つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。2021年5月19日(水)9時、埼玉県所沢市の西武園ゆうえんちがグランドオープンしました。
新「西武園ゆうえんち」の打ち出した方向性は、「古さ」。昭和を武器にし、鉄腕アトム(←手塚プロダクションの鉄腕アトム紹介ページに飛びます)やゴジラ(←東宝のゴジラオフィシャルサイトに飛びます)という硬軟かつ幅広い世代に愛される人気キャラを擁した挑戦は、はたして成功するのでしょうか? マーケティング担当は、株式会社刀(←マーケティングノウハウのライセンシングカンパニー株式会社刀の公式サイトに飛びます)です。USJをV字回復させた会社として知られています。
【目次】本記事の内容
新「西武園ゆうえんち」の内容
新「西武園ゆうえんち」のリニューアルは、西武鉄道、西武園ゆうえんちと、株式会社刀によって3年ほどの時間をかけて進められてきました。
「マーケティングで、日本を元気に」を掲げる株式会社刀と西武鉄道の思惑が合致したプロジェクトです。西武鉄道は西武園ゆうえんちを「地方創生」の起爆剤にして、日本を元気にしたいと考えています。具体的には所沢を「訪れたい場所」に変え、埼玉を中心とした関東の活性化、ひいては日本の「観光大国」化に貢献するのが目標です。
2020年1月には、コンセプトと戦略は発表されました。
メインコンセプトは
「心あたたまる幸福感に包まれる世界」。
これからの社会は、便利になっていく反面、人間関係の希薄化の進行も懸念されることから、「新しいのに懐かしいエンタメ体験」の場を創出する方向性に至ったようです。
高度成長期にあった1960年代の昭和の世界観を再現し、30もの店舗が並ぶ「夕日の丘商店街」では、元気あふれるパフォーマンスが繰り広げられます。
TM & (C) TOHO CO., LTD.
(C)TEZUKA PRODUCTION
コンセプト発表時の株式会社刀代表取締役CEO・森岡毅氏(←クリックするとwikiに飛びます)のコメントを紹介します。
「所沢を中心とする関東の活性化を実現するために2年間をかけてアイデアをじっくり練り込んでまいりました。西武園ゆうえんち再生の成功の鍵は、「顔」となるブランドを作ること。70年という歴史を持った遊園地だからこそ、そこに消費者に選ばれる確率を上げる勝ち筋があると考えました(中略)誰もが圧倒的な幸福感に満たされる場所へと、西武園ゆうえんちを蘇えらせます」。
ゴジラと昭和というのが、マーケティングのプロ中のプロが行き着いた勝ち筋の着地点だったわけです。
なるほど。。。
「顔」となるブランドを作る二枚看板「ゴジラ」と「昭和レトロ商店街」
「昭和レトロ商店街」の紹介はオープニング初日の様子を見ていただくのがベストでしょう(後述)。
まずは目玉となるアトラクション、ゴジラやキングギドラが登場するライド・アトラクション「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」の概要を紹介します。
『ALWAYS 三丁目の夕日』で知られる映画監督の山崎貴さん(←山崎さんのwikiページに飛びます)が手がけた映像と株式会社刀による精緻なライドアクションが組み合わさったもので、かなりスリリングで本格的なものに仕上がっている模様です。
5分程度のアトラクションのストーリーは、東京に突如登場したキングギドラが埼玉に侵攻してきたという設定。そこに新しい謎の巨大生物(ゴジラ)が現れるという絶体絶命の中を特殊装甲車に乗ってゲストが逃げていく……という流れです。
所要時間 | 約5分 |
定員 | 70名 |
対象年齢 | 4歳以上 |
身長制限 | 身長100cm以上のお子さまよりご乗車いただけます。身長130cmに満たないお子さまは、18歳以上の保護者の方と同乗をお願いします。 |
その他 | 車いすご利用の方は、乗り換えと付添の方の同乗及び介助が必要です。 |
気になるのはゴジラとキングギドラの造形です。手掛けたのが誰かはわかりませんが、山崎貴さんのツイートを見る限り、ゴジラはかなりイケてます。
西武園ライドゴジラのソフビがやってきました
データから起こしてあるせいか
凄くちゃんとライドゴジラです! pic.twitter.com/uaYDSVlan8— 山崎貴 (@nostoro) May 14, 2021
話題性抜群の「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」ですが、手塚治虫の「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」のキャラクターが登場するフォミリーエリア「レッツゴー! レオランド」も楽しそうな印象です。
この新しくて古い「西武園ゆうえんち」のリニューアルは成功するのでしょうか?
