つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
気になった謝罪文の実例を収集してアーカイブしている記事です。謝罪するようなことが起きないことに越したことはありませんが、もしご自身や仲間に何かが起きた時に参考にしていただければ。
【目次】本記事の内容
突然の「かっぱ寿司」社長らの逮捕! 理由は秘密不正入手!?
回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトの田辺公己社長(46)と同社幹部、競合他社の元部下の計3人が近く逮捕される模様です。
本日は2022/09/30の朝ですが、本日中にも警視庁は動くことでしょう。
第一報は共同通信からのリリースによるものです。
田辺社長は以前、同業の「はま寿司」の取締役を務めていた。捜査関係者によると、カッパ・クリエイトに移る2020年11月前後に、はま寿司の営業秘密を不正に取得した疑いが持たれている。カッパ・クリエイトは昨年7月、田辺社長が、はま寿司から告訴されたと発表した。
引用:「かっぱ寿司」社長ら逮捕へ はま寿司の秘密不正入手の疑い(東京新聞/2022年9月30日 01時46分)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/205508
魚拓URL:https://archive.ph/9v6Zd
ああ、なるほど。すでに2021年7月に告訴されていたのですね。
ということは田辺社長もすでに覚悟していたことでしょう。
調べてみると、告訴された時点でのお詫び文を見つけましたので、まずはそれを紹介しておきます。
これです(クリックすると画像が拡大されます)。
引用:当社役員に対する競合会社からの告訴について(カッパ・クリエイト/2021 年 7 月 5 日)
http://www.kappa-create.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/07/%E5%BD%93%E7%A4%BE%E5%BD%B9%E5%93%A1%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E7%AB%B6%E5%90%88%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%91%8A%E8%A8%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6_20210705.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/W8EEw
念のため文章を残しておきます。
2021 年 7 月 5 日
各 位
会 社 名 カ ッ パ ・ ク リ エ イ ト 株 式 会 社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 田 邊 公 己
( コ ー ド 番 号 7 4 2 1 東 証 1 部 )
問 合 せ 先 執行役員戦略本部長 石 垣 利 彦
( T E L 0 4 5 – 2 2 4 – 7 0 9 5 )
当社役員に対する競合会社からの告訴について
当社の代表取締役個人(以下「対象者」といいます)に対して、株式会社はま寿司(以下「同社」といいます)より不正競争防止法に纏わる告訴がなされ、当該告訴に基づき、本年 6 月 28 日、関係当局による捜査が行われました。
これを受け、当社として事実関係の把握に努めた結果、本事案の内容は、対象者が同社親会社を退職後、当社顧問となった 2020 年 11 月から 12 月中旬の期間において、元同僚より、同社内で共有されていた「はま寿司」の日次売上データ等を数回に亘って個人的に送付を受けていたというものです。
同社及び関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げますと共に、当社におきましては、関係当局の捜査に全面的に協力し、その進展を踏まえた上で、対象者への処分等に関しましても厳正に対処してまいります。
また、本事案を踏まえ、関係法令に対する正確な理解と運用を担保すべく、当社役職員に対するコンプライアンス教育の一層の強化に努めてまいる所存です。
以 上
要するに「はま寿司」による「かっぱ寿司」追い落とし狙い
これは間違いなく逮捕からの処罰となるパターンですね。
刑事告訴とは、被害者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、加害者への処罰意思があるという意思表示を示すことです。
告訴されたあとの流れは、「警察が告訴を受理→捜査開始→容疑者逮捕→勾留・取り調べ→起訴か不起訴の判断→起訴された場合は裁判」という流れとなります。
今回は2021年7月の告訴から1年以上を経ての逮捕ですので、田辺社長も観念しているかもしれません。少なくとも青天の霹靂という感覚ではないはずです。
◯「不正競争防止法違反」とは、どんなもの?
