つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。おたくのシンボル的存在として令和時代を中心に活躍した宅八郎さんが。まだ60歳前の若さでした。
【目次】本記事の内容
2020年8月11日、府中市の病院で死去
おたく評論家の宅八郎(たく はちろう)さんが2020年8月11日、東京都府中市の病院で亡くなりました。まだ57歳だったようです。原因は小脳出血でした。すでに葬儀・告別式は近親者でとりおこなわれました。
宅さんはインパクトのあるルックスと言動で話題となり、おたくのシンボル的存在でした。おもに雑誌のコラムやエッセイで活躍し、著書に『イカす!おたく天国』『処刑宣告』などがあります(リンクをクリックすると、アマゾンのページに飛びます)。
小脳出血は高血圧、もしくは小脳の腫瘍によって引き起こされます。発症年齢は50~60歳以上の高齢者が大半を占めています。初期症状は、体のバランスが悪くなり、めまいが生じ、気分が悪くなりおう吐する場合もあります。
ツイッターでも驚きと悲しむ声が続々と……
作曲家の片岡宏介氏は……
先ほど宅八郎さんの弟さんから電話があり、宅さんが8月に脳出血で亡くなられたとのこと。
一時期は一緒にバンドもやり、アイドルのリミックスも一緒にやってCD出したり、ホントに毎日のように連絡とって仲良くしてました。ここ10年くらいは疎遠になっていましたが、突然の連絡で本当に驚いています。。— 片岡宏介 / IL GATTO (@KosukeKataoka) December 3, 2020
香山リカさんは「宅八郎」になる前からの知り合いだったようです。
彼が「宅八郎」になる前からの知り合いでした。だんだん強烈なキャラから素の繊細な青年に戻る時間が減っていき、距離ができたままになってました。才人であったことは確かです。ご冥福をお祈りします。サブカル全盛の良い時代でしたね、あの頃…。 https://t.co/d3bLgVRwIq
— 香山リカ (@rkayama) December 3, 2020
プラスチックス聴いている時に訃報が届いたとツイートする劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏。
たまたまプラスチックスの79年5月12日渋谷屋根裏のライブを聴きながら仕事していたら、彼等の大ファンだったという宅八郎氏の訃報。
同じライブ会場に居合わせたことはあったと記憶するが、面識は無かった。
しかし亡くなって4ヶ月近くも経ってから報道されるとは‥‥ご冥福をお祈りします。— ケラリーノ・サンドロヴィッチ (@kerasand) December 3, 2020
宅八郎さんの芸名は、「エイトマン」の主人公・東八郎から付けられた
宅八郎さんの訃報記事で印象的な部分を共有しておきます。
「宅さんは今年5月、小脳から出血して都内の自宅で倒れ、病院に搬送された。当初は意識があり会話もできたが、6月末に再出血。その後意識が戻らないまま8月11日に息を引き取った。
肩までかかるロングヘアに銀縁メガネという特徴的なキャラクターで、日本テレビ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」など人気番組に出演。定番アイテムだった紙袋や森高千里(51)のフィギュア、マジックハンドも注目を集めた。
公表はしていなかったが、結婚もしていた」
マジックハンドを片手に「エイトマン」のコスプレ姿の宅さんが掲載されていましました。
引用:「宅八郎さん 8月に死去していた、57歳 オタク文化世に広めた評論家」(スポニチ)
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/12/05/kiji/20201205s00041000007000c.html
「兄はとにかく子どもの頃から普通と違っていましたね。僕たち兄弟は男3人で、兄は長男、僕は6歳下の末っ子。兄が高校を卒業し大学入学のために上京するまでの12年間しか一緒に暮らしていなかったんですけど、兄は高校生のときに特撮映画を8ミリで作って、僕はそれを手伝わされたりしていました。(中略)兄はテレビではオタクを演じていたんですよ。『オタクっていったい、何ものなんだ?』という時代に、それを演じて見せていたのだと思います。歌手・森高千里さんのファンというのも、本当のところではなかったと思いますよ」
引用:「急逝した「おたく評論家」宅八郎さんの実弟が明かす兄の知られざる素の姿、晩年の様子」(ENCOUNT/中野裕子)
https://encount.press/archives/116985/
「トレードマークとなっていたマジックハンドは最初から持っていたわけではない。連載『イカす!オタク天国』の担当者が、苦肉の策で持ってきた小道具だった。実際の彼はファッションにも気を遣っており、ポールスミスなどを愛用していた。つまり、あの外見は、自分のキャラクターを設定して、かなり綿密にセルフプロデュースしていたのである。