ハイテクさではなく、あえて新時代の逆行し、シニア世代までターゲットを広げた形でしょうが、新型コロナ感染拡大に巻き込まれて歴史的な失敗となる可能性もあります。
今回の大規模リニューアルは、100億円規模を投じたそうです。全盛期の20%にまで落ち込んだお客さんの足を呼び戻すことができるのでしょうか。
リニューアルした西武園ゆうえんちオープン初日の様子!
早速、西武園ゆうえんちのオープンしたばかりの様子がツイッターにアップされていましたので、共有しておきます(もし不都合がありありましたら、ご連絡ください)。
まずはオープニングの花火です。
西武園ゆうえんちオープンの花火、動画版です(音が出ます) pic.twitter.com/DMBVSLrdaY
— 遼@青鉄中心垢 (@ryo_railway) May 19, 2021
こちらは一番乗りされた方の動画です。
西武園ゆうえんちオープン!
1番乗り〜! pic.twitter.com/qAQDhctKyv— 中野キュー (@queuenakano) May 19, 2021
初日の入場者数はわかりませんが、生憎の天気にもかかわらず、かなりのお客さんが来場されたようです。
・ ・ ・
調べてみると、リニューアルの詳細がわかる動画がありました。園内の全体像、さらに「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」のネタバレも含みますので、お気をつけください(6:25あたりから)。
「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」は、富士急ハイランドのフライトシュミレーションライド「富士飛行社」と同じ機材のようです。
台湾の高雄にあるBrogent社(←公式サイトに飛びます)が開発したフライトシミュレーター「i-Ride」(←公式サイトの機材説明ページに飛びます)は、今後も各地の遊園地などで採用されていくことでしょう。
山崎貴さんは「自分史上最高ライドかも。あと200回位乗りたい」とツイートしています。
ライドがほんとに大好きで今までもいくつものライドに乗ってきましたが、もしかしたら自分史上最高ライドかもと思いました。それを自分たちのチームが作ったという事に感無量。あと200回位乗りたい。ゴジラ好きにこそ早く乗ってもらいたいです。
— 山崎貴 (@nostoro) April 13, 2021
昭和体験のポイントは、「西武園通貨」とお買い物体験
今回、「百園(ひゃくせいぶえん)」と「拾園(じゅうせいぶえん)」という2種類の園内通貨を導入しているのも昭和体験のポイントです。「ジャングル大帝」のレオとパンジャをあしらった紙幣は、伊藤博文あたりの1,000円札を彷彿させます。
また「食堂助六屋」のライスオムレツ、食べ歩きできる「肉のおほみ」のクロケット(コロッケ)、「喫茶ビクトリヤ」の熱々のスパゲッティー・ナポレターナをはじめ、ポン菓子体験や射的体験など、現在では経験できなくなった昭和の日常が蘇ります。
気になる料金など、西武園ゆうえんちの概要は下記のとおりです。
<西武園ゆうえんち 概要>
●オープン日 2021年5月19日(水)
●営業時間 日により異なります
●休業日 不定休
●ライドアトラクション 12機種
●商店街 30店舗
●飲食施設 12店舗
●料金 1日レヂャー切符(入園+アトラクションフリー)
大人(中学生以上) 4,000円(税込4,400円)
子供(3才~小学生) 3,000円(税込3,300円)
※その他、お得なパック料金もご用意しております。※3才未満は無料
●公式サイト https://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/index.html
さて、ここからが記事のキモです。
新「西武園ゆうえんち」は成功するのでしょうか? それとも大失敗するのでしょうか?
あれれ?
公式サイトを見ると、記者発表では「懐かしさ」「人情味」「幸福感」を打ち出していたはずですが……。
トップページでのメインの打ち出しは「熱気」「熱狂体験」「圧巻のライブ・パフォーマンス」「ワクワク体験」「理不尽過ぎるスリル」などといった扇情的な単語が並んでいます。
ちょっと……オープン早々から違和感を抱いてしまいます。
新「西武園ゆうえんち」は本当に大丈夫なんでしょうか?