不正競争防止とは、企業間で健全な競争が維持されることを目的にした法律です。具体的には競合他社の真似をしたり、営業秘密を取得するなどといったことが該当します。
違反した者は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処するとされています。罪が重い場合は10年以下の懲役又は2000万円以下の刑が課せられます。また、法人に対しては億単位の罰金となっています。
◯コロナ禍で赤字が続いていた「かっぱ寿司」は絶体絶命か……
「かっぱ寿司」はコロナ禍では一人負け状態で回転寿司の地位が下がり続けています。そこにきての今回の逮捕のイメージダウンは、さらなる追い打ちとなりそうです。
警視庁が逮捕状を取り、30日にも逮捕か
警視庁が逮捕状を取得したとの報道を受け、カッパ・クリエイトが謝罪しました。捜査関係者によると、警視庁は今日にも逮捕する方針だそうです。
かっぱ寿司運営 カッパ・クリエイト 田辺公己社長(今年2月)
「(Q.データは何のために受け取っていた?)この件はインタビューにお答えできないので、いまちょうどやっている最中なので、捜査されている最中なので。(Q.業界の低迷で焦りがあったのか?)すみません」
引用:「かっぱ寿司」の社長らに逮捕状 「はま寿司」から仕入れ価格データなど営業秘密を不正持ち出しか(TBS NWES DIG/2022年9月30日(金) 11:44)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/167158?display=1
魚拓URL:https://archive.ph/A8NEM
こちらがカッパ・クリエイト社による謝罪文です(クリックすると画像が拡大されます)。
引用:本日の一部報道について(カッパ・クリエイト/2022 年 9 月 30 日)
http://www.kappa-create.co.jp/blog/wp-content/uploads/2022/09/%E4%B8%80%E9%83%A8%E5%A0%B1%E9%81%93%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6_220930.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/2xEDM
念のため文章を残しておきます。
2022 年9月 30 日
各 位
会 社 名 カ ッ パ ・ ク リ エ イ ト 株 式 会 社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 田 邊 公 己
( コ ー ド 番 号 7 4 2 1 東 証 プ ラ イ ム )
問 合 せ 先 取締役経営戦略本部長 久 保 田 令
( T E L 0 4 5 - 2 2 4 – 7 0 9 5 )
本日の一部報道について
本日、一部報道機関より、当社代表取締役社長及び当社幹部に対して、警視庁が不正競争防止法違反の疑いで逮捕する方針であるとの報道がありました。関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしていることに深くお詫び申し上げます。当社は報道については認識しておりますが、現在事実確認を行っているところであります。
今後、公表すべき内容が発生した場合には速やかに開示致します。
以 上
ちなみに世間では今回の社長逮捕に対しての声はどのようなものが多いのか調べてみました。
かっぱ寿司社長の秘密不正入手での逮捕に対する声
Yahoo!ニュースにあがっている声をピックアップしました。
<告訴から逮捕までの長い時間に疑問の声も>
・長い時間を要したのは何故でしょうか。コロナ禍で時間がかかったことも背景の一つではないかと思いますが、他に何か特別な事情があったのでしょうか?
・告訴後も1年以上も社長の位置にいられたのはなぜだったんだろう。データの取得が不正競争防止法に抵触するものではないと判断したのだろうか?
・現社長が逮捕とか、企業価値をとことん損なうのに初期報道からこれまで取締役会とか株主総会とかで一身上の都合とか体調〜とかで辞任させなかった事の方が驚きです
・今の「そろそろかっぱ」は意味分からないし、何の意欲も起きない。逆にこの不祥事があっても、美味しければ取り返すことはできると思う
・カッパは他店舗に比べてそこまで美味しくない上に(不味いわけではない)シャリが大きめだったり、魅力的な売りが無いと感じた。客が感じる違和感は本部に問題があるからだ
・かっぱ寿司は、一昔前までは結構店舗数も多く、家の近くでも数店舗あったが全て撤退した。競争が激しく大変なんだろうが、今回の事件で評判は更に落ち、結局倒産に追い込まれるかも知れない。レーンに流れていた乾燥したネタを、水で濡らしたハケで戻しているのを見たことがあり、それ以来行くのをやめた
・もっと真剣に対策すれば、名前もブランドもあるかっぱ寿司なら経営を立て直すのは難しくないと思うけどな。ファンや働いている人も多いと思うから、頑張ってほしい
・うちの近くのカッパは回らなくなりました
・行列が儲かるとも限らない。現実100円じゃもう材料、光熱 、店舗コストで採算取れない。玉子かイカくらいか
・特に競争が激しい業界は優先しなければならないインテグリティーやコンプライアンスが疎かにならないよう注意しなければならないはず
・どこかと統合か今の親会社からは完全に離れて違う企業傘下で出直すべき
・上を目指そうとすると頑張り過ぎて、無理な事をやって、結局はしくじることになるので。現状維持に努力する企業があっても良い
・市場環境が刻々と変化する中で現状維持の努力で維持できるほど甘くないでしょう。どの企業も上を目指した結果の現状維持だと思います
・はま寿司が被害届を出してからかなりの月日が経過しているが、カッパ・クリエイトが事実関係を確認中ってコメントはどうなんだろうと思う。捜査を受けているのでコメントは差し控えさせてくださいで良い
・競合他社の情報取得。転職とかで競合他社の技術や情報を転職先で使うとか独立した方が以前の情報で商売して顧客を奪ったり、こんな事どこの会社(人)もやってる。そう思っている方はそれが不正なのを理解し犯罪者にならないように。不正競争防止法は本当は重い罪なんですよ
・フィクションだとライバル企業の情報を手土産(交換条件)に社長就任とかが良くあるストーリーじゃない?
