【世界の水とトイレ事情】安全な水とトイレを世界中に広げるのが課題

つなワタリ＠捨て身の「プロ無謀家」（@27watari）です。水に関する雑学をまとめています。今回は水に関する世界の課題です。

 

 

安全な水がない人は約8億人、衛生的なトイレがない人は約20億人

「SDGs（エスティージーズ）」という2030年までに達成する世界の共通課題があります。その中の6番目が水に関する課題です。それは「安全な水とトイレを世界中に」というものです。では、現在はどのような状況なのか確認してみます。

 

 

◯安全な水が飲めない人は、世界で約8億人

世界の人口は約78億7500万人、そして世界の国の数は196か国です。その中で水道の水がそのまま飲める国は、約15カ国といわれています。

 

国土交通省の資料によると、水道水がそのまま飲める国は、「フィンランド、アイスランド、アイルランド、スロベニア、ドイツ、オーストリア、アラブ首長国連邦、ニュージーランド、南アフリカ、モザンビーク、レソト、ナミビアの12か国に加え、データが一部地域しかないストックホルム（スウェーデン）とシドニー（オーストラリア）、日本」となっています。

 

 

発展途上国では汚れた川の水を飲んでいるので、多くの子どもたちが命を落としています。その数は、1年間に約30万人ほど。毎日800人以上の乳幼児（90％が5歳以下）が汚れた水を原因とする下痢症で亡くなっています。ほどといわれています。とくにアフリカ周辺の水問題は深刻です。

 

 

危険な水とは、どんな水なのか想像つきますでしょうか？　それは泥や細菌、動物の糞尿などが混ざった、いわば毒水と言っても過言ではないような液体です。主な細菌はコレラ菌、赤痢菌、チフス菌、大腸菌などで、抵抗力の弱い子どもたちには耐えきれません。

 

しかし、それでも飲まなくてはならない状況に迫られているわけです。なぜなら人間は1人あたり1日に20リットルの水が必要だとされているからです。

 

また、飲むためには遠くの川や湖に汲みにいかなくてはなりません。水を運ぶ仕事は子どもや女性が行うことが少なくありません。わずかな量の水を、毎日何回も運ぶわけです。つまり、学校に行く時間すらなく、しっかりとした教育を受けられない子どもがたくさんいるわけです。私たちは蛇口をひねれば水が出るという生活が当たり前ですが、そういったことに感謝しなくてはなりません。

 

 

◯「アフガンの問題は、パンと水の問題である」

アフガニスタンの人たちに寄り添い、65万人の命を救った日本人医師、中村 哲さんは「水は善人・悪人を区別しない」「100の診療所よりも1本の用水路を」という象徴的な言葉を残しています。本当に水とは、まさに生命線ともいえる存在です。

 

残念ながら中村さんは2019年12月4日に武装グループから銃撃を受けて亡くなりました。しかし、中村さんの志は現在も生き続き、受け継がれています。気になる方も多いでしょう。関連記事を少し載せておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰も行かないところに行く」という中村医師の信条や人柄、そして長年彼を支援してきた団体の活動・歩みについて気になる方は、こちらをご覧になってください。

 

 

◯汚した水を清潔にしないと、汚した水に仕返しされる

文化生活とは、正しく水と付き合っていくことです。発展途上国では自分たちで使った汚れた水をそのまま川などに流しています。その汚れた水を飲んだり、汚れた水で育った魚などを食べることで、汚れは自分たちに戻ってきてしまいます。つまり水は正しい循環で使わなくてはなりません。そのために必要なのが水道設備と下水設備の2つです。

 

生きるとは、自分たちの責任をしっかりと果たすということです。この設備を整備することが、冒頭で紹介した1年に30万人の子どもたちの死を防ぐことになります。

 

 

◯衛生的なトイレがない人は、世界で約20億人

冒頭にも書きましたが、安全な水がない人は約8億人、衛生的なトイレがない人は約20億人もいます。

 

先程、水と付き合っていくためには、水道設備と下水設備の2つが必要だと書きました。トイレの普及は下水設備にかかっています。きっちりした下水設備が整っていない限り、細菌などが繁殖した水に仕返しされるということです。

 

井戸を掘れば、水を得ることもできます。しかし、下水（衛生的なトイレ）も同じ足並みで作っていかなくてはいけません。これが非常に大きな課題です。

 

ちなみにトレイの進化は、4段階に分けて考えることができます。それは「①野外で用を足す」「②穴を掘っただけの簡易的なもの。野外と基本的には変わらない」「③共同トイレ（下水設備は不十分で、垂れ流し）」「④水洗トイレなど」の順番です。①から③までは衛生的とはいえません。かといって日本のように水洗トイレを整備するには、非常に時間とコストがかかります。

 

 

 

＜まとめ＞水に感謝！　日本の生活に感謝！

世界の水事情を簡単にまとめてみました。いかがでしょうか。私たちはもっと日本の文化的な環境に感謝しないといけないですね。

 

では！

 

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