自身の原稿、仕事についてもストイックなまでに真剣な人だった。普段の原稿も、一字一句こだわりぬく。調査は徹底して行い、普通の人なら見逃すようなネタも拾ってしまう。
記憶に残っているのは、『僕はね、“ライターを使う“って編集者が大嫌いなんだよ。なんだよ“使う“って。道具じゃないんだよ。そういう言葉が、横柄な編集者の態度に繋がっていくんだよ。お前は絶対“ライターを使う“なんて言うなよ』という言葉だ」
引用:「追悼・宅八郎。元担当編集の記憶に今も残る、彼の言葉」( ハーバー・ビジネス・オンライン/高谷洋平)
https://hbol.jp/233630
「彼(宅八郎)のDJを聞いて私は驚いた。アイドル歌謡をすべて打ち込みのダンスビートにリミックしてノンストップでプレイし続けていたのだ。思えば全て宅八郎のダブ・プレートだったのだろう。彼が音楽好きだというのは噂に聞いていたけれどもここまでだとは思わなかった」
引用:「宅八郎に救われた夜 追悼:宅八郎 」(Takuma Kaga)
https://note.com/nemutai_panda/n/n9fb5135b4b06
「普段は本名の矢野守啓に戻り、宅八郎の気配を完全に消していた。おたくなのだが、おたくでない。おたくがおたくを演じきっていた。森高千里は営業上のファンであって、実際は小泉今日子の大ファンだった。」
引用:死去・宅八郎さんの素顔「森高千里は営業上のファン。実際は…」(東スポWeb)
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/2476866/
ブランディングは賢く演じることが基本
インタビューを読むと、宅さんは「オタクキャラ」で自分をブランディングしていたことが浮き彫りになってきます。
矢野守啓(やの もりひろ)さんが時代を読み、時代のニーズを分析し、時代の動向を予測し、時代が反応する言動をエスカレートさせ、「ブランドコンセプトを体現化」して賢く演じたのが、宅八郎だったわけです。
また、ネーミングも見事でした。
「エイトマン」の東八郎からとったようですが、コメディアンの東八郎さんやたこ八郎さんという売れっ子がいたこともあり、名前を覚えやすかった部分もあるでしょう。さらに「オタク」と掛け合わされているのも秀逸です。
類まれな文章力は緻密に突き詰める狂気のなせる技?
宅八郎さんの文章力に対する評価は非常に高かったです。
『【吉田豪×久田将義】オタク評論家の宅八郎さん死去』のYouTube番組では、久田将義さんも何度も「文章がうまかった」と口にしていました。
どうやら宅八郎さんはルポライター、作家で知らえる大下英治さんが好きだったようです。
大下英治さんは硬派の物書きとして知られます。少年時代に太宰治と出会い、フランス文学に傾倒し、梶山季之さんに憧れて週刊誌の記者となりました。
大下さんのエネルギーの源流は、1歳2ヶ月時に広島で遭遇した「原爆」。家族を失った悲しみと怒りが、ペンの力に対する希望と可能性を奮い立たせたようです。
その辺の詳細を知りたい方は『トップ屋魂』をご覧になってください。
宅八郎さんの文章スタイルは、どんな取材でも丁寧にインタビューを行い、取材全文をキッチリ文字起こしし、それを決められた文字数に凝縮していくスタイルだったようです。
高く評価される文章力の決め手は、緻密に突き詰める狂気的な集中力のなせる技だったといえるでしょう。
このスタイルは非常に骨の折れるやり方です。全文文字起こしというのは効率が悪いのです。しかし、全文文字起こしをすることによって取材は俯瞰され、新しい視点が生まれることも事実です。
これをストイックに実行していたとするならば、素晴らしいの一言に尽きます。
宅八郎さんが低迷の一途を辿ってしまった理由は?
「吉田豪×久田将義」のYouTube番組では、リアルな宅八郎さんの低迷していった理由も話されていました。
その原因は……
ズバリ!
……厄介な人間性にありました。
久田将義さんは「上下関係を嫌っていたにもかかわらず、自分がもっともフラットに付き合えない人だった」と語り、吉田豪さんは「復讐がテーマになった」と続けます。
当時、ブイブイいわせていた小林よしのりさんや『週刊プレイボーイ』の小峰さんとの対決ならば笑えたわけですが、それが一般人にまで飛び火し、最後は誰もが厄介だと感じて近寄れなくなったようです。
孤立無援となり、絶望し、復讐の炎を燃やし続けることで、結局は自分を追い込んでいってしまったのかもしれません。
相手に対する印象を意識しすぎることは、「媚び」とは違います。
しかし、復讐がテーマとなった宅八郎さんにとっては、友好関係を築くこと自体が許せない行為と思考するようになってしまったのでしょう。
「人を呪わば穴二つ」という言葉があります。
相手への復讐心は、自分の墓穴を掘ることにもなるので要注意ですね。
「他山の石(たざんのいし)」としてさせていただきます。
ご冥福をお祈りいたします・・・。
では!
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