・情報を持って他社に鞍替えなんて普通にやってることと云うか、転職者はそれを期待されてる面も多々あるが、名のある会社の経営者クラスがそれやっちゃうのはさすがに朴訥すぎる
・同業種に転職した場合は常にこういったリスクがあるよな。転職した本人自身が罪の意識なく前の職場のデータ持ち込んだりすることは普通にありそうだ
・この社長さんがヘッドハントされたのも、手腕もあるだろうが、当時の取締役という立場が持っている情報が欲しかったことは間違いないだろうな
・他店の売上データなんか入手しても、自分のところが売れるようには、簡単にはできないと思う
・正々堂々と戦えない人をよくも社長に任命したな。企業の体質を疑う
コメントにもありましたが、告訴からこれだけ時間がかかったことが不思議です。会社は告訴された社長を処分することは考えなかったのでしょうか。処分すると、逆に犯罪を認めたことになるとでも考えたのでしょうか。
不正競争防止法違反は解釈がいろいろある?
不正競争防止法違反というのがイマイチ理解できていないので、あらためて調べてみました。
「改正不正競争防止法参考事例集」というものが経済産業省から出ていますので、その一例を紹介します。
<改正不正競争防止法参考事例 これは不正? それともセーフ?>
事例1:フリーのジャーナリストAは、関係者以外の立ち入りが制限されている製薬会社Bの研究施設に許可なく侵入し、新薬開発スケジュールが記載された文書をデジタルカメラで撮影したところ、守衛に取り押さえられ、守衛によってデジタルカメラの画像は消去された。
事例2:Aは化学薬品会社Bの本社ビルの受付嬢であるが、訪問者用IDカードの発行ができる立場を利用して、入室が管理されている本社の知的財産権管理部門に入室できるIDカードを使って同部門に入室した。そして、書類棚からある化学製品の製造ノウハウが記載された文書を探しだし、その概要を記憶したうえで、当該文書は元の場所に戻しておいた。
事例3:Aは輸送機械製造会社Bの研究員であり、勤務中にB社が秘密として管理しているエンジンの開発ノウハウを学んだが、上司と折り合いが悪かったため、競業する輸送機械製造会社Cに転職した。AはC社において、B社で身につけたエンジン開発ノウハウを活用して、エンジニアとして活躍した。
事例4:AはディスカウントストアBの販売員であるが、休憩室においてあった施錠されていない書類棚に仕入先リストが保管されているのを見つけ、店に備え付けのコピー機でコピーを取ったうえ、リストの原本は元のところに戻しておいた。Aはその後Bを退社して独自にディスカウントストアCを開業し、当該仕入先リストのコピーを活用して大繁盛した。
答えは下記の「改正不正競争防止法参考事例集(経済産業省)」をご確認ください。さらに補足として「不正競争防止法の概要(経済産業省 知的財産政策室)」もリンクしておきます。
参考:
・改正不正競争防止法参考事例集(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/03kaisei-2.pdf
・不正競争防止法の概要(経済産業省 知的財産政策室)
https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/document/chizai_setumeikai_jitsumu/30_text.pdf
つぎは起訴ということでしょう。裁判になったとしても時間がかかりそうですね。
明らかになってきた「かっぱ寿司」社長の不正取得したデータ内容
「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」社長の田辺公己容疑者の取得したデータ内容などが徐々に明らかになってきました。
田辺容疑者が持ち込んだこのデータ(すしの原価など)をもとに、カッパ社は、はま寿司と自社の商品原価などを比較する表を作成し、複数の経営幹部らの間で資料を共有していたという。
