッキー・サーティーン(Lucky 13)」(15分)
(C)Netflix
いわくつきの軍用機、ラッキー・サーティーンと女性パイロットの物語。
○「ジーマ・ブルー(Zima Blue)」(10分)
(C)Netflix
芸術家、ジーマが描く「青」の秘密、そして画家の真実の探求の終わり。
○「ブラインド・スポット(Blind Spot)」(9分)
(C)Netflix
サイボーグの盗賊団は無敵チーム。その理由は……。
○「氷河時代(Ice Age)」(11分)
(C)Netflix
カップルが入居したアパートの部屋あった古ぼけた冷蔵庫の中に文明社会があった。
○「歴史改変(Alternate Histories)」(8分)
(C)Netflix
もしもヒトラーがあり得ない死に方をしたら? 歴史改変アプリが時代を変える?
○「秘密戦争(Secret War)」(16分)
(C)Netflix
モンスターと戦う赤軍の凄惨な死闘はグロさ満点!
以上が物語のポイントです。
『ラブ、デス&ロボット(Love,Death & Robots)』は海外でもエモーショナルな作品で人気のようです。
「Love,Death & Robots」、それぞれの作品タイトルなどをセットで検索すると、いろいろ出てきます。
たとえば海外のサイト「ART STATION」で「Love,Death & Robots」と検索すると、ファンアートも含めて関連画像が出てきます。
なんとなく気になる方は、検索をかけるといいでしょう。
きっとネタバレしちゃったので見なくていいや……とはならず、もっと見たくなるはずです。
作品のポイントは「愛とスピード感、映像のダークさ」の3点か
今回の作品が支持されている理由は、物語の根底に「愛(対比としての死)」がしっかり流れているところでしょう。
人間ドラマに「愛」は欠かせないんですが、意外と忘れられてしまう部分でもあります。
だいたい人気となる作品には、深い「愛」の精神が流れています。
それがたとえ屈折していても、深い「愛」は観る者の心を揺さぶります。
さらに「スピード感」と「映像のダークさ」の相乗効果で観る者の精神を攪乱します。感覚を麻痺させてします。アニメやCGという、ある意味ではリアルでない部分を補っています。
『ラブ、デス&ロボット(Love,Death & Robots)』に限らず、「愛」「スピード感」「映像のダークさ」の3点を盛り込めば、それなりに作品は成功するんじゃないかと思っています。
実際、デヴィッド・フィンチャーやティム・ミラーはどんな意識や哲学を持っている監督さんなんでしょう。
ちょっと調べてみました。
デヴィッド・フィンチャーのプロフィール、哲学、名言など
デヴィッド・フィンチャーは1962年8月28日生まれ。キャリアのスタートは『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』や『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のマット・ペインティングでした。
その後、ミュージックビデオで力をつけて『エイリアン3』で映画監督デビューしましたが、本人的には『エイリアン3』は自分の作品として認めていないそうです(20世紀フォックスが勝手に再編集したため)。
ワンシーンに100テイクを重ねるという完璧主義者で、持ち味はダークな映像。大のピンク嫌いとしても有名です。
作品として意識しているのは「人間の生き様」「ラブストーリー」「プロセス」。結果を提示するのではなく、観る者に判断を委ねるのもフィンチャーの特徴のようです。
海外サイトをチェックすると、デヴィッド・フィンチャーの名言がけっこう出てきます。
そのいくつかを紹介します。
「シーンを撮影する方法はたくさんあると言うでしょうが、私はそうは思いません。あるのは多分、2つ。その一つは間違った撮影です」
(People will say, ‘There are a million ways to shoot a scene,’ but I don’t think so. I think there are two, maybe. And the other one is wrong.)
フィンチャーは何度も取り直すことで知られているようです。要するに自分が納得するのが“正しいもの”で、それ以外は“間違ったもの”なのでしょう。こだわりは大事です。
「映画では、時間を彫刻し、行動を彫刻し、そして光を彫刻します」
(In film, we sculpt time, we sculpt behavior and we sculpt light.)
