つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
作曲家の平井夏美さんのインタビュー記事があり、作曲の極意?的なものが書かれていました。創作物すべてに当てはまると思われます。もちろんブランディングにも当てはまるでしょう。備忘録として残しておきます。。
【目次】本記事の内容
- 1 作品における普遍性が何よりも大事! では、普遍性とは?
- 2 平井夏美(川原伸司)さんが手がけた作品
- 3 「普遍性」とは、オーソドックス(古くさい)ということ?
- 4 普遍性を活かすためには「冒険」が不可欠!
- 4.1 ◯ウィルファード・ピーターソン(アメリカの作家)
- 4.2 ◯ウジェーヌ・イヨネスコ(劇作家)
- 4.3 ◯マーク・ジェンキンス(アーティスト)
- 4.4 ◯リチャード・オールディトン(作家)
- 4.5 ◯ジョージ・エリオット(作家)
- 4.6 ◯ダグラス・クープランド(小説家)
- 4.7 ◯エミリー・ウィング・スミス(作家)
- 4.8 ◯ハイメ・リン・ビーティー(女優・歌手)
- 4.9 ◯エックハルト・トール(作家)
- 4.10 ◯ヘレン・ケラー(教育者)
- 4.11 ◯アンドレ・ジッド(小説家)
- 4.12 ◯アンジェラ・N・ブラント(作家)
- 4.13 ◯パウロ・コエーリョ(作詞家)
- 4.14 ◯アウグスティヌス(神学者)
- 4.15 ◯キルケゴール(哲学者)
- 4.16 ◯キュリー夫人(物理学者・化学者)
- 4.17 ◯ジム・ロジャーズ(投資家)
- 4.18 ◯モンテスキュー(哲学者)
- 4.19 ◯植村直己(冒険家)
- 4.20 ◯マヤ・アンジェロウ(活動家・詩人)
- 4.21 ◯新田次郎(小説家)
- 4.22 ◯芥川龍之介(小説家)
- 4.23 ◯孫正義(実業家)
- 4.24 ◯安藤百福(実業家)
- 4.25 ◯リチャード・ブランソン(実業家)
- 4.26 ◯パブロ・ピカソ(芸術家)
- 4.27 ◯萩本欽一(タレント)
- 4.28 ◯ゲーテ(詩人・劇作家)
作品における普遍性が何よりも大事! では、普遍性とは?
井上陽水さんの大ヒット曲「少年時代」を作曲したのが平井夏美さん(音楽プロデューサー、川原伸司さんのペンネーム)です。なんと「曲そのものは15分ほどで仕上がった」という話です。驚きですね。
そんな平井さんでが作曲で意識していることは「普遍性」です。
では、普遍性とはどういったものなのでしょうか?
自分にとっては、ヒットチャートを賑わすショウビズ的ダイナミズムよりも、誰もが親しみを感じる “予定調和” 的安心感と、リスナーを心地よく裏切る真逆の “予測誤差感” をバランスよく持ち合わせた楽曲が普遍性のある作品であり、それが最も重要なのだ。
引用:作曲家 平井夏美が語る「少年時代」曲づくりの中で井上陽水から深く学んだこと(Re:minder/2023.08.25)
https://reminder.top/691321812/?fbclid=IwAR1uAgDpsMSxQvy5n2rTjjyMAKyGnCh24WhLwd1DVwohqNmDxrPhk5tRTjw
魚拓URL:https://megalodon.jp/2023-0827-1303-54/https://reminder.top:443/691321812/?fbclid=IwAR1uAgDpsMSxQvy5n2rTjjyMAKyGnCh24WhLwd1DVwohqNmDxrPhk5tRTjw
記事には「普遍性」のポイントが散りばめられていました。それを抜き出しておきます。
< 平井夏美が語る「普遍性」>
・あえて文法通りの作風にするか、革新性を持たせるかが「普遍性」の分岐点
・手詰まりになったときはビートルズの作品(レノン&マッカトニー)を演奏することで理想の音楽を楽しむ気分転換が大切
・普遍性を持たせるには、流行を追わないこと
・ブームは一過性の風俗。文化になりえない
・生楽器の音は普遍的である
・作品を創作する目的は何か?がポイント。ビジネスとしての成功を最優先とするならば、流行歌は一過性のものであると割り切って、積極的に流行を取り入れるべき
・自分にとっては“予定調和” 的安心感と心地よく裏切る真逆の “予測誤差感” のバランスが重要
・「Hey Jude」シンプルで分かりやすい導入部から、後半の永遠に続くかと思うようなエキセントリックな合唱部分という全く相反するふたつの展開が奇跡的に共存している
・自分の作品が永く歌い継がれることほど幸せなことはない。そのためにも普遍性が何よりも大事である
流行を知ることは大事なのでしょうが、流行に巻き込まれてしまっては本末転倒。自分の底の浅さを露呈させてしまい、曲自体も残りにくいものになっていくのでしょう。
平井夏美(川原伸司)さんが手がけた作品
川原伸司さんは音楽プロデューサーでありながら、平井夏美や羽佐間健二、Paul Wilsonなどの名義で作曲家として活動されてきました。作曲家としては1982年に大瀧詠一主幹のナイアガラのスタッフライターとしてデビュー。代表曲は松田聖子「瑠璃色の地球」(平井夏美名義)、井上陽水「少年時代」などです。
本業であるプロデューサーとしては、ビクター音楽産業を経てソニー・ミュージックエンタテインメントのチーフプロデューサーとして、大滝詠一、TOKIO、ダウンタウン等を手がけました。ソニー在籍時から井上陽水、中森明菜、中山美穂、稲垣潤一、ヘイリー等々、数多くのアーチストをプロデュース。特にカバーの制作に関しては、金沢明子の『イエローサブマリン音頭』を始めとして、中森明菜『歌姫』シリーズ3部作、井上陽水『ユナイテッドカバー』ヘイリーの『Sings Japanese Songs』等々,現在のカバーブームをけん引するヒット作を数多く送り出しました。
著作は『ジョージ・マーティンになりたくて 〜プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録〜』があります。
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「普遍性」とは、オーソドックス(古くさい)ということ?
