つなワタリ@捨て身の「プロ無謀家」(@27watari)です。です。2021年2月14日からスタートする第60作目となる大河ドラマ「青天を衝け」(←クリックすると第がドラマページに飛びます)の主人公は渋沢栄一です。
2024年度上半期に刷新される新1万円札の顔に選出されたことでも知られる渋沢栄一は、ピーター・ドラッカーを大絶賛させた世界に誇る日本人としても知られています。※ちなみに5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎。
その理由は、ドラッカー曰く「経営の本質が責任であることを見抜いていた」からです。「近代日本経済の父」と呼ばれ、約480社もの企業を生み育て、600の社会福祉公共事業に携わった渋沢栄一の真髄を炙り出していきます。
ちなみに私が勝手に思っていることですが、渋沢栄一と上杉鷹山は世界に通用する日本人のツートップだと思っています。
【目次】本記事の内容
渋沢栄一を知りたければ、『論語と算盤』を読め
渋沢栄一が経済人がなすべき道を示した著作『論語と算盤』(←クリックするとアマゾンのページに飛びます)。これを読めば、渋沢栄一の真髄を会得することができます。
とはいえ、時間がない人も多いでしょう。そこで渋沢栄一のエッセンスを抽出して紹介していきます。
「知・情・意」の絶妙なバランスの追求こそが、渋沢栄一の真髄!
渋沢栄一は「利潤と道徳を調和させる」という経営哲学を生涯を通じて貫きました。
そして「世に成功熱に浮かされ、野猪的に進む者が多いが、その多く失敗に終るは、身のほどを知らないからである」と、冷静な判断を持たずに猪突猛進することを戒めていました。
とはいえ、性格的には情熱にあふれており、「もうこれで満足と思う時は衰えるときである」「国民一人ひとりが勇気を持って世づくりに参画していこう」と、常に「官尊民卑」の理想を追い続けました。もちろん行動と責任を合わせ持ちながら、社会全体を富ますことに心血を注ぎました。
大胆な行動と冷静な思考の絶妙なバランス感覚は、哲学者カントが提唱した人間の持つ3つの働きである「知・情・意(ちじょうい)」の上に成り立っています。
きっと渋沢栄一はカントのように「私は何を知りうるか/私は何を望んでよいか/私は何をなすべきか」の自問自答を繰り返し続けていたと想像できます。
では、まずは「知・情・意(ちじょうい)」の本質から解説していきます。
渋沢栄一の名言「知、情、意の三者が権衡を保ち、平等に発達したものが完全の常識だと考える」
渋沢栄一は「知・情・意(ちじょうい)」を平等に発達させることを説きました。
簡単に言ってしまえば、「知識だけはなく、感情を尊び、正しい価値観を意志を持って貫くことが大事」といったところでしょう。
世の中は「知」だけではない! カントが提唱した人間学へ!
カントは連綿と続いてきたソクラテスを源流とした主知主義を否定し、人間らしさ(人間学)を提唱した哲学者です。そこには確固とした「自分」という存在を認識しつつも、それを越えた意志を意識したともいえるでしょう。
ちなみに余談ですが、私は「潜在意識・顕在意識・宇宙の意識」という3つの意志で成立していると考えています。
参考:【願いを叶える法則】潜在意識・顕在意識・宇宙の意識〜3つの意識を知れば、必ず夢は実現する!
https://27watari.com/voice-of-cherub-001
さて、哲学の祖と呼ばれるソクラテスを源流とした主知主義について簡単に説明します。ソクラテスは魂は「理性」「意思」「欲望」という3つの要素で成り立っており、その中の「理性」を重視しました。そして「理性」を高めるために「知識」を増やすことを提唱しました。これが主知主義の基本です。つまり、「自分の無知を知れ!」ということです。
ソクラテスの考え方はプラトンに引き継がれ、その後も脈々と生き続けます。
そこに登場したのがカントです。
カントは理性や知性の限界を指摘し、「知・情・意(ちじょうい)」をふまえ、調和させて生きる道を判断することを唱えます。
判断方法も明確に提示しており、カントは「規定的判断力」と「反省的判断力」の2つを提唱しました。そして「反省的判断力」には「美的判断力」や「目的論的判断力」があります……これ以上掘り下げると話が混乱するのでストップしますが、世の中の議論とは、カントが提唱したような判断力の交換である場合が非常に多いのです。
議論のための議論になってしまうケースが少なくないのは、議論の目的が曖昧だったり。判断力の方法がそれぞれが異なるからです。
カントも成し得なかった渋沢栄一の実践哲学
冒頭でピーター・ドラッカーが渋沢栄一を大絶賛したエピソードを紹介しましたが、渋沢栄一がすごいところは、カントが提唱した「知・情・意(ちじょうい)」を実践したところにあります。
「知・情・意(ちじょうい)」を実践し、社会生活や経済の分野で形にしたことが素晴らしいことなのです。
ドラッカーは渋沢栄一に対して「経営の本質が責任であることを見抜いていた」と評価していますが、本来はこう言うべきです。
「渋沢翁は、私のマネジメント論を具現化した驚異的実践者である」と。
『完き(まったき)人』とは、責任を持つということ
渋沢栄一は『偉き人』と『完き人』という言葉を使い、自身は『完き人』を目指しました。
「知、情、意の三者が権衡を保ち、平等に発達したものが完全の常識だと考える」と渋沢栄一が語り、あえて『完全の常識』と言い放ったことは、自分が判断した「責任」が伴います。
その「責任」を背負うことができる人が、『完き人』です。
ちなみに『偉き人』は、何かに突出した人物を指しています。私はピカソやミケランジェロ、ダ・ビンチ、岡本太郎のような存在だと解釈しています。
先が読めない新時代だからこそ、『完き(まったき)人』の思考が必要だ
令和時代に必要なのは、『完き人』の生き方でしょう。
それは「知・情・意(ちじょうい)」の判断→完全の常識という判断→実践というスタイルです。
「知・情・意(ちじょうい)」を育て、責任持った判断を下していきたいところです。
とはいえ……夏目漱石も『草枕』でこう言ってます。
「山路を登りながら、こう考えた。 知に働けば角が立つ、情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とにかく人の世は住みにくい」
夏目漱石は、「知・情・意(ちじょうい)」の試行錯誤を難しさと素晴らしさを伝えたかったわけですね。
新札を決める基準とは? カントの影響を受けている?
そういえば夏目漱石は千円札に採用されていましたが、今回の渋沢栄一の選出も含めて考えると、決定の条件の中にカントの思想が流れているのかもしれません。
ちなみに銀行券は「財務省、日本銀行、国立印刷局の三者」で協議して決められます。主な条件は明治以降に活躍した人、幅広く知られている人、文化人であることなどです。
その他にも条件はあるでしょうが、とにかく今回の渋沢栄一を採用したのは、「自分の責任で判断して生きろ!」というメッセージが込められているのかもしれませんね。
続きは、あらためて。
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