つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
2022年7月に沖縄で溺死したと報道されていた『遊☆戯☆王』の作者、高橋和希さん。しかし事故から3ヶ月が過ぎたタイミングで「高橋和希さんは人命救助で亡くなった。彼はヒーローだ」という米兵証言が「星条旗新聞」電子版で報道されました。いったいなぜこのタイミングで報道されたのでしょうか。実施にこのニュースは事実なのでしょうか。
【目次】本記事の内容
人命救助で溺死? 事実は? 海上保安本部は「調査中」との回答
2022年10月13日の夕方に驚きのニュースが「東スポWEB」から流されました。
その内容は、今年7月6日に沖縄県名護市の沖合で遺体で見つかった人気漫画『遊☆戯☆王』の作者、高橋和希さんが溺死したのは、人命救助が原因だったというものです。
沖縄・読谷村にある米軍陸軍基地鳥居ステーションに所属するロバート・ブルジョー少佐(49)から新証言が飛び出した。ブルジョー氏は人命救助で米軍から勲章授与された過程で、高橋さんも一緒に救助活動に参加したものの海に飲み込まれたと証言し、米「星条旗新聞」電子版で明かしているのだ。
引用:『遊☆戯☆王』高橋和希さんは「人命救助していた」と米兵証言 海上保安庁は「調査中」(東スポWEB/2022年10月13日 17:47)
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/241832
魚拓URL:https://archive.ph/smN5M
表彰されたブルジョーさんは、高橋さんの功績について「彼は英雄だ。人の命を救おうとして死んだんです」と讃えたそうですが、13日夕時点で、第十一管区海上保安本部は「調査中です」と対応。今後の展開が気になります。
今回の報道で気になることがいくつか……
第十一管区海上保安本部が調査中ということですので、高橋和希さんがどのような状況で亡くなったのかの事実は、あらためて報道されるでしょう。まずは調査結果を待つしかありません。
しかし、今回の報道を知ったときに、いくつか気になることが頭に浮かびました。
それは……
・なぜ3ヶ月も経ってから新しい事実が出てきたのか?
・本当に人命救助だったのか?
・なぜ「東スポWEB」の報道なのか?
・なぜ沖縄の地元新聞は報道しないのか? 何をやっているのか?
とくに沖縄の地元新聞が報道しないのは不思議でなりません。
では、この点を少し掘り下げていこうと思います。
その前に、まずは最初に報道された米「星条旗新聞」電子版の記事の内容からチェックします。
米「星条旗新聞」(STARS STRIPES)が報道した『遊☆戯☆王』高橋和希さんの状況
では、まずは米「星条旗新聞」(STARS STRIPES)の内容から紹介します。
肝心の記事はこちらです。
参考:
・Army officer recognized for rescuing three people from riptide that killed ‘Yu-Gi-Oh!’ creator ( By Matthew M. Burke Stars and Stripes • October 11, 2022 )
https://www.stripes.com/branches/army/2022-10-11/okinawa-riptide-rescue-yu-gi-oh-7646714.html
魚拓URL:https://archive.ph/g3ndn
そこそこ長文の記事ですが、ザックリと翻訳してみます。
(見出し)
Army officer recognized for rescuing three people from riptide that killed ‘Yu-Gi-Oh!’ creator
(『遊☆戯☆王』の作者の命を奪った激流から3人を救助した陸軍士官が勲章を与えられた)
(写真キャプション)
Army Maj. Robert Bourgeau points to the spot where he rescued three people from a riptide over the summer at Mermaid’s Grotto in Onna, Okinawa, Oct. 3, 2022. (Matthew M. Burke/Stars and Stripes)
(2022年10月3日、夏に沖縄県恩納「人魚の洞窟」で発生した高潮から3人を救助した場所を指差すロバート・ブルジョー陸軍少佐)
(本文)
TORII STATION, Okinawa(←米軍基地:クリックすると基地サイトに飛びます) – A U.S. Army officer was recognized for rescuing three people from a riptide at a popular Okinawa dive spot in an episode that apparently killed a well-known Japanese manga artist.