では、他の平井夏美(川原伸司)さんのインタビューをいくつかピックアップします。
僕は大滝詠一さんの制作にも関わっていたんだけど、彼が「『A LONG VACATION』は古くならない」って自慢気に言ったときに「最初から古いことしかやってないんだから、これ以上は古くならない」って言ったことがあるの(笑)。The Good-Byeもコンセプトは一緒でね。新しいことは何もやっていないんです。ジャニーズ王道のダンスチューンなら流行りを追わないといけないけれども、ロックンロールバンドだから、時流に関係なくオーソドックスなロックやポップスをやっていけばいい。そういう考えだったから、今聴いても古くない。
引用:川原伸司インタビュー ① 激動の80年代!アミューズやジャニーズにまつわる制作秘話(Re:minder/2022.09.02)
https://reminder.top/748753575/
魚拓URL:https://megalodon.jp/2023-0827-1333-53/https://reminder.top:443/748753575/
古い音楽とは……新しい技術を無理に導入せず、流行を追わず、シンプルかつ歴史的に愛されてきたスタイルのことでしょうか。しかし、同じことをやるだけでは意味がありません。すぐに限界となってしまうでしょう。
例えばチャック・ベリーの「Johnny B. Goode」と同じリフ、同じコード進行で曲を作ったとしても、それはただのモノマネです。王道を換骨奪胎して自分なりの創作に昇華させることは感とはいえません。
要するに音楽を愛し、貪欲に聴きまくることが不可欠で、その経験から何かを絞り出す姿勢が必要なのでしょう。
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僕はそういった商品開発よりは技術開発みたいなこと、つまり未来を予測しながら「制作者としてこういうことができるんじゃないか」と可能性を探っていくのが好きなんですよね。それはやはりジョージ・マーティンの影響もあるかもしれない。彼はビートルズで有名になりましたけど、それ以前に実験的なコメディレコードも作っているし、クラシックや民族音楽だって手がけていますから。あとジョー・ミークという、1962年に英国のレコードとして初めて全米1位を獲得した作品を手がけたプロデューサーがいるんですが、彼も先進的なクリエイターでね。シンセサイザーがない時代に、どうやってこの音を作ったの? と思わせるサウンドづくりをしていたんです。
引用:川原伸司インタビュー ② 理想はジョージ・マーティン!音楽プロデューサーの仕事とは?(Re:minder/2022.09.03)
https://reminder.top/312733158/
魚拓URL:https://megalodon.jp/2023-0827-1433-24/https://reminder.top:443/312733158/
王道に発見をプラスさせて味付けすることで新鮮さが生まれます。王道を活かすためには、常に新しい挑戦や実験も必要ということでしょう。
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森進一さんも実は(『冬のリヴィエラ』の)録音ブースから出てきた直後は、あまりピンと来てる顔じゃなかった。でも今までにない新しいものを創るときは、たいてい違和感があるんです。むしろ、そういうときこそ大ヒットする。歌はご本人にとってもリスナーにとっても「心地よい裏切り」が大切だから。
(大滝詠一さんは)理性的かつ情熱的。革新的でありつつもかなり保守的。中森明菜さんのアルバム・タイトルじゃないけれど、まさに「アンバランス・バランス」。その振れ幅が誰よりも大きくて、相当に複雑だけど魅力的な人でした。
引用:大滝詠一が松田聖子・森進一・小林旭に書いた名曲の秘話とは? いま再び聴きたい音楽の旅Vol.4 大滝詠一 後編(GINZA/08 Aug 2023)
https://ginzamag.com/categories/column/410450
魚拓URL:https://megalodon.jp/2023-0827-1452-09/https://ginzamag.com:443/categories/column/410450
違和感こそが新しい創造のサインとはいえ、やはり違和感に不安を感じる人は多いはずです。
しかし、違和感とは馴れ合いからの気づきだと思えばいいのかもしれません。そう考えると、違和感を少しでも取り入れていくようなスタンスが重要だと思えてくるでしょう。
少しの冒険は人生の幅を広げ、自分を豊かにしてくれると考えた方がいいのでしょうね。
普遍性を活かすためには「冒険」が不可欠!