カッコイイ言葉です。上記の撮影の心構えと同様に、自分の作品を刻み込んでいく意志を感じさせられます。
「興味があるのは楽しませることよりも、映画から受ける“傷”だ。私が『JAWS』の好きなところは、二度と海に泳ぎに行かなくなったところだ」
(I don’t know how much movies should entertain. To me I’m always interested in movies that scar. The thing I love about JAWS is that I’ve never gone swimming in the ocean again.)
いかにリアリティな影響を与えるかは、映画に限らず創作物の醍醐味です。
「人々は観たことがない作品を求めています。私を過激派と読んでください」
(People go to the movies to see things they haven’t seen before. Call me a radical.)
どうやら意識的にエキセントリックにしている部分があるようです。
「私は過ちから学ばないような変わらない(変われない?)人が好きです」
(I like characters who don’t change, who don’t learn from their mistakes.)
非常に人間臭い部分、綺麗事じゃない部分に目を向けているようです。
「知性は主観的なものです。セクシーさを感じるのが人それぞれと同じように」
(I think intelligence is totally subjective; it’s like sexiness.)
価値観は様々だということでしょうが、自分の価値観を否定されても自分を貫いてきた意志を感じさせられます。
「私にとってプロフェッショナリズムとは、一般の人にとっては偏執狂な部分でしょう」
(My idea of professionalism is probably a lot of people’s idea of obsessive.)
「obsessive」は強迫観念とか妄想というニュアンスもあります。その辺をふまえて、偏執狂としました。
「私はいつも傷を与えてくれる作品に興味を持っていました」
(I was always interested in films that scar.)
先程の『JAWS』もそうでしょうが、いい作品とは自身の行動にも大きな影響を与えるということでしょう。それはトラウマを与えることとも似ているので、結果的に過激的になっていくのかもしれません。
「私の中には想像できないような悪魔がいます」
(I have demons you can’t even imagine.)
ちょっと怖いですね(苦笑)。
ティム・ミラーのプロフィール、哲学、名言など
ティム・ミラーはイラストとアニメを学び、ゲームなどの視覚効果アーティストとしてキャリアを積み重ね、1995年にCG映像制作スタジオ「Blur Studio」を設立、2004年に短編アニメーション『Gopher Broke(原題)』でアカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされました。
2016年の『デッドプール』で50歳という遅咲きでの初長編映画監督を務めましたが、続編『デッドプール2』は降板。しかし2019年秋公開『ターミネーター6』の監督に抜擢。いま、もっとも注目を集めている監督の一人です。
まずは『Gopher Broke(原題)』を紹介しておきましょう。
ティム・ミラーの言葉はまだ少ないですね。
それなりに探したんですが、いい言葉が見つかりませんでした。ひとつだけ紹介しておきます。
「私がコミックが好きで、37年間集めてきたのは、イラストレーター&作家になりたかったからです。コミックは絵と物語の完璧な融合体です」
(The reason I love comics and have collected them for 37 years is because I always wanted to be an illustrator and a writer – and comics are really the perfect blend of those two mediums.)
ちょっとオタク気質がある人かもしれませんね。
創造の王道は「物語を作ること→見せること」
最後に強引な結論です。
結局、クリエイティブで身を立てている人には、共通していることがあります。
それは「物語を作ること→見せること」を積み重ねてきているってことです。
たとえ短くても「物語を作ること→見せること」が必須です。
当たり前すぎますが、これが王道です。
「作らない」はお話になりません。
これが第一ハードル。
創造に向いている人、向いていない人
さらに第二ハードルは厳しくなります。
一部の天才を除き、何も考えずに作って見せても結果は出ません。
自分なりの哲学を掘り下げて、掘り下げて、試行錯誤して形にしていくことが必要です。
それが「愛」なのか、「過激」なのか、「オタク」なのか・・・わかりませんが、とにかく「自分らしさ」を盛り込んでいくことが必要でしょう。
創作するって難しそうですか?
それとも楽しそうですか?
難しいと思った人は向いていないから、回れ右して新しい道を探しましょう。
楽しそうと思ったら、王道を前向いて歩き続けるだけです。
私も歩いていきます。
ゆっくり、ゆっくりですけど……。
では!
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