【基礎免疫という医学用語はある？】新語？　造語？　昔からある言葉？

つなワタリ＠捨て身の「プロ無謀家」（@27watari）です。

 

東京都医師会副会長である「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が12月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルスを予防するワクチンの効果について解説しました。解説に登場した「基礎免疫」という言葉が勝手に付けられた新語・造語の類だと一部で批判されています。はたして「基礎免疫」はいい加減な言葉なのでしょうか？

 

 

3回目の接種で「基礎免疫」がつくので、免疫力が高まる!?

猪口正孝氏は放送で3回の摂取で担保される「基礎免疫」の重要性を話されていました。

 

 

さて、ワクチンで「基礎免疫」が高まるかどうかを深堀りするのが今回の目的ではありません。今回は「基礎免疫」が新語・造語の類だと一部で批判されていることだけに焦点を絞ります。

 

 

 

「基礎免疫」という言葉は、あるのか？　ないのか？

結論から言いますと、「基礎免疫」をググっても、トップページには表示されません。

 

シンプルな言葉にもかかわらず、まったく言葉が見当たりません。

 

「免疫の種類」「基礎免疫とは」などと検索しても、自然免疫や獲得免疫という言葉は出てきますが、「基礎免疫」は出てきません。

 

 

・・・不思議です。

 

 

こういったことから「基礎免疫」が新語・造語の類だと批判されているのでしょう。

 

たしかにそう思うのは当然かもしれません。

 

しかし、検索に出てこないからといって決めつける脳死モードにはなりたくありません。そこで少しだけ深堀りしてみました。

 

 

 

「基礎免疫」とは最低限の感染予防ラインのこと？

調べるとツイッターなどでも出てきますが、実際に調べてみると、「基礎免疫」という言葉は『国際協力機構（ JICA ）』の資料に登場します。

 

こちらです（クリックすると、画像は拡大されます）。

 

引用：基礎免疫、追加接種の目安（国際協力機構／2022.04 改訂）
https://www.jica.go.jp/volunteer/qualifier/document/04-3-08.pdf
魚拓URL：https://archive.md/6PJpU

 

発展途上国へ人材を派遣することが多い国際協力機構では予防接種について詳細な案内資料を作っています（予防接種のご案内：https://www.jica.go.jp/volunteer/qualifier/document/04-3-01.pdf）。そこには「基礎免疫」という言葉が出てきません。

 

どうやら「基礎免疫」という言葉は正式な医学用語ではないようですが、＜自然免疫や予防注射による獲得免疫によって得られる最低限の感染予防ライン＞といったニュアンスで使われることがあるということなのでしょうか。

 

医療関係者の日常では頻繁に使われる言葉なのかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか。

 

 

◯基礎免疫学というジャンルはあるが……

調べてみると、基礎免疫学というジャンルはあるようです。しかし、これは「免疫学の基本的なエッセンスを学ぶ」というニュアンスのようです。ちょっと毛色が違いましたね。

 

 

◯厚生労働省検疫所サイトで「基礎免疫」という言葉を発見

さらに調べてみると、「厚生労働省検疫所 FORTH」サイトで見つかりました。

 

こちらです。

 

 

なぜ日本脳炎の部分だけ「基礎免疫」という言葉が使われているのでしょうか。気になりますね。

 

実際、厚生労働省に問い合わせれば解決するのではないかと思われます。

 

 

・　・　・

 

 

気になった「基礎免疫」について少しだけ深堀りしてみました。まだモヤモヤしていますが、ここで時間切れ。

 

あらためて確認しますが、新しい情報がありましたら教えてください。よろしくお願いいたします。

 

では！