引用:「かっぱ寿司」社長、「はま寿司」の営業秘密を表にまとめ幹部で共有か (読売新聞/ 2022/10/01 15:00)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221001-OYT1T50150/
魚拓URL:https://archive.ph/tXiZN
データの持ち出しに対する声
Yahoo!ニュースにあがっている声をピックアップしました。
<データの持ち出しに対する一般の声>
・正規の権限を持つ内部不正対策は非常に難しい問題です。監査ログを取れるなど、他企業も他人事と考えず今回の事件を教訓に機密データの保護と監視の仕組みを改善する必要があるでしょう
・ライバル社の営業秘密や内部事情を知る立場にある取締役を引き抜く事じたいをルール違反として禁止しない事には、こうした問題は何処にでもあるのでは
・データが転送されないように制御したとしても、パソコンの画面を撮影したりメモを取ったりすることもできる。アクセス権のある人物が競合に転職した時点で企業秘密の流出は避けられない
・北米にいたけど、人の移動が激しいから、担当者が移動すれば、大なり小なり情報はながれている。引き抜かれた方としては、なにか成果を見せたいというところでしょう
・ライバル店を蹴落として儲けようとしても、同じように蹴落とされることもあるわけで
もっと違う目線にたって経営を考えないとただの陣取り合戦。この店にしか無いものを考えていくしかないように思うな
・このような悪質な事例を防止するには、不正競争防止法の定める懲役及び罰金刑のうちの懲役を実刑で課す必要があると思う。和牛の精子を持ち出そうとして捕まった人が、厳重注意で終わったとの事件があったと思うが、被害者や国が被る損失の大きさの認定が甘すぎる。実刑しかない
・密を漏洩させられた企業としてはもちろん大問題であると理解するが、転職も当たり前の昨今においては、ある程度の前職の「データ・ノウハウ・人脈」などの流出は覚悟しないといけない
・この社長は多分使えない人だと思う。経営者として必要なのは人脈と手腕であって、必ずしもデータを持ってくる事ではない。社長としての力量に自信無いからこんな事しか出来なかったらんじゃないかな?
・企業における本当のコンプライアンス違反は管理職、経営陣に多い。今回もそうである
・引き抜きとは、その方の手腕以上にこのようなおまけを持ってきてくれる意図が見え隠れしている
・待遇や環境がわるいから転職をする
・「在宅時に自宅に持ち帰った資料を転職後に見つけてつい利用してしまった」とかでなく、転職の際に明確に機密データを持ち出して悪用する気満々の確信犯ですね。非常にタチが悪い。データを共有された経営幹部達からも「このデータはまずいんじゃないの」という意見も無く利用していたのであれば経営層として持っているべき遵法意識が全くないと言っても良いと思う
・今回は物証があったから事件になったけど物証を介さず情報を得る方法などいくらでもある
・終身雇用が希薄化してる現状考えると厳罰化しなきゃいけない案件ではある
・よその店のしかも後から参入した所のデータを盗むぐらいなら、まだ100円寿司で一人勝ちしてた時代からもっと努力してくれたら良かったのに
・そんなやり方は根本的解決にはならない
・意欲、野心、負けん気が有ればこそ、目標に向け奮闘できるが、部下だって、馬鹿じゃない、おかしい、と察すれば離反する
・サービス業、飲食業ってそういうイメージ大事だよね。かっぱ寿司を応援してただけに残念だよ
・はま寿司なんてゼンショーの社内ベンチャーで創業してから20年も経ってなく、カッパの方が歴史がある。カッパには伝統的なノウハウとかプライド、自分達で考えて立て直すといった発想が全くない。まあ3回もオーナーチェンジしてる会社だから側だけ残ってるだけで、生え抜きで中から変えれる人が残ってないんだろうね
・建設材料のコストや、家電製品の仕入れ値、薬品類の原価など、様々な業種でも恐らく既に起きている事でしょう
・データの持ち出しはもちろん違法だろうけど、頭に入っている原価や取引業者との付き合い、ノウハウはどうなるんだ?