(TORII STATION発:米陸軍将校が勲章を与えられました。人気のある沖縄のダイビングスポットで3人を高潮から救出したことです。おの場所は有名な日本の漫画家が溺死した場所でもあります)
Maj. Robert Bourgeau, 49, of Missoula, Mont., the deputy operations officer for the 10th Support Group at Torii Station in Yomitan, was nominated by his command last month for the Soldier’s Medal for his actions during the July 4 rescue at Mermaid’s Grotto in Onna. The medal recognizes acts of heroism not involving actual conflict with an enemy.
(ロバート・ブルジョー陸軍少佐49歳はTORII STATIONの副将校。7月4日に起きた沖縄県恩納「人魚の洞窟」での3人を救助したことを認められ、軍人勲章を授与されました。この勲章は敵との衝突を伴わない英雄的行動に与えられるものです)
Kazuki Takahashi, 60, the creator of the popular Japanese manga series “Yu-Gi-Oh!,” attempted to aid Bourgeau in the rescue, unbeknownst to the American, and drowned in the process, a pained Bourgeau told Stars and Stripes on Oct. 3.
(じつはこの日に溺死した『遊☆戯☆王』の作者、高橋和希さんは、私の救助を手伝おうとして亡くなったものだとロバート・ブルジョー陸軍少佐は本紙に語りました)
“You play that ‘what if’ game a lot,” Bourgeau said. “This guy had a huge impact on the world.”
(君はゲームを良くする方かい? ……亡くなった彼(高橋和希さん)は世界に大きな影響を与えた男なんだ)
Takahashi’s body was found two days later about 1,000 feet offshore in Awa, Nago city, a Japan Coast Guard spokesman told Stars and Stripes by phone Oct. 4. His rental car was later found at Mermaid’s Grotto, the spokesman said.
(高橋さんの遺体は2日後、名護市阿波沖約1,000フィートで発見された。日本の海上保安庁は10月4日に本紙に電話で語った。海上保安庁によると、彼のレンタカーは後に「人魚の洞窟」で発見されたという)
→ここまでの流れだと、10月3日にロバート・ブルジョー陸軍少佐が勲章を授与された時点で当時の様子を「Stars and Stripes」紙に語り、「Stars and Stripes」紙は10月4日に日本の海上保安庁に事実を確認したという流れです。
The Coast Guard spokesman declined to confirm Takahashi’s participation in the rescue attempt, however, his actions that day are detailed in several sworn witness statements provided by the Army.
(日本の海上保安庁は高橋和希さんが救助を手伝ったかどうかは確認できないとしたが、その日の高橋和希さんの行動は、陸軍によって提供されたいくつかの宣誓証言の中で詳述されています)
→つまり、日本の海上保安庁では事実を確認できていないが、米陸軍には裏付ける証言があるというわけです。
Bourgeau, a scuba diving instructor, met a pair of students at Mermaid’s Grotto at just after 2 p.m. that day.
“The conditions were really, really rough,” he said.
Bourgeau spotted a Japanese woman calling for help, he said. She pointed toward her daughter, 11, and a U.S. soldier, 39, who were trapped in a rip current about 100 yards from shore.
(スキューバ ダイビングのインストラクターでもあるブルジョー陸軍少佐は、事故が起きた日の午後 2 時過ぎに「人魚の洞窟」で2人の生徒といました。「あの日のコンディションは本当に、本当に荒れていたんだ」。その日、ブルジョー陸軍少佐は助けを求めている日本人女性を見つけたんだ。彼女は海岸から約100ヤードほど離れた場所に11歳の娘と39歳の米兵を指差していたんだ)
The rip current was sucking the pair out, but incoming six-foot waves were crashing on them, creating a whirlpool effect, Bourgeau recalled. Still wearing his running shoes, he and one of his students made their way out to the snorkelers through shallow water while the other student called emergency services.