平井夏美(川原伸司)さんのインタビューを読んでいると、普遍性を活かすためには「冒険」が不可欠だということがわかります。
では、最後に「冒険」に関する名言をいくつか載せておきます。王道を学び、獣道を切り拓く人生を歩んでいきましょう!
◯ウィルファード・ピーターソン(アメリカの作家)
「ルーティンの連鎖を壊して、新しい本を読んだり、新しい場所に旅行したり、新しい友人を作ったり、新しい趣味を始めたり、新しい視点を取り入れたりして人生を新しくするときに、人は冒険の美学(the art of adventure)を実践している」
◯ウジェーヌ・イヨネスコ(劇作家)
「芸術作品は何よりも心の冒険である」
◯マーク・ジェンキンス(アーティスト)
「冒険とは道である。自決的で、自発的で、時に危険な本当の冒険は、世界との直接の出会いをあなたに強いる」
◯リチャード・オールディトン(作家)
「冒険とは、あなたに予期せぬことが起こることを可能にすることである。探検とは、あなたがこれまでにしたことのない経験をすることである」
◯ジョージ・エリオット(作家)
「冒険は人の外側にあるのではない。それは内側にある」
◯ダグラス・クープランド(小説家)
「リスクのない冒険とは、ディズニーランドである」
◯エミリー・ウィング・スミス(作家)
「一人でびしょ濡れになるのは寒い。親友と一緒にびしょ濡れになるのは冒険だ」
◯ハイメ・リン・ビーティー(女優・歌手)
「仕事はあなたの財布を満たすが、冒険はあなたの魂を満たす」
◯エックハルト・トール(作家)
「人生とは冒険であり、パッケージツアーではない」
◯ヘレン・ケラー(教育者)
「人生は大胆な冒険か、もしくはつまらないものかのどちらかだ」
◯アンドレ・ジッド(小説家)
「陸地を見失う勇気なくして、人は新しい海を発見することはできない」
◯アンジェラ・N・ブラント(作家)
「人生で最も眺めの美しい道は、あなたが意図していなかった回り道である」
◯パウロ・コエーリョ(作詞家)
「冒険における危険は、1,000日の安らぎと快適さの価値がある」
◯アウグスティヌス(神学者)
「世界は本であり、旅(冒険)をしない人々はたった1ページしか読まない」
◯キルケゴール(哲学者)
「危険を冒して進むことは不安を引き起こすが、危険を冒して進まないことは自分自身を失うことである」
◯キュリー夫人(物理学者・化学者)
「私を取り巻くものの中に活気あふれるものがあるとすれば、それは永遠に不滅な冒険精神です」
◯ジム・ロジャーズ(投資家)
「冒険しないと、つまらない人生になってしまう」
◯モンテスキュー(哲学者)
「偉大なことを成し遂げる人は、常に大胆な冒険者である」
◯植村直己(冒険家)
「冒険とは、生きて帰ることなのである」
◯マヤ・アンジェロウ(活動家・詩人)
「人生は純粋な冒険です。そのことに早く気がついた人ほど、人生を芸術のように大切にできるでしょう」
◯新田次郎(小説家)
「冒険は年齢には関係はない。冒険がない人生ほど無味乾燥なものはない」
◯芥川龍之介(小説家)
「創作は常に冒険である」
◯孫正義(実業家)
「登りたい山を決めることで、人生の半分が決まる。無謀な挑戦をしなくなる己れの老いを畏れよ」
◯安藤百福(実業家)
「創造と冒険は同じ精神の所産である」
◯リチャード・ブランソン(実業家)
「やってみなければ、結局は失敗と同じ」
◯パブロ・ピカソ(芸術家)
「冒険こそが、わたしの存在理由である」
◯萩本欽一(タレント)
「歳とるほど無謀なことをした方がいいんだ」
◯ゲーテ(詩人・劇作家)
「人生において重要なのは生きることであって、生きた結果ではない」
王道を貫きながらも、奇をてらわず、ハラハラするような時間を過ごしていきたいものです。ハラハラを不安ととるか、成長のチャンスだと受け取るか・・・結局は挑戦した方が人生のページを増やすことになるといえるでしょう。
「普遍性」と「冒険」で人生を創造していきましょう。
では!