他社の原価情報などは気になるところですが、金額ばかりにこだわりすぎると必ず足元をすくわれてしまいますよね。
カッパ・クリエイトはデータ持ち込みの依頼はしていないと釈明
カッパ・クリエイト社長の田辺公己容疑者の逮捕後の流れを簡単にまとめておきます。
今度は田辺公己容疑者ではなく、カッパ・クリエイト社のターンです。とくに10月3日はカッパ・クリエイト社にとっては “ もっとも熱い日 ” になりました。
カッパ・クリエイト社の書類送検、新しい代表取締役社長の発表、記者会見が続きましたので、その記録を残しておきます。
まずは書類送検に関してです。
内容はこちらです(クリックすると画像が拡大されます)。
引用:当社の書類送検について(カッパ・クリエイト/2022 年 10 月3日)
http://www.kappa-create.co.jp/blog/wp-content/uploads/2022/10/%E5%BD%93%E7%A4%BE%E3%81%AE%E6%9B%B8%E9%A1%9E%E9%80%81%E6%A4%9C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/byBxY
念のため文章を残しておきます。
2022 年 10 月3日
各 位
会 社 名 カ ッ パ ・ ク リ エ イ ト 株 式 会 社
( コ ー ド 番 号 7 4 2 1 東 証 プ ラ イ ム )
問 合 せ 先 取締役経営戦略本部長 久 保 田 令
( T E L 0 4 5 - 2 2 4 – 7 0 9 5 )
当社の書類送検について
当社は、2022 年9月 30 日に不正競争防止法違反の疑いがあるとして当社役職員2名が逮捕
されたことを受け、昨日、同法の両罰規定に基づき東京地方検察庁に書類送検されました。この度の事態により関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
当社といたしましては、引き続き、事案の解明に向けて関係当局による捜査に全面的に応じ
ると共に、役職員に対するコンプライアンス教育を継続不断の取組みとして徹底・強化していくこと等により再発防止に努めてまいる所存です。
以 上
そして、続けて代表取締役の異動を発表しました。
内容はこちらです(クリックすると画像が拡大されます)。
引用:代表取締役の異動に関するお知らせ(カッパ・クリエイト/2022 年 10 月3日)
http://www.kappa-create.co.jp/blog/wp-content/uploads/2022/10/%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E5%8F%96%E7%B7%A0%E5%BD%B9%E3%81%AE%E7%95%B0%E5%8B%95%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B.pdf
魚拓URL:https://archive.ph/r4Wsl
念のため文章を残しておきます。
2022 年 10 月3日
各 位
会 社 名 カ ッ パ ・ ク リ エ イ ト 株 式 会 社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 山 角 豪
( コ ー ド 番 号 7 4 2 1 東 証 プ ラ イ ム )
問 合 せ 先 取締役経営戦略本部長 久 保 田 令
( T E L 0 4 5 - 2 2 4 – 7 0 9 5 )
代表取締役の異動に関するお知らせ
当社は、前代表取締役である田邊公己氏より、本日付で代表取締役社長及び取締役を辞したい旨の申し出がありましたことから、本日開催の取締役会において、後記の通り代表取締役の異動を決議しましたので、お知らせ致します。
記
1. 異動の理由
前代表取締役本人より、不正競争防止法違反による逮捕勾留されたことを理由として上記辞任の申し出がありましたことから、取締役会においてこれを受理することと致しました。
本事案に関しましては、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。
また、当社と致しましては、引き続き捜査に全面的に協力してまいりますと共に、この度の事態を重く受け止め、既に実施しております当社役職員に対するコンプライアンス教育を継続不断の取り組みとして徹底・強化していくこと等を通じて再発防止に努めてまいる所存です。
2. 選任の理由
現在当社の業務執行は、取締役の山角豪(以下「山角」)以外の取締役(監査等委員を除く)と本部長で行っており、その業務執行体制を崩さないこと、またフードビジネスとリスクマネジメントの両面でのスキルを持つ山角が、経営の方向性に集中する体制で会社運営を行うことが最善と、指名報酬委員会及び取締役会において判断を致しました。
山角は、株式会社アトム(以下「アトム社」)の代表取締役との兼任状況になりますが、今回の就任は緊急的なもので、役割責務を適正に遂行する必要となる時間・労力を確保する合理的な範囲であると考えられることから、当社業務執行に支障が無いと判断しております。また、代表取締役として幅広く業務全般を管理・監督し、これまでのフードビジネスにおける知見を生かし、当社の業績向上に取組むとともに、リスク管理体制を更に強化してまいります。
3. 異動の内容
氏名 現役職名 新役職 名
やまかど つよし
山角 豪
取締役
代表取締役社長
たなべ こうき
田邊 公己
代表取締役社長
(退任)
(注)田邊 公己におきましては、取締役も退任します。
4.異動日
2022 年 10 月3日
5.新たに就任する代表取締役の略歴
山角 豪(1978 年8月 23 日生)