(6フィート……約2メートルほどの波が打ちつけ、荒れた波が渦巻いていたんだ。その日の様子をブルジョー陸軍少佐が続けました。ランニングシューズを履いたまま、私と生徒の1人は浅瀬を抜けて救助へ向かい、もう1人の生徒は救急隊に電話をかけたんだ)
<救助の様子:省略>
At some point during the rescue, Takahashi entered the water, Bourgeau said. He said he didn’t see the Japanese icon during the ordeal. Bourgeau’s students caught glimpses of him until he disappeared beneath the waves.
“He’s a hero,” Bourgeau said of Takahashi. “He died trying to save someone else.”
(私たちの救助中に高橋和希さんも加わったんだ。私は見てはいないが、学生たちは高橋和希さん姿を見ている。「彼は英雄だよ」とブルジョー陸軍少佐は高橋和希さんについて語った。「彼は単に溺死したわけではなく、誰かを助けようとし亡くなったんだ」)
<さらにブルジョー陸軍少佐による救助の様子や感想:省略>
この記事は「tars and Stripes reporter Keishi Koja contributed to this report.(「星条旗新聞」の記者、Keishi Kojaさんによるレポート)」です。多分、日本人記者だと思われます。
この事実が本当ならば、広く知られて欲しいです。
しかし、だからこそ気になります。
なぜ沖縄の地元新聞は報道しないのでしょうか?
沖縄の地元新聞は偏っているのか?
残念ながら私は沖縄のメディアに関して深い造詣はありません。しかし、今回の件で木になったので、少し深堀りすると、面白い資料を見つけました。
『米軍基地問題とマスコミ報道 60年安保時から今日までの基地報道の変遷について』という元琉球朝日放送の具志堅勝也さんの論文?です。
こちらです。
参考:
・『米軍基地問題とマスコミ報道 60年安保時から今日までの基地報道の変遷について』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mscom/91/0/91_3/_pdf/-char/ja
魚拓URL:https://archive.ph/jGFUV
気になったポイントを抜粋してみます。
・自民党の若手中堅議員37人が参加して開かれた文化芸術懇話会で、長尾敬衆議院議員が、講師として招かれた作家の百田尚樹氏に対し次のような質問を行った。「沖縄のメディアは左翼勢力に乗っ取られている。何とか知恵をいただきたい」。これに対する百田氏の回答が物議を醸した。「沖縄の2つの新聞社は潰さないといけない」。
・日本軍の命令で3紙が統合されてできた沖縄新報は、防空壕に運び込んだ印刷機で米軍上陸後も新聞を発行し続けた。米軍上陸1ヶ月後の紙面には、日本軍の敗戦が濃厚だったにも拘わらず、現実とは逆の記事が掲載されている。「当時は1日でも長く新聞を発行することが記者の使命だと思っていた。だが今考えると、あのような新聞はむしろ無い方がどれだけ住民を救ったかわからない…」。強い自責の念に駆られた牧港らは「新聞人による新聞を創りたい」として、1948年6月、米軍政府の許可を得て戦後初の民間紙である沖縄タイムスを立ち上げる。
・沖縄のマスコミは戦後20年もの歳月をかけて言論の自由を勝ち取った。
・1972年5月15日、沖縄の施政権は日本に返還された。だが施政権返還後も米軍基地は居座り続けた。2017年1月現在で日本に駐留する米軍基地の71%が、沖縄に集中している。それに伴う事件事故や航空機の爆音など被害は後を絶たず、沖縄のマスコミは返還前と変わらず基地問題と向かい合わざるを得なかった。
・基地問題を「仕方のないこと」として受け入れてしまうことになる。やめるわけにはいかない。
・在京大手マスコミについては米軍基地問題に対する関心の薄さ、沖縄のマスコミとの“温度差”が指摘されていた。その“温度差”を象徴する事例が沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故報道である。
・沖縄のマスコミが米軍による言論弾圧と闘ってきた一方、在京大手マスコミの目は米軍基地や日米安保から遠ざけられていたことが、“温度差”を生み出したと考える。
・なぜ7社は主張を変えたのか。その裏には米国中央情報局 CIA の存在があったとされている。「7社共同宣言」が出された裏事情とその後について、米国の歴史学者マイケル・シャラーが著書に記している。
・加えて日米両政府は日本本土の米軍基地を沖縄に移駐させることで日米安保を国民の目から遠ざけ、その安定維持を図った。その先駆けとなったのが海兵隊である。
・1964年に総理の座についた佐藤栄作は、政策の柱として『沖縄返還』に取り組むことを決意する。その手始めとして総理府特別地域連絡局長の山野幸吉を視察のために沖縄に派遣する。帰任した山野に佐藤は次のような質問をした。「沖縄では日本語でちゃんと教育しているのか?」。これについて山野は筆者の取材にこう説明した。「当時は新聞にも沖縄のことは紹介がなかったし、どういう島からなっているのか,人口がどの程度あるのか,そんなことは誰も知らなかった。
・この頃生まれた米軍基地問題に対する沖縄と日本本土の“温度差”は、今日に至るまで縮まっていない。
・ ・ ・
抜粋したのは、ほんの一部です。かなり興味深い内容ですので、気になる方は一読を。
さて、話は高橋和希さんに戻します。
人命救助だったのか? ただの溺死なのか? 真実追求を!
