つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。
2023年7月15日、両親の自殺を手助けした歌舞伎俳優の四代目市川猿之助容疑者の本名は「喜熨斗孝彦(きのし たかひこ)」だそうです。とても珍しい名前ですが、どこに縁のある名字なのでしょうか。日本なのでしょうか? それとも……。
【目次】本記事の内容
「喜熨斗(きのし)」という名字は、どこに縁がある?
「喜熨斗(きのし)」という名字は、現時点で大阪府に10名ほど存在します。奈良県に縁のある姓とされています。
「熨斗(のし)」という名字と関連性がある
「喜熨斗(きのし)」という名字は、「熨斗(のし)」という名字と関連性があります。たしかに『熨斗』に『喜』が付いているだけです。ちょっとだけランクが上がった印象になりますね。
いつの時代からあるの?
「喜熨斗(きのし)」という名字は、明治時代に新しく生まれた姓のようです。江戸時代が発祥とされる歌舞伎ですが、その文化の流れの中で新しく幸福や繁栄などの意味を持った「縁起のいい印象」の姓が作られた可能性があります。
「喜熨斗(きのし)」という名字に関する情報は意外なほど少ないですね。もっといろいろと情報はあると思うのですが……自分のネット検索力の限界を感じてしまいます。
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ここまではネットの「喜熨斗(きのし)」関連の情報ですが、ここからは私の推測です。下記の推測はネットでは見つからなかったので、同じことを書かれている人は私の記事のパクリの可能性があります。
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実際にこんなことは思ってません(苦笑)。知識は共有されるべきですから。とはいえ、こういう掘り下げをするライターさんってほとんどいないですよね。
編集者である私が最近のライターさんを信用しないのは、こういった理由からです。
昔のライターさんはわからないことがあると国会図書館に行ってでも調べる人は少なくありませんでした。
いまは無理ですね。なにせ報酬が少なすぎます。だから文化が廃れていくわけです。
そんなわけで、いい編集者を探しているなら、ぜひお声がけしてくださいね(笑)。
いや、冗談はともかく!
あくまで私の推測なので、異論がある方の声の方が嬉しいです。この内容を転載する人は気をつけてください。もしかして間違った情報を広げる可能性もあります。
では、本番。
名字が三文字という意味
そもそも歌舞伎は、縁起を重んじていることで知られています。
たとえば演目は「三文字・五文字・七文字などの奇数で統一」されています。
奇数は『陽』の数だからです。
「金一封」の金額も奇数だったりしますが、これは縁起のいい数字の名残です。
そこで『熨斗』に『喜』をつけた三文字にしたと推測されます。
『喜』という縁起のいい言葉と歌舞伎文化
江戸時代の歌舞伎では、演目の間に「大切り」と呼ばれる踊りが上演されたそうです。この「大切り」は江戸時代末期には「大喜利」「大喜利所作事」などと呼ばれるようになりました。
「切」は縁起の悪い言葉ですので、「喜」に変えられたわけです。
落語などで一般的に使われている「大喜利」とは、歌舞伎発祥だったわけです。
きっと「喜」という言葉は、歌舞伎の世界では特別な言葉だったと推測されます。
こんなことから「喜熨斗(きのし)」という名字が作られたのではないでしょうか。
「喜熨斗(きのし)」が「切熨斗(きのし)」となった……
歌舞伎の「大切り」というのは、演目の終わりを示す役割もあったわけですが、今回の四代目市川猿之助さんの行動は、「喜熨斗(きのし)」を「切熨斗(きのし)」に戻す行為であり、「喜熨斗(きのし)」終わりを示すこととなってしまいました。
残念ですね。
では!