略 歴 所 有 株 式 数 -株
2000年5月 株式会社すかいらーく(現 株式会社すかいらーくホールディングス)入社
2015年6月 同社 店舗開発政策グループ ディレクター
2017年5月 ニラックス株式会社 取締役
2018年1月 株式会社ダイナミクス入社 CSO(経営企画室長)
2018年6月 株式会社シュゼット入社 外販営業部長兼カサネオ営業部長
2020年5月 株式会社アトム入社 顧問
2020年6月 同社 代表取締役社長(現任)
2022年6月 当社 取締役
以 上
・ ・ ・
この流れを受けて、後任の山角豪代表取締役社長が緊急記者会見を開き、前社長の行為を説明してお詫びしました。
田邊容疑者は内部調査に対し「前職在職中の2020年8月中旬頃、当時担当していた海外寿司事業で活用するため、競合会社の社員に対して職務としてデータの送付を依頼し、自らの業務用PCに保存した」と説明。
退職の際に当時の部下に依頼してPC内の資料をUSBメモリで受け取り、カッパ社顧問に就任した2020年11月当時、メニュー原価表や仕入先データを元に商品企画部長の大友英昭容疑者に商品原価の比較表の作成を指示。作成した比較表は田邊容疑者にメールで送付し、当時の上司である本部長と部下1名にCCで共有された。田邊容疑者は「不正競争防止法については理解がなく、非常に軽率であった」と弁明したという。
引用:「かっぱ寿司」運営会社「営業秘密の持ち込み二度と起こさない」新社長が事件の経緯説明(TOKYO HEADLINE/2022.10.03)
https://www.tokyoheadline.com/651662/
魚拓URL:https://archive.ph/yaFfM
◯カッパ・クリエイトが示した再発防止
会見ではすぐに再発防止策を提示。この辺の素早い対応は見習うところがあります。
カッパ・クリエイトが示した再発防止策
1. 不正競争防止法に関する理解の徹底及び営業秘密管理の徹底
・専門家による営業秘密に特化した研修及び誓約書の提出
・秘密情報区分の制定及び資料への明記による管理意識の浸透
・USB等の外部記録媒体の原則使用禁止
・入社時誓約書を通じた営業秘密持込禁止(既存社員全員についても誓約書取得)
2. コンプライアンス教育の推進
・従来実施しているコンプライアンス研修に加え、本社系・店舗系各々で関連する法令研修を追加し、遵法意識の醸成・定着を強化する。
・採用教育部における研修体制・運用状況に対し、グループコンプライアンス統括室によるモニタリングを実施し、コンプライアンス研修の実施状況を担保する。
引用:かっぱ寿司社長、辞任。新社長が会見「不正競争防止法に対する認識の不足があったのでは」(グルメWatch/2022年10月3日 18:28)
https://gourmet.watch.impress.co.jp/docs/news/1444507.html
魚拓URL:https://archive.ph/2fBja
記者会見は一つの区切りですが、今後は司法へと場を移して真実究明が行われることが予想されます。かっぱ寿司の試練はまだまだ続きそうです。
かっぱ寿司事件がヤバすぎる! 転職での情報持ち出しの危険性
かっぱ寿司の情報持ち出しについて田辺容疑者の大きな4つの失敗について分析した記事がありましたので、紹介しておきます。
<田辺容疑者の大きな4つの失敗>
・重要情報を社内のシステムからデータとしてダウンロードしようとした
※今どきのある程度以上の規模の会社では、社内のシステムでデータがどのように動いているかは「全て」記録されている。
・元部下を協力者として使った
※部下に限らず、他人の協力を仰いだ。
・USBメモリーにデータを保存した
※動かぬ物的証拠を残した。
・資料を社内で複数の部下と「共有」した
※部下の中には、新社長に対する忠義よりも社会一般のビジネス倫理を重視する人がいる可能性がある。
引用:かっぱ寿司事件4つのヤバさと、転職・情報持ち出しの現代的教訓(DIAMOND online/2022.10.12 4:30)
https://diamond.jp/articles/-/311098
魚拓URL:https://archive.ph/wIyfW
記事を書かれたのは、経済評論家であり、楽天証券経済研究所客員研究員も務めている山崎 元さんという方ですが、田辺容疑者のミスを記事にするのは今後の手口の巧妙化を後押しするような気もしました。
いずれにしても自分のいる環境での情報がいかに重要ではないことばかりというのがわかります(汗)。
情報の不正開示では「懲役刑」が科されることもある
実際、今回の流れから察するし、田辺容疑者が無罪になる可能性は低そうな気がします。では、どのような刑を言い渡されるのでしょう。もしかすると最悪、「懲役刑」が科されることもありそうな気配です。
刑事事件には、会社の執行役員や事業本部長などの重職を務めた経歴を有していた被告人が、その子会社に在籍中、営業秘密を領得し、競合他社に就職後、これを開示したという事案において、懲役2年6月および罰金120万円(執行猶予3年)を言い渡した事案もあります(名古屋高裁令和3年4月13日判決)。
仮に、田辺氏に対する被疑事実が認められる場合は、同種の事案のように、懲役刑が言い渡される可能性があるほか、逮捕されたカッパ社の従業員との関係では、カッパ社が両罰規定により罰金刑を受ける可能性もあります。
引用:営業秘密を不正取得「かっぱ寿司」元社長、今後の責任追及どうなる? はま寿司から賠償請求される可能性も(弁護士ドットコム ニュース/2022年10月14日 09時51分)
https://www.bengo4.com/c_18/n_15110/
魚拓URL:https://archive.ph/6jwq9
◯不正競争防止法とはどんなものなのか?