高橋和希さんの死因は溺死は間違いないのでしょうが、人命救助の結果であるならば、それはもっと評価される必要があります。
実際に救助された人の中には日本人女性もいるようです。この記事をリポートしているのも日本人のようです。
沖縄マスコミと米軍の関係に一種のバリアがあるのはわかりますが、ぜひバリアを超えて真実に近いものを炙り出して欲しいところです。
引き続き、このニュースはウォッチしていこうと思います。
高橋和希さんが亡くなった状況は7月時点で把握していたが……
第11管区海上保安本部は高橋和希さんが亡くなった状況は7月時点で把握していたと明らかにしました。
高橋さんの当時の服装や特徴、米兵と少女への聞き取りなどから、海保は(人命救助のために)飛び込んだのが高橋さんと判断したという。海保はこうした経緯を把握していたが、「少女の心のケアを優先し、高橋さんのご家族ともご相談の上、事実の公表を控えていた」としている。
引用:「遊☆戯☆王」作者の高橋和希さん 事故は女の子を助けに向かう最中(朝日新聞/2022年10月14日 22時24分)
https://www.asahi.com/articles/ASQBG752JQBGUTIL03W.html
魚拓URL:https://archive.ph/QJRIs
たしかに自分を助けるために世界的に有名な漫画家が命を落としたとなると、責任感からのダメージは計り知れないものがあるでしょう。もしも心ないファンからの非難の声などを見てしまったら、思いっきり病んでしまいそうです。
もちろんいままで本人は知らなかったのならば、現時点でのダメージもかなり大きいことが推測されます。
◯各社の記事の “ いい加減さ ” が非常に気になった……
今回の件で気になったのが報道内容です。
朝日新聞は「高橋さんの当時の服装や特徴、米兵と少女への聞き取りなどから、海保は飛び込んだのが高橋さんと判断した」と報道しています。
しかし他社は微妙に異なります。
というか、これは共同通信社の記事に引きずられているからですね。
共同通信社は「高橋さんは7月4日、恩納村でシュノーケリングをしていた時、遊泳中の米国人少女と両親が沖合に流されているのを発見。近くの米軍人ら2人と救助に向かった」と伝えています。
これだと、「米軍人ら2人と一緒に連れ立って」というニュアンスです。
しかし、米軍人のインタビューによると、救助活動自体はそれぞれ別行動によるものでした。米軍人は「別の一般人らしき人も救助に飛び込んだようだが、途中からその姿が消えてしまった」といったようなことを述べています。
米軍人の証言が正しいとするならば、朝日新聞の報道が正しく、共同通信社はの報道は間違いです。多くのマスコミは共同通信社の提供する報道を元にして伝えるパターンが多いので、こういった間違い?が拡散される危険性をはらんでいます。
それにしても高橋さん本人にとっても、家族にとっても、集英社にとっても無念の事故でしたね。あらためて高橋和希さんのご冥福をお祈りします。
では!
気になった謝罪文を収集しています。謝るようなことが起こらないにこしたことはありませんが、何かの時のために参考にしてください。
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