つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。今年も北海道小平町鬼鹿の海岸にニシンの群れが産卵のため沿岸に押し寄せる「群来(くき)」が現れました。さらに宗谷管内礼文町北部の船泊沿岸でも確認されました(共に4月28日)。北海道日本海沿岸では「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれるニシンについてご紹介します。
【目次】本記事の内容
ニシンの「群来(くき)」により海の色が乳白色になる!
ニシンの「群来(くき)」とは、産卵のためにニシンが大群で沿岸に押し寄せ、産卵・放精によって海の色が乳白色になることです。
北海道に春が近づいてくると「群来(くき)」がやってくることから、ニシンは「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれています。
「群来(くき)」自体は昭和30年代を最後に見られなくなりましたが、ここ10年ほどは小樽沿岸などで再び見られるようになりました。
出典:群来の様子の動画「小樽のおさかな普及推進委員会」
http://otaru-fish.jp/
今年の様子はこんな感じです。
小平町の海岸にもニシンの群来出現 ドライバーら次々と車止めるhttps://t.co/3x2MEtmgCS pic.twitter.com/m1HVrTsqHU
— 北海道新聞 (@doshinweb) 2019年4月29日
明治から大正にかけてのニシン漁の全盛時代には、「一起こし千両万両」といわれたそうです。小樽周辺には莫大な利益を得たことで、「鰊(にしん)御殿」と呼ばれる立派な番屋が建てられました。
出典:鰊御殿「公益社団法人 北海道観光振興機構」
https://www.visit-hokkaido.jp/info/detail/79
今年は礼文島でも1953年以来、66年ぶりに確認されました。
礼文の海を染める白 ニシン群来66年ぶり確認https://t.co/spAmwFVYkJ pic.twitter.com/s7m3dSefGq
— 北海道新聞 (@doshinweb) 2019年4月29日
ニシンの群来!60年ぶりくらいだって!いいの見れたな~ #礼文島 pic.twitter.com/fq9H1ORgkI
— 礼文島移住漁師ちっご丸 (@kd_rir) 2019年4月28日
昔は大量に押し寄せたニシンで海が盛り上がったそうです。想像がつかない光景ですよね。
ニシンは魚の中でも高い栄養価を誇る
ニシンの体長は約30センチほど。春の産卵期(3〜5月頃)には北海道沿岸に集まってくるため、「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれています。
卵はカズノコ(数の子)、昆布に卵を産みつけたものは子持ち昆布(こもちこんぶ)と呼ばれています。
血液をサラサラにするEPA(エイコサペンタエン酸)、脳の働きを活発にするDHA(ドコサヘキサエン酸)をはじめ、カルシウム、亜鉛、鉄分、マグネシウム、リン、ビタミンDなどが含まれていることから、動脈硬化や骨粗鬆症の予防や皮膚、粘膜、髪、爪などといった細胞の再生に効果があります。さらに抗ストレスのホルモン分泌を高め、赤血球を増やす効能があります。
魚の中でも高い栄養価と効能を誇っています。
生ニシンは絶品! 旬は10~12月
ニシンは日持ちがしないのが欠点で、内臓や頭を取り除いて干物に加工した「身欠きニシン(みがきニシン)」が全国各地に出回りました。
また麹漬けもお酒の肴として人気です。
生ニシンは絶品で、旬は10~12月にかけての時期です。食べたことがない人は、機会がありましたら食べてみてください。
せっかくですので、いくつかオススメの通販加工品を紹介しておきます(画像をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)。
ニシンの唄といえば……北原ミレイ『石狩挽歌』
『石狩挽歌(いしかりばんか)』は、1975年に発表された北原ミレイのヒット曲です。
「作詞:なかにし礼、作曲:浜圭介」による石狩のイワシ漁をテーマにしたもので、名曲中の名曲とされています。
北原ミレイの若い頃と、晩年のステージの2本を合わせて貼っておきます。
「北原ミレイ ベスト」
『石狩挽歌』をはじめ、全16曲を収録。北原ミレイの凄みを堪能できる一枚です。
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