今回の事件は、不正競争防止法によって裁かれていきます。不正競争防止は平成16年1月1日より施行されたものです。
「不正競争によって営業上の利益を侵害され、または侵害されるおそれがある者に対し、 不正競争の防止・予防請求権を付与することにより、不正競争の防止を図るとともに、 その営業上の利益を侵害された者の損害賠償、差止請求、刑事罰などを整備することによって、 事業者間の公正な競争を確保すること」を目的としています。
詳細に関しては、下記の参考ページ(経済産業省ほか)をご覧になってください。
<不正競争防止法について>
・不正競争防止法(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/
・不正競争防止法の概要(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/unfaircompetition_new.html
・不正競争防止法のこれまでの改正について(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/kaisei_archive.html
・不正競争防止法(e-Gov法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=405AC0000000047
・不正競争防止法とは? 基本を分かりやすく解説!(契約 Watch!)
https://keiyaku-watch.jp/media/kisochishiki/fuseikyousouboushi
裁判で明らかになった田邊公己被告が企業秘密を提供した理由
2023年2月1日、東京地方裁判所で「かっぱ寿司」の運営会社「カッパ・クリエイト」の前社長、田邊公己被告の裁判が行われました。裁判の内容は古巣のはま寿司の営業秘密を転職先のカッパ社の業務で使用したとして不正競争防止法違反罪で起訴されたものです。
公判ではゼンショー創業者の小川賢太郎代表取締役社長兼会長との良好とはいえなかった関係も明らかになりました。
田邊被告は、ゼンショーからカッパ社への転職を決めた経緯に、ゼンショーの小川一政副社長(45才)との軋轢があったことを暴露した。
「小川副社長から理不尽な難癖をつけられた。『この会社で今後やっていくなら言うことを聞け、できないなら未来はない』と言われました」(田邊被告)
小川副社長は、小川会長の長男である。32才の若さで取締役に就任した彼は、明言こそされていないものの、小川会長の後継者と目されている。田邊被告は“次期社長”から「未来はない」と宣言されたと受け止めたのかもしれない。実際、彼は法廷でも「小川会長の長男の方に嫌われ、この会社では未来がないと思い転職しました」と語っていた。
引用:はま寿司の営業秘密を盗んだ「かっぱ寿司」前社長 法廷で告白「マウントをとる意味でデータを送った」(NEWSポストセブン/2023.03.06 07:00 )
https://www.news-postseven.com/archives/20230306_1845975.html/2
魚拓URL:https://archive.md/uSqce
一方的な証言ではありますが、かねてから印象が良くないゼンショーです。それなりに説得力を感じさせる理由ですね。
しかし、裁判は裏付けがないとどうしようもありません。今後、田邊被告の動機を裏付けるような激しいパワハラの証拠などは出てくるのでしょうか。それが出せないとなると、かなり厳しい状況に追い込まれかねません。
裁判はしばらく続くでしょうが、最終的にはどのような判決が出るでしょうか。トカゲのしっぽ切りとして田邊被告がすべての罪を背負わされて終わってしまうのでしょうか。
また何か新しい情報、参考になる記事を見つけましたら追記します。
では!
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