・ ・ ・
このプロジェクトを手掛けた株式会社刀の森岡毅氏は、積み上げてきたメソッドや明確なビジョン、さらに強固な信念で西武園ゆうえんちリニューアルに挑んだようです。森岡氏の確信に迫ったインタビューが「日経ビジネス」や「ダイヤモンド・オンライン」に掲載されていました。気になる部分を抜粋してみます。
マーケティングとエンタメで日本を元気に! 森岡毅氏の真髄
森岡毅氏の真髄に迫った記事で気になった部分を抜粋します。内容が非常に濃い記事ですので、気になった方はチェックしてくださいね。
まずは「ダイヤモンド・オンライン」の記事から。
「周囲から見ると強引で非常識なことばかりやる子どもだったと思います。同じ年頃の子どもたちとは波長が合わない。周りの大人にも眉をひそめられたり怒られたりすることもよくありました。(中略)作戦を考えることが得意でしたから、そういう勝負がかかったときには「森ちゃん、どうやったら勝てる?」とクラスメイトが相談してくれたりしました。その「自分が必要とされる感覚」は飢餓感を満たし、子ども時代の貴重な成功体験として蓄積され、今につながっているように思います」
引用:「森岡毅氏がリーダーになるまでの意外な道のり、弱点をいかに克服したか」(ダイヤモンド・オンライン/2021.2.24 4:20)
戦略を立て、組織を統率し、ライバルとの競争に勝って生き残る。この子ども時代の原体験が、経営者へと導きます。
大学卒業後、P&Gへ就職しました。他にも大手商社などの内定をもらっていたにもかかわらずです。理由は、ハードな環境で成長しやすいからだったようです。
しかし、希望に燃えていたはずでしたが、ここで大きな挫折を経験することとなります。簡単に言ってしまうと、自分より能力のある人材がゴロゴロいる中に入り、鼻をへし折られたそうです。
苦悩の末、自分のダイバーシティを認めることに辿り着きました。
「私はナスビなのに、ニンジンになろうとしていた。ナスビなら、思い切り立派なナスビになることを目指すのが正しい。自分の特徴を生かすことが大事なのに、自分とは違う資質の人や一般的に良いとされているものと比べて、それになろうとするなんて、ばかげています。私の場合は、闇の中でもがきながら、それでも生き残るために、自分自身のダイバーシティ(他者との違い:特徴ある多様性)を受け入れることが大切だと気づくことができたのは幸いだったと思います」
引用:「森岡毅氏がリーダーになるまでの意外な道のり、弱点をいかに克服したか」(ダイヤモンド・オンライン/2021.2.24 4:20)
自分の特徴を最大限に活かすことの大切さに気づいた森岡氏の価値観は、「個」から共同体の「公」に移っていきました。
それぞれの「個」を活かした集合体である「公」のパワーを実感し、失敗体験を独自のマーケティング理論へと昇華させていきます。
法則性を数理モデル化した「数学マーケティング」のキモ
一皮むけた森岡氏の快進撃は、ここからスタートしました。人の頭の中にある物事を選ぶ確率の法則性を数理モデル化した「数学マーケティング(論理的思考力=ロジック)」で結果を出し続けていきます。
「数学マーケティング」はロジックが基本ですが、そのロジックを磨き上げるためには、執念深さと情熱が不可欠と語ります。
「『鬼滅の刃』がブームになりましたが、映画を見る際は、1回目は一人の消費者、一般観客としてできるだけバイアスを排除して普通に見ます。2回目は映画ではなく熱狂的なファンを観察します。ファンがどこでどのように反応するかを最前列の席を陣取って、客席から後ろを振り返って観察するのです。3回目はコアファンに連れられて来ただけの人、親や友人や彼氏・彼女がどこで反応するか、やはり観察します」
引用:「森岡毅氏がリーダーになるまでの意外な道のり、弱点をいかに克服したか」(ダイヤモンド・オンライン/2021.2.24 4:20)
映像の専門家からすると3回など全然少ないのですが、経営者やマーケッターの中でこれほどまで漫画にまで情熱を傾けている人はどのくらいいるでしょうか。
会社名の「刀」という命名が非常に気になっていますが、きっと森岡氏は人間性自体が非常に熱い方なのでしょう。
さて、まだまだ森岡氏のインタビュー記事の抜粋は続きます。あらためて。
ちなみに森岡毅氏の著作は何冊も出ています。レビューを見ると、かなり評判もいいです。気になる方は、こちらの「森岡毅氏の著作」のリンクをクリックして調べてみてください。
↓[ Googleセレクト 関連コンテンツ ]↓
wordpressやるなら
エックスサーバーがオススメ!
このサイトはスタート時より「wordpress × エックスサーバー」によって運営しております。他のサーバーとも契約をして別サイトを構築しておりますが、エックスサーバーの使い勝手がイチバンです。セキュリティ、サポートに満足しております。しかも低コストです。利用者が多いので情報がネットに多いことも助かります。
詳細は下記ボタンより